【ライブレポート】<千歌繚乱vol.14>、ラッコら6バンドが繰り広げた本能のままのライブ

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BARKS主催のヴィジュアル系ライブイベント<千歌繚乱>の第14回目となる公演が、10月16日(月)渋谷REXにて開催された。

◆ライブ画像

今回出演したのはSick.、ZERO MIND INFINITY、ハクビシン、まみれた、未完成アリス、ラッコの6バンド。結成からわずか1か月のバンドから、過去にメジャーデビューを果たしたメンバーのいるバンドまで、幅広いメンツが集結した。


この日の幕開けを飾ったのは5月に始動したばかりのバンド、まみれた。まずは代表曲「お邪魔します」からライブをスタートさせる。タイトル通りの“お邪魔します”というワードとコンコンコンというノック音がクセになる楽曲だ。初っ端から激しく頭を振るファンに負けじと2曲目「終日終わり」では伐(Vo)がフロアに飛び降りるなどやりたい放題。その勢いのまま怒涛に激しい楽曲を繰り出しつつ、伐は突然ステージ上で前転を繰り返したりRyusei(G)の背中を使って馬跳びをしたりと暴れまわる。

まみれたの楽曲は、直接的な言葉と同期を使わないバンドサウンドでとにかく生々しい。そこに一秒たりとも目を離せないパフォーマンスが加わり、まさに“暴虐無人”という言葉がぴったりだ。MCも自身の地元の同級生に語りかけるなど本当に自由。そしてそのままのスタイルで“暮らしが人を殺す”というテーマの楽曲「死因:暮らし」まで一気に駆け抜けた。

◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・まみれた、生音と生活音で表現する「日常」


破天荒なまみれたのステージを塗り替えるように華やかな歌声が聞こえ、未完成アリスが登場。メンバーの姿もカラフルでポップで麗しい。未完成アリスはリリースされたばかりの両A面1stシングルからの楽曲を中心に、バンドコンセプトである“未完成な少女の心模様”を描いていく。「2次元ラヴァーズ」では可愛らしくも切ない恋心を表現し、続いて嫉妬心をテーマにした「ストーキングジェシー」ではちょっとダークな一面も披露。

「もっともっとクレイジーな夜にしようぜ」と琉火(Vo)が叫んで始まった3曲目の「I Scream」は未完成アリスのライブで盛り上がる定番曲。この曲ではメンバーコールがあるので、ファンは踊りながら思い思いに好きなメンバーの名前を叫び、呼ばれた本人も楽しそうに自身をアピール。ラスト「夢世界少女」では激しいヘドバンや逆ダイブの波も起きる。移ろいやすい少女の心模様のように、楽曲ごとにまったく違う表情を見せてくれた未完成アリスだった。

◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・未完成アリス、「誰かに生きる活力を与えられる存在でありたい」


三番手に現れたのはハクビシン。ナガシマ ユイ(Vo)の「不幸でも手を叩いて幸せを気取ってしまおう」という言葉で「幸せなら手を叩こう」が一曲目披露される。どこか虚無感を感じさせるようなナガシマ ユイの声で歌われるサビの切なく美しいメロディ。それに対比するように曲中には台詞が盛り込まれ、彼らの思いが切実に表現されていく。いわゆる“病んでいるバンギャル”の心にグサッと刺さるような歌詞だ。“アナタのココロのスキマお埋めいたします”というバンドコンセプトにぴったりだ。

裏切りをテーマにした「フレネミー右手の法則」ではそれが顕著に表れている。この楽曲ではバンドの提示するメッセージ呼応するように、ファンも大きく手を振る。そのままの勢いでラスト「表白-悪口-」では激しい折りたたみやヘドバンが起き、感情をむき出しにしたまま彼らのステージが幕を降ろした。

◆【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・ハクビシン、誰かの“心のスキマ”を埋める

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