【インタビュー】SWANKY DANK、ポップパンク・シーンを全力で盛り上げる最新音源『it is WHAT it is』

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良質なメロディーとパンク感を融合させた独自の音楽性を持つバンドとして、シーンで注目を集めているSWANKY DANK。8月3日にリリースされた彼らの最新音源『it is WHAT it is』は、爽やかさと荒々しさを併せ持った彼らならではの魅力を堪能できる一作に仕上がっている。充実した内容を誇る音源のリリースに加えて、9月からキャリア初の47都道府県ツアーを行うこともあり、知る人ぞ知る存在だったSWANKY DANKが今後さらなるスケールアップを果たすことを予感せずにいられない。メンバー4人に集まってもらって、『it is WHAT it is』を軸にしつつSWANKY DANKについて大いに語ってもらった。

◆SWANKY DANK~画像&映像~

■僕たちはエモっぽかったりラウドな感じだったりするシリアスな側面と
■パンクの明るい要素を活かした部分という2面性を持っているんです


――BARKSではインタビュー初登場ですね。まずはバンド・プロフィールをお願いします。

YUICHI:SWANKY DANKを結成したのは、2007年です。ポップパンクをやりたくて、僕と弟のKOJIが中心になって始めました。最初の頃はサポート・メンバーを入れて活動していたんですけど、ピンクリボン軍でドラムを叩いていたSHUNと知り合って。それで、一度サポートをお願いすることにして、一緒にスタジオに入った時に、すごい熱量を感じたんですよ。もちろんプレイにも惹かれたけど、それ以上に熱さの部分で、この人と一緒にやりたいなと思った。そのときのドラマーがサポートをやめることになったタイミングで、すぐにSHUNに電話して、サポートをお願いしました。そこから3人で曲作りを始めた段階で、もうSHUNじゃないとダメだろうということになって、正式メンバーとしてやらないかと誘ったところ、一緒にやろうと言ってくれました。ちょうどその頃にKO-TA(g)がやっていたRUNNER'S-Hiというバンドが解散したと聞きつけて、“KO-TAがフリーになった!”と思ってすぐに電話して(笑)。最初はライブ1本だけサポートをお願いするつもりだったけど、一緒にライブをしたらすごく良くて、このままメンバーになってもらおうということになって。そうやって、この4人が揃いました。


▲YUICHI

――焦らずにメンバーを探した結果、良い出会いがありましたね。それぞれの音楽的なバックボーンなども話してもらえますか。

KOJI:僕が一番影響を受けたバンドは、Incubusです。自分達がやっている音楽とはちょっと系統が違うけど大好きだし、彼らの生き方みたいなところとかもすごく好きで、僕は同じタトゥーを入れている…みたいな(笑)。それくらい影響を受けました。あとは、やっぱりポックパンクが好きで、普段はSTATE CHAMPSとかNECK DEEPといった洋楽のポップパンクをよく聴いています。

KO-TA:僕は、元々ハードロックやヘヴィメタルが好きでギターを始めたんです。だから、中学生の頃はVan HalenやMr.BIG、METALICAといった辺りをよく聴いたり、コピーしたりしていました。その後、高校生になってからGREENDAYやBLINK-182、OFF SPRINGとかにどっぷりハマッて、自分の音楽性の基礎ができ上がったという感じですね。最近は、BLINK-182やGOOD CHARLOTTEといった10年前くらいに聴いていたバンドを、よく聴いています。ここに来て彼らは盛り返してきていて、新譜をバンバン出しているし、すごく良い作品が多いんですよ。なので、最近は彼らの新しい音源を聴いて、ポップパンクの魅力を改めて感じる毎日になっています。

SHUN:僕はもう根っからパンクとかが好きで、入り口はTHE BLUE HEARTSでした。中2くらいの頃に、THE BLUE HEARTSが僕の地元の体育館でライブをしたことがあって。それを観に行った時にドラムの音がカッコいいなと思って、ドラムを始めたんです。そこから入って、高校生になってからはNOFXとかを始めとした洋楽のパンクに触れるようになって、特にBLINK-182のトラヴィス(・バーカー)にはすごく影響を受けました。最近はKO-TAも言ったようにBLINK-182とかが新譜を出していて、それがメッチャ良くて。そこで火が点いて、僕も昔聴いていたバンドとかをよく聴いています。

YUICHI:僕もIncubusは、すごく好きですね。ボーカルのブランドン(・ベイド)は独特のフェイクを使うんですけど、自分も曲作りの時にそれを軽く意識していたりします。そういうメロディーとパンクを融合させるのが好きなんですよ。あとは、もちろんポップパンクが好きで、GREED DAYやHOOBASTANK辺りからも影響を受けました。

――SWANKY DANKの楽曲は良質なメロディーを活かしたものが多いので、ポップスに造詣の深いメンバーがいるような気がしていたんです。なので、皆さんのバックボーンは、ちょっと意外でした。

YUICHI:もちろんBACK STREET BOYSとか洋楽のポップスも聴くし、日本で育っているからJ-POPも耳に入ってきていますよね。だから、影響を受けている部分はあると思います。ただ、メロディアスな曲を作るためにJ-POPとかを研究したことはなくて。自分の中から自然に出てきたメロディーを活かした結果、メロディアスなものになっているという感じですね。それに、メロディーは本当に大事にしていて、曲を作る時は全部アコースティックから作っています。


――メロディー・センスの良さを感じます。では、最新音源『it is WHAT it is』の話をしましょう。今作を作るにあたって、テーマやコンセプトなどはありましたか?

YUICHI:よりポップパンクにしようというのがありました。僕たちはちょっとエモっぽかったり、ラウドな感じだったりするシリアスな側面と、パンクの明るい要素を活かした部分という2面性を持っているんですよ。そういう中で、今回はパンクに焦点をあてて、原点回帰じゃないけど、1stと、その次に出した『The Love Was Gone・・・』というミニ・アルバムを掛け合わせたようなアルバムにしようといって制作に入りました。

――最近のパンク/メロコア系は疾走感を押し出しているバンドが多い印象がありますが、SWANKY DANKは違っていますね。

YUICHI:そう。テンポに関しては、あえて遅くした部分があって。速い曲は好きだし、ライブでも盛り上がるけど、俺達はちょっと前にアコースティック・アルバムを作ったことがあって、その時に、歌を活かすテンポ感ということを痛感したんです。それに、言われた通り、今のメロディック・シーンはテンポが速ければ速いほど良いとされている感じがあるけど、自分達が好きな洋楽に立ち返って聴くと、BPMはそんなに速くないんですよね。俺達の中には、時代の流行りとかに乗るんじゃなくて、本当に自分達が良いと思える音楽を創りたいというのがあるから。そういうところを大事にして、『it is WHAT it is』に入っている楽曲のBPMは決めました。


▲KOJI

――少しテンポが遅いことが個性であると同時に、魅力になっています。それに、“メロディアス&アッパー”という筋を1本通しつつ、いろいろな顔を見せていることもポイントです。

YUICHI:そういうミニ・アルバムにはなったかなと思います。今回の曲の中で個人的に印象が強いのは、「TIME」かな。この曲は、作るのにちょっと苦労したんですよ。最初は、すごく“ノベッ”としていたんです。でも、サビで抜き差しを活かしたり、サビのメロディーとキックの位置を合わせたりすれば良い感じになるんじゃないかなと思って。それで、メロディーに合わせてバッキングやキックを考えていったんですけど、それにちょっと苦労しました。ギターをちょっと自分勝手にストロークしたりすると、グチャッとしてしまうんですよ。かといって、合わせ過ぎるとダサいし。特に、キックは相当細かく決め込んだよね?

SHUN:うん。この曲のサビは、本当に苦労した。テクニック的にどうこうということじゃなくて、作り出すグルーブの面でかなり試行錯誤しました。なかなか日本で、こういう雰囲気を出せるバンドはいないんじゃないかなと思いますね。今回のアルバムで僕が特に入っているのは、1曲目の「MADE A MESS」です。この曲は、ポップパンクという枠では括れないところにあると思うんですよ。明るい曲なのに、聴いていると少しせつなくなるような雰囲気を醸し出していて、それは今までのSWANKY DANKにはなかったテイストなんです。そういうところで、この曲はより幅広い層のリスナーに良い曲だねと言ってもらえると思うし、演奏していてすごく気持ち良いという面でも気に入っています。

KOJI:俺的に印象が強いのは、「WIMP」ですね。俺らの曲の中でもよりダークな雰囲気を持っているし、特効じゃないけど、サビの頭に“ドーン!”という音を入れたりしていて。結構新しい試みをした曲というところで新鮮さを感じているし、アルバムの良いフックになっているんと思います。

YUICHI:この曲は、いろいろやったよね。イントロとかも最初は普通の8ビートだったんですけど、SHUNのアイディアで、ちょっとメタル要素が入ったんです。

――ブラスト・ビートになってそのまま突進するのかと思いきや、すぐに8ビートに変わるじゃないですか。

SHUN:そう、すぐにやめるという(笑)。

――それが、すごく良いなと思いました。

YUICHI:そのまま行ってしまうと、多分お客さんがノリづらくなってしまうというのがあったので変えることにしたんです。だから、ブラストの疾走感を押し出すんじゃなくて、要素として使うというか。そういう手法を採ることで、インパクトのあるイントロになったんじゃないかなと思います。

KO-TA:あのイントロは、すごくカッコいいよね。僕は「BAD GIRL」という曲が良いなと思っています。ポップパンクで、明るい感じで、ビートも気持ち良くて、すごく好きですね。それに、この曲のギター・ソロは、敢えてちょっとクサくしたんです。普通に弾いたら、つまんないかなと思って。

KOJI:チャラい曲だからね(笑)。

KO-TA:そう(笑)。「BAD GIRL」はバンドとして表現したいものが明確で、それを上手く形にできていると思います。

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