【インタビュー】OLDCODEXが今だからこそ笑って話せる“あの時”、そして未来…シングル集『Fixed Engine』

ポスト

■一瞬、自分の中の何かがプツンといったんだろうね。思い切り壁に頭突きして。(Ta_2)
■俺、それ端っこで見てて感動した。俺もガチで向かっていこうって。(YORKE.)



▲『Fixed Engine』RED LABEL

──ちなみに『Fixed Engine』の中でOLDCODEXのターニングポイントになった曲をそれぞれ挙げるなら?

Ta_2:いろいろな意味でキッカケになったのは「カタルリズム」だよね。

YORKE.:そうだね。その前のシングル「Cold hands」(2012年)の時にはメンバーの脱退がわかっていたから、撮影の現場もけっこう殺伐としてて、Ta_2と俺が孤立してた。

Ta_2:そう、そう。でも、その後で「これから俺たち2人でやってこうぜ」って話をして、いろんなことを経験してここまで来てるから、今回振り返れて良かったなとは思ってる。正直、どこがターニングポイントになったかはわからないけれど、大きな転換点ではあったね。

YORKE.:あと「HEAVEN」(『CONTRAST SILVER』収録)のミュージックビデオの現場も大きかった。曲を作ってくれたINORANさんが撮影に来てくれて、INORANさんがいることで現場が緊張感で引き締まるみたいな。俺たちは2人になった後の初めての撮影で、どうアクトしていいかわからなかったんだけど、最後に2人で撮るシーンがあって、あの時にTa_2が「バンドだね」って言って。俺もそう思ったし、久々に撮影で笑った。それまでけっこうキツかったから。

Ta_2:そう、そう。時間を長く感じてた。

YORKE.:脱退することがわかっている上で一緒にやっていかなきゃならなかったからね。

Ta_2:リリースしてツアーやってキャンペーンもして──。「カタルリズム」の撮影の時はペイントした壁に向かって歌うシーンで一瞬、自分の中の何かがプツンといったんだろうね。思い切り壁に頭突きして。

YORKE.:俺、それ端っこで見てて感動した。Ta_2が本気で絵に向かっていく感じがあって、俺もガチで向かっていこうって。きっと「今に見てろよ!」っていう気持ちがあったんだろうね。あと当時のことを思い出すと服とか全然考えてなかった。商店街のお店で買った服を着てたりね。

Ta_2:全部、私服だったもんね。

YORKE.:Ta_2も、「HEAVEN」の撮影の時なんか……ね(笑)。

Ta_2:そう、そう。「服がないからちょっと買ってくる」って(笑)。

YORKE.:俺も、量販店とか、あったなあ(笑)。見られ方なんて全然、考えてなかったもんね。

──じゃあ、今に通じるラウドなバンドになっていくターニングポイントの楽曲は?

YORKE.:今回のアルバムには入ってないけど「HEAVEN」だと思う。INORANさんが比留間さんとか峰森さんとかエンジニアの方を紹介してくれたことがキッカケで音色が変わった印象がある。ドラムの音にしても「わー、違う!」って肌で感じたし。「WALK」(2013年)もキャッチーでポップな曲なのに、すごくロックだなと思って。

Ta_2:INORANさんとの出会いは大きかった。レコーディングする中でエンジニアの方から教えてもらったし、学んだし、休憩中も話をずっと聞いていて、吸収していって──。そこからどんどん扉が開いていって加速したね。ラウドな方向に振り切れようって思って、「HEAVEN」がなかったら、ミニアルバム『pledge』(2015年)を作ろうなんて思ってなかったと思う。

YORKE.:『pledge』はデカいかもね。いろいろなアプローチをしていて、俺もヴォーカルとってるし、新しい武器を見つけた感じがした。


▲『Fixed Engine』BLUE LABEL

──話を聞けば聞くほど『Fixed Engine』には歴史が詰まっているんだなと思います。あと今回のように「BLUE LABEL」、「RED LABEL」、「GREEN LABEL」と3形態でCDをリリースするのは初ですよね。

Ta_2:これは何年も前からやりたかったことで、スタッフに「こういう紙で作ったらやばくない?」とか「こんな箱にできないかな?」、「こういう形態ってOLDCODEXに合うと思うんだよね」って話してたんだよね。今回は何も言わなかったんだけど、スタッフが覚えていて「やりましょう」って。

──「BLUE LABEL」なんて特製ボックス仕様で48Pのアートブックが付いて「Anthem」のMVとメイキングが収録されたDVDもセットになって3,800円なんてお得ですよね。

YORKE.:できすぎちゃったね(笑)。

Ta_2:激ヤバ(笑)。OLDCODEXってアートだってずっと思ってたのがやっと実現する。

YORKE.:この3形態はTa_2に向けて作ったジャケットみたいなもの。実は俺自身は「こういうものにしたい」っていうのがそんなにないから、まずTa_2に「いいだろ? これ」って見せたくなるようなものを作って、そういうものをリリースしたい。初回限定盤のBLUEとREDはアートブックだったり、ミュージックビデオ集のBlu-rayが入っていたりと派手な仕様なんだけど、GREEN LABELの裏ジャケとか実は超カッコいい。通常盤って最終的にずっと残るものだから、デザインのベースになるものでもあり、外せないんですよね。BLUE LABELの箱も理想に近いし、クリエイティブディレクターのヨリさんに感謝だね。


▲『Fixed Engine』GREEN LABEL

──では最後に9月からスタートするOLDCODEX史上最多のツアーの意気込みをお願いします。ファイナルは通算3度目の武道館ワンマンになりますが。

Ta_2:俺ら的には過去でいちばん本数の多いツアーになるんだけど、まず、『Fixed Engine』に収録されている曲は原形でしかなくて、今はライブで育って色を変えているので、初めて見る人にはCDを聴いた上で今の俺たちがプレイする曲を楽しんでほしいし、ステージで描かれる絵やライヴの雰囲気をとことん感じてほしい。過去を懐かしむツアーではなく、前に進むための一歩を踏み出すツアーにしようと思っているので、いつも来てくれているヤツらともまた再会したいなと思ってる。

YORKE.:次のツアーは、より地に足をつけてやれる気がするんだよね。これまではツアーの途中で超えていく瞬間があったけど、今回は9月からファイナルの1月まで同じクォリティで最初からエンジン全開で飛ばしていけるといいなって。

──最初からぶっ飛ばしてくれると。

YORKE.:そうだね。今年、2回目の武道館に立ってメンバーもスタッフも誰ひとり欠けていないって凄いことだなってあらためて感じたんだよね。それはミラクルなことだし、大事なことでさ、これからも続くといいなぁって。チケット買って来てくれる人も当日、来られなくなるようなことがないといいなと思ってる。あとは俺たちが骨を折らないように(笑)。

──そこは2人ともお願いします。

YORKE.:去年はどっちかが折ってたからね。

Ta_2:(笑)そう、そう。

──カルシウムちゃんと摂取してください。

Ta_2:わははは。カルシウム。

YORKE.:うん。小魚、食べよう(笑)。

取材・文◎山本弘子

Single Collection『Fixed Engine』

2016年6月8日発売

通常盤 GREEN LABEL【CD Only】
LACA-15560 / \2,800 (税抜価格)
■CD
1.Milestone
2.〔Blue〕
3.flag on the hill
4.Harsh Wind
5.Cold hands
6.カタルリズム
7.The Misfit Go
8.Rage on
9.WALK
10.Dried Up Youthful Fame
11.Lantana
12.Feed A
13.Aching Horns
14.Anthem

初回限定盤 BLUE LABEL【CD+DVD】
LACA-35560 / \3,800 (税抜価格)
■DVD
1.Anthem (Music Video)
2.Making of "Anthem" Music Video

初回限定盤 RED LABEL【CD+Blu-ray】
LACA-35561 / \3,800 (税抜価格)
■Blu-ray Disc(Music Video)
1.〔Blue〕
2.flag on the hill
3.Harsh Wind
4.Cold hands
5.カタルリズム
6.The Misfit Go
7.Rage on
8.WALK
9.Dried Up Youthful Fame
10.Lantana
11.Feed A
12.Aching Horns
13.Anthem

<「Fixed Engine」発売記念ライヴペインティング>開催決定

日程:6月22日(水)
場所:タワーレコード渋谷店 B1 CUTUP STUDIO
時間:19:00 (集合18:00)
内容:YORKE.によるライヴペインティング
参加に関する詳細はOLDCODEXオフィシャルサイトにて

<OLDCODEX Tour 2016-2017 “FIXED ENGINE” >

9月24日(土)東京・Zepp DiverCity 
9月25日(日)東京・Zepp DiverCity
10月1日(土)宮城・SENDAI PIT
10月2日(日)宮城・SENDAI PIT
10月9日(日)広島・JMSアステールプラザ 大ホール
10月10日(月)山口・山口市民会館 大ホール
10月15日(土)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
10月29日(土)石川・本多の森ホール
10月30日(日)新潟・新潟県民会館
11月6日(日)北海道・Zepp Sapporo
11月11日(金)愛知・Zepp Nagoya
11月12日(土)愛知・Zepp Nagoya
11月18日(金)大阪・なんばHatch
11月19日(土)愛媛・松山市総合コミュニティセンター
11月22日(火)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
1月14日(土)東京・日本武道館
1月15日(日)東京・日本武道館
その他海外公演も予定

◆OLDCODEX オフィシャルサイト

◆インタビュー(1)へ戻る
◆インタビュー(2)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報