ヤマハから豊富なトレーニング機能が楽しめる低価格電子ドラム「DTX402」やオールメイプルのアコースティックドラム登場

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ヤマハがドラム新製品の発表会を開催。豊富なトレーニング機能が楽しめる電子ドラムのエントリーモデル「DTX402」シリーズ、シェル材にメイプルを採用したアコースティックドラム「ツアーカスタム」、そして軽量化とコンパクトな設計を追求したアルミニウム製のシステムハードウェア「アドバンスドライトウェイトハードウェア」を発表した。発表会には女子大生ドラマーの川口千里が登場。新製品の魅力について語った。

■5万円からの電子ドラムのエントリーモデル「DTX402」シリーズ


▲シリーズ最上位モデルのDTX452UPGS。上位シリーズと同じキック・パッドとハイハットコントロールペダルを採用。スネアは3ゾーン対応、シンバルは3つを備える。

7月26日に発売される「DTX402」シリーズはトレーニング機能が充実し、手軽にドラム演奏が楽しめるエントリーモデル。5万円前後(税別、以下同じ)と最も低価格な「DTX402KS」は、静粛性の高いキックユニット(フット・スイッチのみ)とハイハットコントロールペダルを採用したモデル。「DTX432KS」「DTX452KS」は、上位モデルと同じキック・パッドとハーフオープンにも対応したハイハットコントロールペダルを採用し、よりリアルな演奏が楽しめる。「DTX452KS」はさらにリムショットも可能な3ゾーンスネアパッドを採用している。

キットは2タム+フロアタム、シンバルはクラッシュとライドの構成で、432と452にはシンバルをもう1つ追加した「DTX432KUPGS」「DTX452KUPGS」(UPGはアップグレードを意味する)をラインナップ、計5種を用意する。追加シンバルは「PCY95AT」(8,000円)は単体でも発売され、購入後に追加することも可能だ。


▲追加シンバルを加えたDTX432KUPGS(左)と最も低価格なDTX402KS(右)。

▲バスドラムのペダルは上位2機種と下位モデルで異なる。DTX432KS、DTX452KSはキックパッドあり(左)、DTX402KSはフットスイッチのみ(右)。

音源は全機種共通で、ヤマハのアコースティックドラムをステレオサンプリング、楽器本来の鳴りや奥行きを忠実に再現する。アコースティックサウンドだけでなく、エフェクトやエレクトロニックサウンドなど415種類の多彩な音色を搭載。ポップスやロックなど10種類の音楽ジャンルに合わせて練習曲と、それにマッチするドラムキットを用意。購入後すぐに演奏が楽しめる。


▲10種のドラムキットを搭載した音源内蔵のトリガーモジュールは、視認性の高い光るボタンを搭載。

コンパクトさとともに、大きな特徴となっているのがそのキットデザイン。シンバル、スネア、タムは好みの位置と角度に調整が可能。アコースティックドラムと同様のセッティングができるので、正しいフォームで演奏が楽しめる。また、新しく採用されたラックによりキットの安定性も向上。高低のセッティング幅も広がり、子供でも楽しめる仕様となっている。ラックは仮組みされた状態で梱包されているので、組み立てもカンタンだ。叩き心地を追求して開発したタムパッドは静粛性と演奏性の両立を実現している。

このほか、電子ドラムならではのトレーニング機能を10種搭載。客観的に技術力を判断できる採点機能も備えるほか、スマホアプリとの連携機能も充実。楽しくドラム練習ができる機能が備わっている。


▲ゲストとして登場した川口千里は愛知県生まれの女子大生ドラマー。5歳でドラムを始め、8歳から「手数王」こと菅沼孝三氏に師事。「YouTube」でのドラム演奏動画が世界中から注目され、総再生回数は現在およそ4,000万回。また、世界的なドラム関連サイト「ドラマーワールド」で世界のトップドラマー500人に選ばれた日本人二人の内の一人でもある。2013年、16歳で1stアルバム「A LA MODE」リリース。2016年12月にはサウンドプロデュースにフィリップ・セスを迎え,LA でコレーディングしたメジャーデビューアルバム「CIDER ~Hard & Sweet~」をキングレコードからリリース。

機能解説の後、ゲストの川口千里が登場。DTXとの出会いは5歳。幼稚園から帰ったあとの楽しみだったというDTXは初期から(本人いわくおそらく2代目)使っているという自身の経験から、「更新されるたびに生ドラムに近い音というか、華やかさを含みつつ、実用性の高い音になってきているなという感じがします。」と、新モデルのサウンドを評価。叩き心地については「電子ドラムというとゴムの跳ね返りだとか、本物と違うんじゃないかっていう抵抗を持たれる方がたくさんいると思うんですけど、この新しいパッドに関しては叩いた感触も柔らかくて、リバウンドなどの反応がすごく滑らか。不自然さがない感じなので、私にとってはかなり抵抗のない印象を受けました。」

ラックについては、「すごく安定してます」とまずは一言。「こう見えてけっこうパワーヒッター」という自身のドラミングで、昔は思い切り叩くとラックが崩れてしまうことがあったと経験を語った。しかし、新モデルでは「いつもどおりというか、比較的本気に叩かしてもらっているんですが、不自然な揺れもないですし、叩いたときに崩れちゃうかな、みたいな印象もないので、安定性はかなり上がったなという感じがしています」「かなり自由にセッティングができるようになったという印象。今も普段の自分のセッティングに近いものにしていて、いつもどおり自然に叩けるというところがすごくいいですね。」と語った。


▲正確なリズムで叩感を鍛えるトレーニング機能に挑戦。背景のスクリーンに映っているのはドラムトリガーモジュール。ボタンの点灯でリズムのズレを教えてくれる。

続いては電子ドラムならではのトレーニング機能を実践。まずはドラムの基礎となる正確なリズム感を鍛える「リズムゲート」。正確なタイミングで叩かないと音が鳴らないというものだが、川口千里は最初こそ空振りしたように音が鳴らなかったが、後半は持ち直し採点結果は「Good!」に。「(以前のモデルよりも)目視でわかりやすくなっています。ボタン上で光で示してくれるので、いかにもたっているかとか走っているのかっていうのが前以上にわかりやすくなったなというのが印象的でした。」


▲叩く強さを鍛える「ダイナミックゲート」機能では、各パーツごとに強さを3段階で設定。指定した強さで叩かないと音が鳴らない。

専用の無料アプリとの連携も魅力。iOS/Android対応の「DTX402 Touch」では、アプリ画面を使ってよりカンタンにDTX402を操作可能。内蔵練習曲の譜面を表示したり、トレーニングの採点結果をパッドごとに確認できる。ドラムを叩く強さを鍛える「ダイナミックゲート」は、まずはスマホアプリでスネアやキックなどパーツごとに強さを設定してスタート、設定と違う強さで叩くと音が鳴らない。「女性ドラマーにありがちな、ちょっとパワー不足なんじゃないの?っていうことや、体が軽くてキックの音量が出ないのが悩みなんですって方がいたら、この機能を使って練習するのがいいと思います。難しいフレーズをやったとき、たとえば、キックでしたらダブルで踏んだときにバランスが悪くなってしまって2個めが小さくなってしまうという悩みがある人にも。ダブルの強さを均等にできたりとか。」と、その有用性を紹介してくれた。


▲内蔵される練習曲を楽譜で表示、段階的にレッスンできる「ソングパートゲート」。プレイヤーが演奏を途中で止めると、お手本の演奏を聞くことができる。

内蔵練習曲の演奏を段階的に学ぶことができるのが「ソングパートゲート」。アプリには楽譜が表示され、演奏後にはプレイを評価してくれる。川口千里はみごと「Fantastic!」の評価をゲット。「電子ドラムを買うときに、実際に叩けるかな?というところにひっかかります。初心者でもこの機能があれば一から練習してドラムを叩けるかもしれないという希望を持てるというか、ドラムを始めるきっかけになると思います。」


▲「Rec’n’ Share」ライブラリの曲を読み込んでテンポを検出(左)。難しい曲はテンポを遅くして再生することもできる。クリックに合わせて演奏しつつ動画を撮影(右)。

「演奏してみた」動画をカンタンに作れるのが、iOSアプリ「Rec’n’ Share」(レックンシェア)。ライブラリーからお気に入りの楽曲を選択すれば、アプリが自動でテンポを検出してクリックを付加。テンポ変更やリピート再生機能搭載で練習をサポートする。さらにiOS端末のカメラ機能を使って、演奏動画を手軽に作成可能。楽器と楽曲の音量バランス調整などの簡易編集、アップロードまでをアプリで行えるようになっている。こちらも川口千里が実践。川口千里のソロ・アルバム「CIDER ~Hard & Sweet~」から「Ginza Blues」を演奏、動画を撮影した。


▲撮影はiOSデバイスをスタンドなどで固定して行う。写真では、ステージ向かって右側にあるスタンドに固定したiPadで撮影している。

「すごくカンタンに撮れるのがいいと思います。私みたいな説明書を読まない人が試しに触ったとしても大丈夫。インスタグラムやツイッターを活用しているミュージシャンは多いです。そういったものにカンタンに上げられるっていうのは、時代に合わせてきたなという感じがして、すごくおもしろい機能だなと思いました。」

■軽量化を追求したシステムハードウェアの新モデル

「アドバンスドライトウェイトハードウェア」はアコースティックドラム用のアルミニウム製システムハードウェアの新モデル。シンバルスタンド×2、ハイハットスタンド×1台、スネアスタンド×1台、キャリングケース×1をパッケージした「アドバンスドライトウェイトハードウェアパッケージ」(49,000円)のほか、スタンドはそれぞれ単体でも発売される。発売日は9月1日。


▲左からハイハットスタンド、スネアスタンド、シンバルスタンド。奥にあるのはパッケージのキャリングケース。持ってみると驚くほど軽い。各スタンドにはインナーケースも付属する。

軽量・コンパクト設計、安定性、耐久性にこだわったスタンドは、シンバルスタンド「CS3」が1.5kg、ハイハットスタンド「HHS3」が2.2kg、スネアスタンド「SS3」が1.5kg。パッケージもケース込みで7.8kgと非常に軽量だ。


▲写真左の左側が、アルミニウムをコの字状に折り曲げたチャネルレッグ構造の新スタンド、右側が従来のスタンドの三脚。写真右はシンバルスタンドのスリーブ。

軽量化する一方で、三脚には新開発のコの字の形をした「チャネルレッグ」構造を採用。セッティング時の耐久性や安定性も実現している。

また、シンバルスタンドパイプのスリーブに互換性を持つ仕様を採用。中間パイプ上部スリーブと下部パイプスリーブを交換することで、中間パイプに上部アームをセット可能に。より低いセッティング、よりコンパクトなセッティングができ、可搬性もアップ。コンパクトなドラムセットを構築したり、カホンとスプラッシュシンバルを組み合わせるようなストリートミュージシャンにも便利な仕様だ。

もう一つの特徴が、スネアやシンバルの自然な鳴りを拡張してくれること。スタンドがスネア、シンバルと共に共振することで、ナチュラルな音質にファットな低音域を増強する。実際に試した数多くのプロミュージシャンから「音に対し非常にいい影響が出る」と高評価を得ているという。


▲従来のスタンドとアドバンスドライトウェイトハードウェアを持ち上げて比較(左)。シンバルやスネアの叩き比べも(右)。

ステージに再び登場した川口千里が、従来のスタンドとの重さを比較。「片手で軽々と持ち上がる。私も一人でドラムセッティング、運搬も搬入も全部やっちゃってもいいかな」と可能性を語った。また、このスタンドを使った際のシンバルの音に関しては「スタンド自体もけっこう振動していて、その分シンバルそのものの響きを殺さずに、全体の鳴りを生かしてくれます。身近なドラマーから『スタンドは軽い方が鳴りがいいんだよね』という話を聞いていました。なので、ヤマハからこういうスタンドが出たっていのはほんとにうれしく思います」とコメント。ハイハットでは「特にオープンにした時に響くハイハットそのものの音がちゃんと生きてると思いますし、こっち(従来のスタンド)よりも軽やかな感じ」、スネアでは「軽い分スネア本体の鳴りを殺さずに、自分の思ったスネアの良い音を出してくれる」とポイントを語った。

■20万円以下のメイプルシェル採用ドラム「ツアーカスタム」


▲オールメイプルシェルのツアーカスタム。カラーはバタースコッチサテン。ジルジャンのシンバルと組み合わせて展示。

「TOUR CUSTOM(ツアーカスタム)」は、人気のあるメイプル材を採用したアコースティックドラム。オールメイプルシェルで20万円以下を実現したミッドクラスのモデルだ。

メイプル材ならではの明るく華やかな音質、レンジの広い表現力豊かなサウンドが特徴で、ヤマハ独自のハードウェアがシェル材の持つサウンドキャラクターをサポート。シェル表面には美しい杢目のサテンフィニッシュを採用。高級感のある5色を展開する。発売日は7月28日。

シェルパッケージは2種類。22インチのバスドラムと16インチのフロアタムを中心にした「TMP2F4」(195,000円)、20インチバスドラムと14インチフロアタムの「TMP0F4」(190,000円)をラインナップ(タムタムはいずれも12インチと10インチ、タムホルダーもパッケージ)。追加用の単品シェルとして、14インチのフロアタム「TMF1413」、13インチのタムタム「TMT1309」も用意される。

シェルはオールメイプルで、6プライ5.6mm。外側と内側に北米産メイプルを、真ん中に欧州産のメイプル材を採用。薄いシェル厚で成形することで明るく華やかなメイプル特有のサウンドを実現。サテンフィニッシュのごく薄い塗料によりメイプルシェルが共振し、明るくオープンなサウンドをさらに増強している。ハードウェアでは、新開発の「インバースダイナフープ」を採用。ヤマハ標準仕様の2.3mm厚ダイナフープの外巻き仕様と逆の内巻き仕様とすることで、明瞭かつアタック感のあるサウンドを実現。その他の部分にもヤマハが独自に培ったパーツを採用し、20万円以下という低価格ながら耐久性や安定性、利便性を確保している。


▲カラーはバタースコッチサテン、キャンディアップルサテン、チョコレートサテン、キャラメルサテン、リコライスサテンの5色展開。スイーツっぽい名称が印象的。


▲川口千里はツアーカスタムの各シェルの音色もチェック。

初めて買ってもらったアコースティックドラムキットがメイプルだったという川口千里は、「ツアーカスタム」の印象をこう語った。「私にとっては馴染みのある音でもありますし、メイプルの明るい響きが一番好きな響きだなとずっと思っていたんですけど、そういった明るい響きといった特徴はちゃんと残していて。フープとかのおかげもあると思うんですが、かなりパワーもあるんですよ、このドラムセット自体。普段、Absolute Hybrid Maple だったりPHXとかかなりパワーのあるドラムキットを使っている身としては、これだけのパワーをメイプルのキットで感じられるっていうのは、すごくうれしいですね。」


▲ラストは川口千里が迫力のドラムソロを披露。ダイナミックな演奏とパワフルなサウンドには会場からは大きな歓声と拍手が沸き起こった。

製品情報

<DTX402シリーズ>
◆DTX402KS
価格:オープン(想定実売価格 50,000円前後 税別)
◆DTX432KS
価格:オープン(想定実売価格 59,000円前後 税別)
◆DTX432KUPGS
価格:オープン(想定実売価格 64,000円前後 税別)
◆DTX452KS
価格:オープン(想定実売価格 63,000円前後 税別)
◆DTX452KUPGS
価格:オープン(想定実売価格 68,000円前後 税別)
◆追加シンバル PCY95AT
価格:8,000円
発売日:2018年7月26日

<アドバンスドライトウェイトハードウェア>
◆シンバルスタンド CS3
価格:11,000円(税別) (インナーバッグ付き)
◆ハイハットスタンド HHS3
価格:14,000円(税別) (インナーバッグ付き)
◆スネアスタンド SS3
価格:11,000円(税別) (インナーバッグ付き)
◆アドバンスドライトウェイトハードウェアパッケージ HW3
価格:49,000円(税別)
発売日:2018年9月1日

<ツアーカスタム>
◆シェルパッケージ TMP2F4
価格:195,000円(税別)
◆シェルパッケージ TMP0F4
価格:190,000円
◆フロアタム 14”×13”TMF1413
価格:47,000円(税別)
◆タムタム 13”×9”TMT1309
価格:37,000円(税別)
発売日:2018年7月28日
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