【ライブレポート】シシド・カフカ、ギターボーカル&ドラムボーカルで音楽を謳歌

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シシド・カフカが12月13日、渋谷WWW Xにてワンマンツアー<シシド・カフカ Live Tour 2017 そうだ、ライブやろう>のファイナル公演を行った。

◆ライブ画像

この公演は、やはりシシド・カフカは根っからのミュージシャンだと確信するライブだった。2017年は日テレ系『視覚探偵 日暮旅人』にはじまり、NHK連続ドラマ小説『ひよっこ』、TBSドラマ『カンナさーん!』など、女優としての活動が目立ったシシド・カフカ。その間には夏フェス出演などはあったものの、東京でのワンマンライブは3月3日に渋谷 Club asiaで開催された「DO_S」リリースツアー以来9ヵ月ぶり。今回<シシド・カフカ Live Tour 2017 そうだ、ライブやろう>と題して、東名阪で開催してきたツアーのファイナルとなった渋谷WWW X公演は、ギターボーカル編とドラムボーカル編の二部構成で行なわれ、シシド・カフカがバンドのなかで音楽を鳴らす喜びを爆発させたハッピーな一夜となった。

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まさかのギターボーカルというスタイルでシシドがステージに現れると、“音楽”が持つ大きな力を信じるシシドらしいロックナンバー「music」から大きな歓声とともにライブは幕を開けた。今年10月にトレードマックだったストレートのロングヘアをばっさりと切り、ショートヘアになったシシドだが、そんな彼女がエレキギターを掻き鳴らす佇まいはボーイッシュで中性的な魅力を放っていた。「短い時間だけど、楽しんでいこう!」。親しげにオーディエンスに声をかけながら、会場が一体にするコール&レスポンスを練習してから突入したのは、ストレスと戦う強気なオトナ女子の心情を吐露した「負けないゲーム」。ハンドマイクで歌うシシドが決めたファイティングポーズはとても様になっていた。


桜色の照明を浴びて優しいメロディをなぞった「春の約束」を届けたところで、「2017年も残り19日ですよ。今年は演技のほうでは自分ではない人生を模索しながら生きてみて、いろいろなことを考えさせられました」と、全力で駆け抜けた1年を振り返ったシシド。「来年も面白いことをやっていきたいと思いますので、楽しみになさってください」と言って会場を湧かせる。そして、ジャジーなバンドサウンドにのせた「100年ビール」ではシェイカーを振りながら大人の時間を作り上げると、ミステリアスなロックテイストの原曲とは大きく趣を変えて、ピアノをフィーチャーしたスローバラードに作り変えた「Don't be love」(原曲は斉藤和義とのコラボ曲)へ。吐息混じりの艶やかな歌唱を打ち出したその曲は、ロックな歌唱に定評のある彼女の姿とは一線画す魅惑的なパフォーマンスだった。

転換のあと第二部からはシシド・カフカの本領が発揮されるドラムボーカル編だ。極彩色のライティングに照らされて、まずは肩慣らしとばかりに繰り広げたインスト曲「Obertura」のあと、エッジの効いたロックナンバー「Get up!」やダンサブルに弾ける「タチアガレ」といった聴き手を鼓舞するような楽曲を立て続けに披露していった。いまやドラムボーカルだけでなく、様々なアプローチで音楽と向き合うシシドだが、やはりドラムを叩いているときがいちばん似合う。そして、「この1年でいままでと違った景色を見て、いろいろな経験をして、どうしても今日歌いたかった曲を」と言うと、「最低な夜のあと」を届けた。ブルーの光が照らすなか、スケール感のあるロックバラードにのせたのは、“夢を抱き 壁にぶつかりながら”、それでも前に進もうとする葛藤のうた。それは弱さを見せることが苦手で、どこか不器用なシシドがありのままの自分を曝け出した数少ない楽曲だ。


6曲をほとんどノンストップで駆け抜けたところで、最初のMC。「いやー、ライブをやってる感じがするわ。この疲労感(笑)。でも楽しいね!ずーっとライブをやりたかった。来てくれてありがとう。今日の発散力はすごいよ!」と、気さくな口調で語りかけるシシド。そんなふうに自然体でライブに臨めるようになったのも、つい最近になってからだ。さらに今年はメジャーデビューから5年を迎えたことにも触れて、フロアから「おめでとう!」という温かい声も飛んだところで、新曲「特選」を初披露した。「人生は選択じゃないですか。その選択が有意義なものになるかどうかは、いまここにいる自分、この先の自分に全てかかっている。だから自分の選択を全て“特選”に変えていきましょうという曲です」と説明すると、自然と体が動き出すようなダンサブルなビートにのせて、その真摯な想いメロディにのせていく。それは「チャンスがあれば何でもやる!」をモットーに様々な“選択”を前向きにチョイスして人生を謳歌するシシド・カフカの人生観も色濃く反映された曲だと思う。


終盤ではザ・クロマニヨンズの真島昌利が楽曲提供した衝動溢れるロックンロール「新宿サノバガン」を披露すると、いよいよクライマックスに向けて、フロアの熱狂は天井知らずに加速させていった。シシド節全開の「愛する覚悟」、大森靖子が作詞を手がけたスイートでポップな「朝までsugar me」へと間髪入れず繰り広げて、これ以上ないぐらいの笑顔でフロアを満たすと、最後に「ダンスナンバー行こうか!まだ行けるよね!?」と、シシドがSっ気たっぷりに煽った「ラヴコリーダ」でライブの本編は幕を閉じた。

アンコールではCRAZY KEN BANDの横山剣が手がけた、独特の場末感がたまらない「羽田ブルース」、シシドが全力で「スリー・ツー・ワン!」と叫ぶ声を合図にお客さんが一斉にジャンプした「バネのうた」で2時間のライブを締めくくったシシド・カフカ。最後にドラムのスティックを後ろに勢いよく放り投げると、「またねっ!よいお年を!」と彼女らしいサバサバとした別れ言葉を残して颯爽とステージをあとにした。

まさかのギターボーカルにはじまり、次々に表情を変える楽曲たち、さらに新機軸となった新曲まで、驚きの連続だったこの日のライブ。あらゆる活動で得た経験を音楽に還元させてステージに立つシシド・カフカの進化は、まだまだ止まりそうにない。

取材・文◎秦理絵
写真◎青木カズロー

セットリスト

1部
01. music
02. 明日を鳴らせ
03. 負けないゲーム
04. FLY HIGH!
05. 春の約束
06. 100年ビール
07. Don't be love

2部
08. Obertura
09. Get up!
10. タチアガレ
11. 3.2.1…CUT
12. さようなら あたし
13. 最低な夜のあと
14. 特選
15. 新宿サノバガン
16. 愛する覚悟
17. 朝までsugar me
18. ラヴコリーダ

En
19. 羽田ブルース
20. バネのうた

配信限定シングル「zamza」

楽曲タイトル:zamza
アーティスト名:シシド・カフカ feat.金子ノブアキ
発売中
各音楽配信サイトにて配信
【iTunes】
https://itunes.apple.com/jp/album/id1319233184?app=itunes&ls=1

【レコチョク】
http://recochoku.com/a0/shishidokavka_zamza/

◆シシド・カフカ オフィシャルサイト
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