【インタビュー】マンター「2人だからヘヴィ」

ツイート

ドイツ出身のダーク・エクストリーム・デュオ、マンターが日本デビュー作『オード・トゥ・ザ・フレイム』を2016年4月15日に世界同時発売する。

ハンノ(ギター/ヴォーカル)とエリンチ(ドラムス/ヴォーカル)が叩きつける重低音ヘヴィ・ロックの塊は、精神と肉体の損壊の危険を漂わすもの。「2人なのにヘヴィなんじゃない。2人だからヘヴィなんだ」と語るハンノに、日本初インタビューを敢行した。





──2人編成でヘヴィ・ロックをやるというコンセプトへのこだわりについて教えて下さい。

ハンノ:別にこだわりがあったわけではないんだ。いろんなバンドでやるうちに俺は30歳、エリンチは37歳になってしまった。かつてのバンド仲間はみんな就職したり結婚したり、どこか別のバンドに落ち着いたりして、気がついたら俺たち2人しか残っていなかったんだ(笑)。ただ、2人編成は俺にとってベストだと思う。少人数だからミスをしたら、どこにも逃げ場がない。常にベストのプレイをしなければならない。そのスリルがたまらないんだよ。マンターの音楽にはギミックがないしシンセサイザーもない。もしメンバーが3人あるいは4人いたら、これほどヘヴィにならなかったと信じている。

──バンド名“MANTAR”とはどんな意味があるのですか?

ハンノ:トルコ語で“キノコ”という意味なんだ。エリンチの両親はトルコ出身で、1970年代にドイツに移民してきたんだよ。“マンター”にはシンプルでキャッチーな響きがあるし、トルコ語だということでエリンチのルーツも表すことができる。決して幻覚キノコを意味するわけではなく、普通の“マッシュルーム”のことだ。バンド・ロゴもオールドスクールで気に入っているんだ。ガキが教室の机に落書きするような感じで、バンドのD.I.Y.な姿勢を表している。初期アクセプトのロゴみたいな雰囲気でね(笑)。

──マンターの音楽性はどのように説明しますか?


ハンノ:ヘヴィで破壊的なD.I.Y.ロックだ。俺のバックグラウンドは100%パンクだった。1970年代のUKパンクやOI!パンクが好きだったけど、マンターではブラック・メタルやダブの要素も取り入れている。エリンチもパンクで音楽に目覚めて、それからグランジやニュー・ウェイヴ、ゴスなどを聴いてきた。そんな要素すべての集大成がマンターの音楽性だよ。D.I.Y.でシンプル、それでいてあらゆる音楽スタイルが詰め込まれているんだ。ライヴ会場にはパンクスもメタル・キッズも来る。みんなウェルカムだ。

──『オード・トゥ・ザ・フレイム』はバンドの2作目のフルアルバムですが、どのようにして曲作りをしましたか?

ハンノ:約3ヶ月連日何時間もかけてジャムを行って、そんな中から浮かんだインスピレーションを曲にしていったんだ。ライヴと同じ機材で、プロデューサーも無しで生の顔面に叩きつける音楽をプレイしたんだ。オーバーダビングすらほとんどしていない。俺たちにとって音楽はシンプルなものなんだ。ロケット科学者じゃないし、分析することなく、原始的なパワーを演奏に叩きつけたよ。俺たちにとってソングライティングは大事だけど、偶発的なフィーリングも重視しているから、曲の80%を書いた段階でスタジオに入るんだ。残りの20%はスタジオのマジックに委ねるのさ。

──マンターの長期的な活動の展望は持っていますか?

ハンノ:俺たちは明日より先のことは考えないようにしている。ブレーメンで育って、8年ぐらい前にハンブルクに引っ越して、3年前にマンターを結成した。その頃は、自分たちのアルバムが日本で発売されるなんて考えてもいなかった。俺たちは長いあいだ別々のバンドでやってきたけど、レコードも出していなかった。若い頃だったら野望を抱いていただろうけど、今は一歩ずつ前進することを考えている。その向かう先に、日本でライヴを行うことがあったら最高だね。

──『オード・トゥ・ザ・フレイム』のズシンとした重低音はベースレスと思えませんが、どのように低音を出しているのですか?


ハンノ:ESPのバリトン・ギターを弾いているんだ。質が良くて手が届く値段のバリトン・ギターはこれだけだからな。それをギター・アンプを高音域用と中低音域用に2台、そしてベース・アンプに繋いでいる。エフェクターはディストーションとディレイ程度で、きわめてシンプルなセットアップだよ。俺がESPを弾いていて、エリンチはヤマハのドラム・キットを使っているんだ。日本の楽器は銃弾も通さない強さがあるから、俺たちみたいにハードにツアーするライヴ・バンドにはピッタリだよ。

──マンターのライヴはどんなものですか?

ハンノ:俺たちのライヴは基本的にアルバムと同じだけど、より攻撃的で生々しくダークでヘヴィだ。年間160~170回ライヴをやるから、常にテンションを高くしている状態だよ。破壊的な憤怒に身を任せるからMCもほとんどないし、暴力の美学を貫いている。ただ、憎しみや差別などを助長することはない。ひたすらヘヴィな音楽をプレイするだけだ。論より証拠で、ぜひ日本でライヴをやりたいね。俺が育ったブレーメンの地域コミュニティ・センターではブレイク前のグリーン・デイやL7のショーを観ることができたけど、Hi-STANDARDも観たことがあるんだ。それまで日本の音楽に対して何のイメージも抱いていなかったけど、そのレベルの高さとノリに驚いた。生半可なステージ・パフォーマンスじゃ日本で通用しないと感じたよ。だからこそマンターの音楽を日本のオーディエンスに叩きつけたいんだ。

取材・文:山崎智之
Photos by Tim Klo cker

【メンバー】
ハンノ(ヴォーカル/ギター)
エリンチ(ドラムス/ヴォーカル)

マンター『オード・トゥ・ザ・フレイム』

2016年4月15日発売
【通販限定/CD+Tシャツ】4,500円+税
【通常盤CD】2,300円+税
1.カーナル・ライジング
2.プレイズ・ザ・プレイグ
3.イラ・ボリアリス
4.ザ・ヒント
5.ボーン・リヴァースド
6.オズ
7.アイ、オーメン
8.クロス・ザ・クロス
9.シュヴァネンシュタイン
10.サンダウニング

◆マンター『オード・トゥ・ザ・フレイム』オフィシャルページ
この記事をツイート

この記事の関連情報