【インタビュー】the god and death stars、リメイク作品に「復活のきっかけと最高傑作を」

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■活動休止をしていなかったらこうなっていなかったかも
■いいタイミングで出来た作品ですね──aie

──曲によっては、重厚感のある作りになっていますが、レコーディングでもこだわりはありましたか。

aie:今までよりは音数が入っているかもしれないですね、特に1曲目のインスト「into the filtration」はギターは5本くらい入れてるかな。ここは大嵩潤のギターも入っているしね(笑)。レコーディングでリズム隊が先に終わって、後は僕のギターと歌だけというところで、なんとなくやっていたら昼過ぎに大嵩潤がスタジオに来て。しかも、「買っちゃいました」ってギターを持ってきたんですよ。

大嵩:ははは(笑)。

aie:前日にkazuさんと、「ギターを始めようかと思いまして」って話してたらしくて、それで楽器屋に見にいったら、2万だったっけ?
大嵩:2万円です。

aie:それを買ってきて(笑)。見たら結構カッコいいんですよ。じゃあ、せっかくだから使ってみましょうかっていうので、それでレコーディングもしたんです。「into the filtration」のカッコいい音は、大嵩潤のギター(笑)。まさか楽器店の人もね、その人が今買ったギターが1時間後にレコーディングで使われているとは思いもしないだろうけど(笑)。

kazu:しかも2万だしね。

▲大嵩潤(Dr)

──それほどギターを重ねることはこれまでなかったと思うんですが、この曲に関してはリアレンジ当初からイメージしてたものですか。

aie:それこそ、自分がthe god and death stars以外でもバンドをいくつかやっていたここ1年くらいで、発想が変わったところではありますね。いろんなレコーディング現場をやりながら、自分のシフトが変わってきていると思っていて。昔は、頑なに一本しか弾かなかったんです。でもライヴと作品を分けてもいいわけで、ちょっとギターを重ねてみた。HEREがこの前に出したシングル「はっきよい.ep」に、ギタリストふたりの2時間くらいの教則DVDがついてくるんです。それを家で2時間観てて。ほぉとか言いつつ、そのギターから影響を受けたのがこのアルバムですね。(笑)。ああなるほど、オクターブ下で弾いてるんだとか。

kazu:はははは。

──そんな影響も(笑)。ギターの面白さというものに、今一度目覚めるような。

aie:それこそ今の大嵩さんがギター弾いて楽しいように、そういうのを観ながらやるのって楽しいですよ。20代とかに持っていた、俺は俺だっていうプライドはなくなりましたね。どんどんいろいろやってみようというか。

kazu:あとは速弾きだけだね(笑)。

──それまでは、3ピースだからこそ3人の音以外の要素を入れたくないというのは、譲れない基本姿勢だったんですか。

aie:“もう1人ギターを入れようか”とかも一時期は話したりしてたんですけどね。誰かいい人がいれば入れるかもしれないですけど、今3人だし、4人になったら当然1人あたりのギャラも減るのでね(笑)。そこは避けたいという(笑)。あと前は、カート・コバーンだったらやってなかったことはやらないと勝手に決めていたんです。けど、当然カート・コバーンの年齢も超えて、いろいろやっていかなきゃいけないなと。ないですか? 自分の好きなアーティストがやらないことは俺もやらないみたいな気持ち。

大嵩:うんうん。あるある。

aie:そういうのをこじらせていたんですね。でも、これだけ長い間音楽をやっていると、好きなアーティストとも実際に会ってしゃべることができたりすると、実はその人はそんなに考えていなかったりもして。その人の方がもっとフットワークが軽かったりする。そうすると、ああ、なるほどなって思うんですよね。

大嵩:自分で自分のスタイルっていうのを決めつけちゃったりしますよね。俺はこうだからっていうのを。

aie:そういうのを、今はナチュラルに外していけてるかなと思いますね。もしかしたら、大嵩潤が身体を壊して活動休止をしていなかったら、こうなっていなかったかも。あのままバンドがだらだら続いていて、さあニューアルバムだとか言っていたら、こういうきっかけはなかったと思うので。バンドにとって、いいタイミングで出来た作品ですね。

取材・文◎吉羽さおり


■『after the addle apple』

2016年4月20日発売
DSGD-010 ¥2,500(税別)
01.into the filtration
02.濾過
03.cannabis
04.damned
05.after the addle apple
06.elephant in the room

■<ONEMAN 「recovery of the god」>

2016年5月6日(金)下北沢SHELTER
OPEN 18:30 / START 19:00
前売り¥3,500 当日¥4,000(D別)
イープラス・ローソンチケットにてチケット一般発売中
(問)下北沢SHELTER 03-3466-7430

■<Scorching a Scean!! vol.12>
2016年5月25日(水) 新宿LOFT
出演:the god and death stars / FANTASISTA / RIS / room12
開場/開演 18:30/19:00

■<アプレゲール presents 「ChouChou 01」>
2016年7月3日(金) 高田馬場CLUB PHASE
出演:アネモネ / 犬神サアカス團 / Der Zibet / the god and death stars / R2Y+J (50音順)
開場/開演 17:00/17:30

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