【インタビュー】奥華子、「キミの花/最後のキス」で語る“若い時の恋愛”と“失恋バラード”

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奥華子から2月22日にリリースされる2017年最初のシングルは、TBS系にて放送中のアニメ「セイレン」のオープニングテーマ「キミの花」と、彼女の王道でもある失恋ソングを歌った「最後のキス」の両A面。出会いと別れ、対局にある恋愛のシーンを、奥ならではの視点で描いている。通常盤にはインディーズ時代の知る人ぞ知る1曲「積木」を再レコーディングして収録。3曲がそれぞれに持つ異なった魅力について、今回改めて話を聞いた。

◆奥華子 画像

■「奥華子らしいってなんだろう?」って考えた

──「キミの花/最後のキス」は今年最初のシングルになりますね。

奥華子(以下、奥):やっと完成しました!ずっとレコーディングをしていたんですよ。特に「最後のキス」に時間がかかって。

──逆に「キミの花」は、すぐにイメージが湧いたということ?

奥:そうなんです。「キミの花」はTVアニメ「セイレン」のオープニングテーマとして作ることが決まっていたので、脚本も読ませていただいて。そのあとすぐに出来ました。すごい早かったです。歌詞も同時にできたくらい。


▲「キミの花/最後のキス」セイレン盤

──高校生の恋愛もののアニメですよね。歌詞にはその感じがすごく出ていますね。

奥:高校時代からはだいぶ離れてしまったので、自分の高校生時代というよりも、歌詞は客観的に書けましたね。

──曲調も珍しく(笑)、アップテンポで。

奥:はい(笑)。振り切ったというか。自分1人ではこういう曲は作らないし、作れないけど、「セイレン」のストーリーがあったからこそここまで振り切れたんですよ。めちゃくちゃ明るく、疾走感のある恋愛物語という。オープニングに流れるので、サビ始まりというか、歌で始まる感じがいいなと思ったら、「♪もう僕の~」という歌い出しがすぐにイメージできたんですよ。でも、イントロがあったほうがいいのかなと思ってアニメの制作の方に確認したら、「あったほうがいい」という回答で。

──でもCDになっているのは歌始まりですよね。

奥:そうなんですよ! だからイントロのあるBタイプも作って両方出したら、最終的には自分がいいと思ったほうを選んでいただけたんです。自分が思い描いたものがそのままオープニングで流れているというのがすごく嬉しいですね。ここまでギターが歪んでいるアレンジもあんまり今までないし、思いきれた一曲です。

──振り切った「キミの花」があるから、「最後のキス」は奥華子の王道を作りたいと考えたんですか?

奥:「キミの花」はシングルになるというのはわかっていたけど、振り切ったぶん、「この曲が奥華子の代表曲です!って事でいいのかな?」と、ファンの方の中には、泣ける切ない曲の奥華子を12年も支持してもらっている人もいますし、自分自身も「奥華子らしいってなんだろう?」って考えたら、「失恋バラードの曲も入れたい!」という気持ちもあって、「最後のキス」はそういう一曲なんです。実はこの曲は5年くらい前から温めていた曲だったんですよ。曲の枠はあったんですけど、「歌詞のこの部分が気に入らない」とか、「サビがもっとグッときたらいいのに」とか、何回もプリプロを重ねる中で、今回はサビも変えて、歌詞も納得いく形にできたので、「よし!これを入れよう!」ということで。

──それで、最初の方に言っていた「やっと完成しました!」という言葉につながるわけですね。

奥:はい。この曲を最初に作ってから数えたら5年ですからね。


▲「キミの花/最後のキス」通常盤

──こだわったぶんだけ、王道の奥華子が表現されていますね。

奥:恋愛物語を追っているんですけど、その2人の最後の日というピンポイントなその日の曲なんですよ。

──華ちゃんの曲は男性目線も多いけど、この曲は女性目線で書かれていますよね。女性は恋愛をひきずらない場合が多いけど、その日の曲だからこそ、まだ未練もあって。その瞬間の切なさというか。

奥:はい。私のレパートリーにはいっぱい失恋ソングがあるんですけど、「またか!」みたいな感じで思ってもらえるのが嬉しいんですね。もう飽きたけど、また食べたいみたいな安心感。

──何度でも食べたくなる感じね(笑)。

奥:そうそう。「またか!」感は自分の中にもあるんですけど、それがすごく安心だし、でも今までにない、でも新しい……そういう部分も入れたいんですよ。そこは難しいところなんです。今回、アレンジに助けられた部分があるんですよ。

──それはどんな部分で?

奥:一番は、以前から気心の知れてるミュージシャンですね、なので、まずは皆のスケジュールを何とか調整してもらい、その日に空いてるスタジオを探しました。「この日、この時間しかない!」と、そしたらなんと、そのスタジオは日本でも有数の凄いスタジオだったんです!ピアノ、ギター、ベース、ドラムで「せーの!」でレコーディングしたんですけど、クリックもない状態でその時の呼吸で、顔は見えないけど、呼吸で合わせていくという感じで、最高でした。もしその時、違うメンバーだったらこの録音にはならなかったと思うんです。これまで活動して得た出会いによって、この人!っていう相性のいいミュージシャンっているんですね。自分が信頼できる。そういうメンバーが集まって、みんなに一緒に作ってもらったアレンジなんですよ。余計に大切なものになりましたね。

──編曲のイメージを華ちゃんがだいたい伝えて、あとはミュージシャンたちにお任せしたという感じなんですね。

奥:そうなんですよ。「だいたい」すらなく。「好きなように演奏して」って。彼らは私の予想のすべてを超えてくれるので。

──ちなみにそのメンバーは?

奥:ドラムが玉田豊夢さん、ギターが設楽博臣さん、ベースが安達貴史くん、ストリングスが伊藤彩ちゃん、それぞれ、一緒にレコーディングはしているんだけど、このメンバーを集めて一緒にやったのは初めてだったんです。彩ちゃんストリングスはダビングでしたけど、凄くよかったですね。

──へぇ~。王道の曲だからこそ、華ちゃんが信じているミュージシャンの血が入ったアレンジで新鮮さにも繋がっていますよね。

奥:確かに。アレンジってすべてではないと思うんだけど、詞があって、曲があって、歌があって……なんだけれども、ライヴは弾き語りでやることが多いけど、CDで聞いた時に切なさを増してくれたり、ダイナミクスを感じてもらうためにはすごく大切なものなんですよね。自分でもだんだんそういうことがわかるようになってきて。アレンジをどうしたら、どうなるかというのが。だから今回は理想の形だなと思いましたね。これが出来たら最高だなと思いました。

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