【インタビュー】モグワイ、3年ぶりAL完成「各国がそれぞれに太陽を持っていると思ってた友人がいてね(笑)」

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■ また曲の終わりに皆が拍手してくれるのを楽しみにしているよ(笑)

── 一方、今作の後半部分においては、楽曲によっては初期のモグワイ・サウンドも彷彿させるアグレッシヴなギター・サウンドやノイジーな要素が特徴的です。なかでも「Old Poisons」はその象徴的なトラックと言えますが、この曲についてはいかがでしょうか?

バリー:ライヴで演奏するのが本当に楽しい曲だよ。すごくノイジーだし、ライヴではまだ2回しかプレイしてないんだけど、パニックになりそうなくらい超早くて、演奏するのがかなり大変なんだ(笑)。それがすごく楽しいんだよね。セットリストの最後にもってこいの曲だと思う。

── 今作は、リリース前に全曲がライヴで披露されてた(※7月に開催されたバルセロナのフェスティヴァル<プリマヴェーラ・サウンド>にて)ことも大きな話題を呼びましたが、たとえば、ライヴでのサウンドの聴こえ方や聴かせ方、みたいなところも意識したうえで今作の楽曲が制作された面もあったりするのでしょうか?

バリー:そうだね。これまでのアルバムでは、使う楽器が多すぎてライヴでプレイするのが困難な曲が沢山あった。それが問題だったから、今回はライヴで演奏することをちゃんと考えたんだ。アルバム全体をプレイできる作品が出来上がったのは初めてじゃないかな。

── 長い間活動してきて、今回が初めてとは驚きですね。

バリー:そう、僕たちはアマチュアなんだ(笑)。ははは!(笑)。

── ちなみに、そのリリース前にアルバムの楽曲を全曲、それも収録順に披露するというアイディアは、どんな意図から生まれたものだったのでしょうか?

バリー:あれは、バルセロナのプリマヴェラ・フェスティバルのアイディアだったんだ。提案してもらって感謝してるよ。同じ曲を演奏するだけではつまらないし、新しい曲をプレイするのは新鮮だからね。ショーをやるまでに、3週間くらい練習したんだ。全曲をライヴで演奏出来るとはいえ、難しくはあるからまだまだ練習中だよ(笑)。オーディエンスの反応も良いんだ。フェスでも皆最後まで残って聴いてくれていたしね。未だに緊張するけど、そのうち慣れてくると思う。演奏してみて、やっぱりライヴでそれを再現するのは難しいなとは感じたよ。



── バンドは前作『レイヴ・テープス』後、『アトミック』と『ビフォア・ザ・フラッド』という2枚のサウンドトラックをリリースされましたが、その制作が今作にフィードバックされた部分はありますか? また、今作の制作に影響を与えたりインスピレーションをももたらした出来事、あるいはレコーディング中によく聴いていたレコードなど何かあれば教えてください。

バリー:シンセのセットアップとかかな。サウンドトラックを作る時に使ったものに慣れたから、それをそのまま今回のアルバムでも使ってる。制作中は、ニューヨークでホラー映画を沢山観たね(笑)。だから、もしかしたらそれが反映されてるかもしれない(笑)。人里離れた場所だったから、映画を観るしかエンタテイメントがなくてね。僕はホラーは苦手なんだけど(笑)、ホラー映画の恐怖感がサウンドに出ているかもしれない(笑)。音楽は何も聴いてなかったよ。

── 最終曲の「Every Country's Sun」からアルバムのタイトルがとられた理由は? また、今回のアルバムの構成に関して意識したポイントは?

バリー:僕らの友人で、各国がそれぞれに太陽を持っていると思ってた奴がいてね(笑)。太陽は惑星の一つって知らなかったんだ(笑)。彼は、太陽が国によって違っていて、だから気候も違うと思っていたんだよ(笑)。バカだよな(笑)。でも、それが面白いなと思ってそこからアイディアをもらったんだ。聞こえもよかったし、それをアルバムタイトルにしたんだよ。ストーリーラインは意識しているし、もしくはアップダウンのある波を作ることは意識しているね。そのためには、最初と最後のトラックは大切。お互いにプレイリストを作って意見を言い合って、どの曲順が一番良いかを3、4日話し合ったんだ。



── ところで、バンドがサウンドトラックを制作した『アトミック』と『ビフォア・ザ・フラッド』は、ともに社会的・政治的なメッセージ性の強いドキュメンタリー/映画でした。その背景には、バンド側の意図的な判断があったのではないかと想像するのですが、一方、近年ヨーロッパではイギリスのブレグジットやそれに連なる様々な対立や分断、またアメリカではトランプ政権を巡る混乱と、いま世界はとても緊張した状況を迎えています。そうした世の中の空気というのも、今作には反映されていると言えますか? たとえばアメリカのフェイク・ニュースやポスト・トゥルースの言説なんかを見ると、あなた方が20年前にリリースしたEPのタイトル「No Education = No Future」が予告していたとも言えるような気がしてくるのですが(※あの作品は夜間外出禁止令に対する抗議のメッセージだった)。

バリー:スチュアートが似たような質問をされていたインタビューを読んだんだけど、彼は自分たちは外界と遮断されていたから、あまりそういった社会情勢には影響されていないと話していた。スタジオがあった場所は人里離れていたし、テレビも全く見ていたなかったし、孤立していたんだ。それが逆に良かったと思うけどね。……(No Education=No Futureに関して)ははは(笑)、その通りだね(笑)。まあ、あれは夜間外出禁止令に対するものだったけど、あの法律は長く続かなかったから、僕たちが勝ったってことで(笑)。

── ボブ・ディランの言葉で「今の時代に何が起きているのか知りたければ、音楽を聴く必要がある」というのがあります。仮にもし同じことが今作についても当てはまるとしたら、今作には今の時代の何が反映されていると言えると思いますか。

バリー:僕たちは、リスナーに自由に解釈して欲しいし、それぞれ自分なりに作品を楽しんでもらいたい。だから、あまり何か決まったものを反映させようとはしないんだ。何を感じるかは、オープンにしたいんだよね。

── 個人的な今作のベスト・トラックを教えてください。

▲ニュー・アルバム『エヴリ・カントリーズ・サン』

バリー:最後のトラックかな。アルバムの最後を飾るのにふさわしいトラックだと思うし、爆発するような感じが好きだね。(日本語で)バクハツ!(笑)。僕はこの曲でギターを担当しているんだけど、ギタリストではないからすごく難しいんだ。でもすごく楽しいよ。

── 8月に<HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER>での来日が決定しています。そこでも今作の楽曲を全曲披露されるそうですが、どんなライヴになりそうですか。

バリー:他の国では昔の曲を半分、新曲を半分っていう割合で演奏することもあるんだけど、日本では新曲をより多めに演奏しようと思っているんだ。

── 次回の来日時に何か日本でしたいことや楽しみにしていることはありますか?

バリー:友達に会ったり、色々見てまわりたいね。日本って何回行っても退屈しないんだ。ニューヨークは退屈することもあるんだけど、日本はまだそれを感じたことがないんだよね。

── 日本のファンにメッセージをお願いします。

バリー:ショーに来て、また曲の終わりに皆が拍手してくれるのを楽しみにしているよ(笑)(曲のおわりごとに拍手をするのは日本のオーディエンスだけなので)。とにかくショーを楽しんで! 300%楽しいショーになるはずだから(笑)。
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アルバム『Every Country’s Sun (エヴリ・カントリーズ・サン)』

レーベル: Rock Action Records / Hostess
海外発売日:2017/9/1(金)

【トラックリスト】
1. Coolverine
2. Party In The Dark
3. Brain Sweeties
4. Crossing The Road Material
5. aka 47
6. 20 Size
7. 1000 Foot Face
8. Don't Believe The Fife
9. Battered At The Scramble
10. Old Poisons
11. Every Country's Sun
12. Fight For Work ※
※日本盤ボーナストラック

7インチシングル「Coolverine (クールヴェリン)」

レーベル: Rock Action Records / Hostess
発売日:2017年8月2日(水)
品番:HSE-4207
形態:7インチ
価格:1,500円+税
※完全生産限定盤、日本独自企画盤、歌詞対訳付(予定)

<トラックリスト>
1.Coolverine
2.Party In The Dark
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