【インタビュー】BREAKERZ、『0-ZERO-』完成「2015年夏は人生で最も忘れられない季節に」

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BREAKERZが7月29日、4年ぶり6作目となるオリジナルアルバム『0-ZERO-』をリリースする。クールなロック感に貫かれた同作のテーマは、“ゼロからのリスタート”。それぞれのソロ期間を経て2015年、新たに始動した彼らのエモーションやエナジーのすべてが高らかに鳴り響く、全10曲全37分を収録した。

◆「Ø-ZERO-」Bonus DVD digest movie 動画

そのため、あえて再始動第一弾シングル「WE GO」以前の楽曲は収録しないという潔さ。加えて、新たなレコーディング機材の存在やBREAKERZとしては初めてSHINPEI作詞によるナンバーが、今をひた走る3人の高い純度を増幅させて隙がない。また、3人各々の作詞作曲ナンバーを据えた楽曲群は、ソロ活動を経た彼らならではの豊かな楽曲バリエーションがアルバムに奥深さを持たせることに成功した。三者三様の個性を結集して一丸となったアルバムについてじっくりと訊いたロングインタビューをお届けしたい。

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■リセットしたわけではないし、1stアルバムの頃に戻るという意味でもない
■より進化したZEROからのリスタート──DAIGO

──再始動第一弾アルバム『0-ZERO-』は1曲1曲にパワーがあって、全10曲が一気に聴ける勢いとクオリティの高さを兼ね備えています。ZEROからスタートを切る意志のもとに制作されたアルバムだと思いますが、制作に入る前にメンバーで意志確認したことは?

DAIGO:まず、再始動するに当たってどういうバンドであるべきか話し合ったんです。それぞれがソロ活動を経たこともあったし、僕自身、BREAKERZという乗り物をすごく客観的に見ることができたんですね。クルマの色に例えたらこれまではカラフルで黒もあればピンクも青も黄色もあって。それはそれで良かったと思うんですが、黒光りしているようなカラーリングにしてもいいんじゃないかって思いました。もともとBREAKERZが始動した頃はクールなロックサウンドを追求していたので原点に立ち返るという意味も含めて、よりカッコよさを追求してもいいんじゃないかって。そういう話をしましたね。

──ということは、結成当初に立ち返るという意味での“ZERO”でもあるんですか?

DAIGO:ただ、今までやってきたことを踏襲しつつのZEROなので、リセットしたわけではないし、1stアルバムの頃に戻るという意味でもない。1周して改めてここに行き着いた感じですね。当時の自分たちを真似するのではなく、より進化したZEROからのリスタート。

──なるほど。選曲の基準というのは?

SHINPEI:そんな話をした後に曲を作ったこともあって、BREAKERZとしてカッコいいサウンドという意識が根底にある曲が選曲会で集まったんですね。これまでのBREAKERZの良さを活かしつつ、各自がソロ活動で培ってきたセンスも反映されている絶妙なバランスの曲が多くて、その中から選りすぐった10曲になりました。

DAIGO:ストックした曲とかじゃなくて、とにかく今のBREAKERZを表現したかった。だから、すべてシングル「WE GO」以降に作った曲たちなんです。

──オープニングの「0-ZERO-」からしてフックのあるロックチューンで、大人の色気が感じられる曲もあれば、スケール感のあるバラードもあるし、怒り爆発の激しいナンバーもある。各自、アルバムをどう捉えていますか?

AKIHIDE:まず、今回はシンセを入れずにバンドサウンドを押し出した曲を作ろうと思ったんです。そのコンセプトは1stアルバムと同じなんですが、完成したものはちゃんと時代性が反映されていて、今の僕たちならではのソリッドなサウンドになったと思っています。無駄がないのに足りていないものがない。ギターは複雑なアレンジをしているんですが、宅見くんというアレンジャーが入ってくれたことで思わぬ化学反応が起きた曲もあったし、マスタリングが終わって聴いたときには曲数的には10曲ですけど、ちゃんと厚みのあるアルバムができたなと思いました。何より今まで応援してくださった方が久々のBREAKERZのアルバムとして聴いたときに、いい意味で裏切っているけれど、ちゃんと期待に添えたものができたんじゃないかと。これをキッカケに新しい出会いも生まれたらいいなと思います。

──ギタリストとしてこだわったのはフレーズですか? それとも音作り?

AKIHIDE:両方ですね。昔から弾いているギターは使ってなくて、わりと最近買ったものばかりを使っています。

──SGは使わなかったと?

AKIHIDE:そうです。赤のギブソンES-335と最近買ったフェンダーの白いレリックのストラトキャスターですね。それとカウントダウンで使った黒いストラトキャスターも。

──これまでのBREAKERZの流れとは違うサウンドを求めたということ?

AKIHIDE:過去のノウハウに頼らずに、今、出せる一番良い音を考えたら自然とそうなったんですよね。たぶん、それが今求めている音。そういう正直な気持ちを音にも込めましたね。

──そういう意味でもZEROだったわけですね。

DAIGO:アルバムは全10曲で分数にすると37分強なんですが、あえて厳選しているので、パッと聴けてまたリピートしたくなるっていう。あとはZEROからのリスタートというテーマで作りましたけど、バンド名の通り、ぶっ壊して新しいものを作る精神性も込められているし、“THIS IS BREAKERZ!”って言える作品ができたのが嬉しいですね。シングルは「WE GO」しか収録されていないんですよ。

──それもBREAKERZの中では珍しいですよね。

DAIGO:そうですね。だからこそ自由度の高い作品にもなったし、自信を持って送り出せるアルバムになりました。

SHINPEI:僕はソロ活動を経て作ったアルバムというのが、1つのキーワードだと思っているんですね。バンドからいったん離れてソロプロジェクトを担っていくのは、やりがいもあったし、チャレンジでもあったし、個性を磨くいい機会でもあった。すごく有意義な時間を過ごして、ひと段落したときにBREAKERZを客観的に見たら、僕はこのメンバーでバンドをやれていることに改めて喜びを感じたんです。奇跡的な確率でこの3人は出会ったんだなって。そういう日々を踏まえて、スキルを磨いた3人が再び集まっても決して凸凹になるわけではなく、みんなの思いが一致した結果、絶妙なバランスの個性豊かな曲が集まってBREAKERZとして成り立っているアルバムができたと思っています。

──ギタリストとしてこだわったところは?

SHINPEI:昔から使っている機材と新しい機材を組み合わせたんですね。ギターは今まで通りレスポールがメイン。アンプは一新してディーゼルに。結果、フレッシュな音でのぞめたので、全体的にソリッドな音で録れたんじゃないかなと思っています。

──AKIHIDEさんとSHINPEIさんの音の分離がよくて、それは音作りが大きく影響していると思うんですが、“ソリッド”は目指したところ?

SHINPEI:そうですね。身体にたとえると、細マッチョな音(笑)。

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