【インタビュー】Pulse Factory、パワフル&アッパーなナンバーを核にしたハイレベルなプレイの2ndミニ・アルバム『Cloud Options』

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ハードネスとポピュラリティーを兼ね備えた音楽性を武器に、“大阪発ド真ん中のロックバンド”としてシーンの注目を集めているPulse Factory。そんな彼らが初の全国流通盤となる2ndミニ・アルバム『Cloud Options』を完成させた。パワフル&アッパーなナンバーを核にしたうえで幅広さを見せる構成や等身大の歌詞、メンバー全員が織りなすハイレベルなプレイなどがフィーチュアされた同作は、非常に魅力的な一作といえる。本作を機にさらなるスケールアップを果たすことを予感させるPulse Factoryに、バンド・プロフィールなども交えつつ『Cloud Options』について大いに語ってもらった。

■新譜は絶対に前作を超えるということが大前提
■だから今回のミニ・アルバムは本当にハードルが高かった


――まずは、Pulse Factory結成のいきさつを聞かせてください。

Nobu:僕ら四人は、元々大阪の専門学校に通っていて、僕以外の三人は一歳上の先輩なんです。彼らは三人でバンドをやっていたんですけど、ボーカルがいなかったのでリーダーのYussanが声をかけてくれたんです。スタジオに入って曲を合わせたら、そのまま一緒にバンドをやろうということになりました。初めはそんなにガッチリやる気はなかったけど、だんだん本格的になっていって、今に至っています。

――先輩の三人は、いいボーカリストが見つかって嬉しかったでしょうね。Nobuさんと最初にスタジオに入ったときはどんな曲を?

Yussan:そのときはコピーでした。abingdon boys schoolさんとかでしたね。このバンドを組んだときは、ツインギターで、めっちゃロックな曲をやるバンドを作りたいなと思ってメンバーを集めたんです。abingdon boys schoolさんは、まさにそういうバンドなので、Nobuとセッションして様子を見るのに最適かなと思ったんです。ただ、オリジナルに関してはコピーみたいな曲をやる気はなくて。自分達なりのものを創りたいと思っていたけど、当初は音楽性の明確なイメージはなくて、フワッとした感じでした。

Masaki:最初は、かなりフワッとしていたよね(笑)。

Yussan:うん(笑)。そういう感じで始まって、いろんな曲を作っていくうちに、徐々に音楽性が固まっていきました。


――いろいろな曲を作ったということからは、皆さんの音楽性の幅広さが感じられます。それぞれの音楽的なバックグランドなども教えていただけますか。

Masaki:僕は音楽の入りは、玉置浩二さんでした。親の影響で小学校のときに最初に買ったCDが玉置浩二さんだったんです。そこから90年代のWANDSを聴くようになって、Mr.ChildrenさんやBUMP OF CHICKENさんも好きでしたね。でも、中学生になってギターを始めた頃に、友達に「このギターを聴いてみろ」と言われて渡されたのがイングヴェイ・マルムスティーンだったんです。もう、衝撃すぎて(笑)。“これ、ホンマにギターが弾いてるの? この速さ、なんなん?”みたいな(笑)。そこでギターを速く弾くことに興味が湧いて、それからはずーっとテクニカルなメタルを聴くようになりました。そうやって中学~高校と過ごして専門学校に通うようになるんですけど、学校ではメタルをやる機会はなくて、授業でジャズやブルースをやっていて。最初は嫌々やっていたけど、練習していくうちに自然と身体に入っていって、今はそういうジャンルの音楽やギター・プレイも好きです。

Yussan:僕は、初めて買ったCDが洋楽のR&Bでした。小学校の高学年のときで、ヒップホップやラップも好きでしたね。

Masaki:ええっ? 小学生で、それ? クセ強いな(笑)。

Yussan:アハハ(笑)。それまでも邦楽の有名な曲は知っていたけど、CDを買うところまではいかなくて。洋楽を聴いてカッコいいと思って、そこからヒップホップにのめり込んでいきました。それに、ずっとエレキギターはダサいなと思っていたんです。

一同:えっ、なんで?

Yussan:テレビで見たギタリストがフリンジのついた服を着ていて、“これ、ダサくねぇ?”と思って(笑)。

一同:それは、ヤバい!(笑)

Masaki:でも、それはギタリストじゃなくて、その人がヤバかったんじゃん(笑)。

Yussan:まぁ、そうなんだけど(笑)。それで、エレキギターはダサいという印象が刷り込まれてしまって、高校で友達にバンドをやろうと誘われたときもベースがいいと思っていたんですが、結局ギターを始めたんです。その頃にB'zさんを聴いて衝撃を受けて、その後X JAPANさんにハマって、自分の中でギターがカッコいいものになっていきました。

Katsutoshi:僕は、元々音楽をそんなには聴いていたわけではなかったし、自分でやりたいと思ったこともなかった。でも、高校に入ったときに、友達にバンドに誘われてやってみたんです。で、叔母がエレキギターを持っていることを知っていたので「俺、ギター持ってるぜ」と言って、そのギターを友達のところに持って行ったら、「これ、ベースやん」と言われたという(笑)。

一同:なんや、それ?(笑)

Masaki:そんなこと、あるん?(笑)

Katsutoshi:あったんだよ(笑)。だったらベースでいいやと思って、ベースを始めました。同時に軽音部に入って、先輩に「スコア用意するよ。どんなアーティストが好きなん?」と聞かれて、「ORANGE RANGEさんと。コブクロさんしか知らないです」と言って困らせた記憶があります(笑)。そこからいろんな音楽を聴くようになって、ベースのこともいろいろ吸収していって。僕はバンドをやることよりも、ベースを追求したいという気持ちが強かったんです。だからPulse Factoryも、とりあえずという感じで始めたんですけど、やっていくうちに自分のやりたいことに変わっていきました。そういう流れだったので、特に好きなベーシストはいないですね。ジャンルを問わずにいろんな音楽を聴いていて、いいなと思うベースと出会うとコピーしたり、分析してみたりするという感じでした。

Nobu:僕は、最初に買ったCDはRAG FAIRさんでした。テレビで見たときに、声だけで、こんなに深みのある世界を創れるんだと思って、すごく惹かれて。僕はそもそも歌が好きで、小学生の頃からずっとイヤホンをしているような子供だったんです。それに、父親がギターをやっていたんですよ。それで、小学校の頃からギターを教えられて、別に求めてないんやけどなと思いながらギターを弾く…みたいな(笑)。その後、中学生になると周りのみんながRAD WIMPSさんやONE OK ROCKさんを聴いていて、自分もバンドを聴くようになって。同時に洋楽も聴くようになって、サム41やオフ・スプリングが好きでしたね。で、14歳のときに遊びで、友達とバンド形態で音を出したんですけど、それがすごく楽しくて。それから、もうずっとバンドが自分の中心にある人生になりました。


――では、その辺りを踏まえてPulse Factoryの最新音源『Cloud Options』の話をしましょう。制作に入る前は、どんなことを考えていましたか?

Yussan:新譜は絶対に前作を超えないといけないということが大前提としてありました。前作は『FLAGS』というミニ・アルバムだったんですけど、完成したときに今までの中でも一番良い作品を作れたと感じたし、お客さんの反応も良かったんですよ。だから、今回のミニ・アルバムは本当にハードルが高かった。制作に入る前は、『FLAGS』を超えるということしか頭になかったですね。そのうえで、ストレートにライブ映えする曲を軸にしつつ、ライブでこういうシーンがほしいと思うものや、アルバムのピースとして必要なものを足すという作り方をしていきました。なので、幅広さは出せたと思います。個人的には、6曲目の「Mr.Breaking Heart」が特に好きです。僕は洋楽をメッチャ聴いてきていて、洋楽っぽさ活かしつつ、今までのPulse Factoryになかったものがほしいなと思って。そういう思考のもとに作ったのが「Mr.Breaking Heart」と4曲目の「NaNaNa」です。自分のルーツをいろいろ混ぜて作らせてもらって、納得のいく形に仕上がりました。激しくて、重い感じだけど、それだけでは終わらない曲になったし、Nobuが書いてくれた歌詞も良くて満足しています。

Nobu:「Mr.Breaking Heart」の歌詞についてですが、正直に生きるというのは、人によっては結構難しいと思うんですよ。自分も、そういうところがあるし。かといって、それを変えなければいけないと思って変えるのも難しい。それは、童話に出てくる“狼少年”みたいなものかもしれないと思ったんです。「狼がくる! 狼がくる!」と触れまわるのと同じように、「自分は正直に生きる!」と何度も宣言しながら実践できないという。それで、自分と狼少年を被せて歌詞を書きました。

Masaki:特に今の時代はそうだけど、「Mr.Breaking Heart」みたいに感じている人は多い気がするな。僕は、今回の曲はどれも気に入っていますけど、強いて1曲あげるとしたら8曲目の「Nobuddy's Dream」です。さっき話したように、僕の音楽の入り口になったのはJ-POPだったので、僕が曲を作るときはそれっぽいメロディーが出てきやすいというのがあって。今回の制作では、この曲が最後にできたんです。他の曲を見渡したときに、よりメロディアスで、あまりライブを意識しない曲がほしいなと思って作りました。なので、ライブではなくて、家で普通に聴いてもらったときに一番良い曲じゃないかなと思います。


▲Gt.Masaki

――「Nobuddy's Dream」のメロディアス&エモーショナルなサビは、本当に聴き応えがあります。この曲は歌詞もMasakiさんが書かれていますね。

Masaki:書きました。この歌詞を書いた頃は、同い年くらいのバンドが沢山解散していたんです。“Nobuddy”というのは完全な造語ですけど、“buddy”はバンドマンのことを現していて、ずっと一緒にがんばってきた同期のバンドがいなくなっても、自分達だけでもやっていくよということを書いた歌詞です。ただ、バンドに限らず、生きていくうえでこういう心境になることは、いっぱいあると思うんですよ。なので、僕の心情を綴った歌詞とは捉えずに、それぞれの思いを重ねて聴いてもらいたいです。

Katsutoshi:僕の中で特に印象が強いのは、リード曲の「神様仏様如何様」です。僕は作詞/作曲はしていなくて、僕のこのバンドでの役割はベースを弾くことと、Masakiが作った曲を褒めることなんです(笑)。

一同:ハハハッ!(爆笑)

Masaki:本当に、そうなんですよ(笑)。

Katsutoshi:Yussanは一人で曲を作って、完成させて、バンドにポンッと投げるタイプだけど、Masakiは曲を作っている途中から「これ、どう?」「これ、どう?」といって聞いてくるんですよ。曲を生み出すのはすごく大変やろうなということは感じるので、何が助けになるのかを考えたときに、気持ちをアゲてもらうことかなと思って。それで、Masakiが曲を聴かせてくれるたびに、「すごい、ええやん」「これも、すごいええやん」と言っています(笑)。

Masaki:しかも、キメ顔で「ええやん」と言ってくれるんですよ(笑)。


▲Gt.Yussan

――大事な役割ですね(笑)。実際、「神様仏様如何様」のハード&アッパーな味わいは魅力的ですし、リード曲にふさわしくPulse Factoryを象徴する1曲と言えますね。

Masaki:Pulse Factoryの曲は、サビ頭をみんなで歌えるものにするというのが今までの流れだったんですけど、一度それを排除して、曲として聴いたときにいいなと感じてもらえるものにしようと思って作ったのが「神様仏様如何様」です。だから、今までのPulse Factoryとはまた違ったテイストのサビになりましたね。この曲を完成させて、今後はみんなで歌えるサビの曲と、聴かせるサビの曲と両方やっていくのは“あり”だなと思うようになりました。

Nobu:それは、いいと思う。「神様仏様如何様」は作詞の名義は僕になっていますけど、曲を作ったMasakiが何個かキーワードをくれたんです。

Masaki:そう。作詞する人からしたら嫌だと思うけど、僕も作詞をするので、メロディーと言葉が同時に出てきたり、このメロディーにはこの言葉やろうというワードが出てきたりすることがあって。この曲もそうだったので、こういうキーワードはどうだろうとNobuに提案したんです。

Nobu:キーワードを出されることで歌詞が書きにくくなるときもあるけど、「神様仏様如何様」はスラッと書けました。内容的には“全力で生きて、勝利を掴め”というメッセージになっています。僕は今回のアルバムの中で1曲挙げるとしたら、一番最後に入っている「Carabiner」ですね。このバンドではYussanがバラードを作るということは、今まであまりなくて。Yussanからこの曲のオケのデモがあがってきたときに、いいなと思ったんです。僕はバラードの歌詞はあまり書いたことがなかったけど、今回書かせてもらいました。僕はJ-POPのバラードとかがメチャクチャ大好きで、この曲はそういう匂いのあるものにしたいなと思って。それも、中西保志さんの「最後の雨」とか、PRINCESS PRINCESSさんの「M」、徳永英明さんの「Rainy Blue」みたいに、名曲と言われるようなものを作りたかった。そういうことを意識して、「Carabiner」の歌詞を書きました。良い歌詞が書けたんじゃないかなというのもあって、僕はこの曲を一番よく聴いています。

Yussan:「Carabiner」の歌詞は王道的な感じですけど、曲調的には今までのPulse Factoryにはなかったテイストです。これも洋楽からインスピレーションを受けて、それを自分達のバンドでどう昇華できるかということを考えて作りました。初めての曲調だったから、ボーカルが入るまでは見えなかった部分もあったけど、ボーカルが入ったのを聴いて“よし、良い曲になった!”と思いました(笑)。

――AメロがサンバでBメロは2ビート、サビはダンサブルというハイブリッド感覚の「ダテ眼鏡が似合わない」も面白いですね。

Masaki:これは、完全に今までの自分達の中になかったタイプの曲ですね。作ったときは最初にサビが出てきて、Katsutoshiに「これ、どうかな?」といって聴かせたんですよ、例によって(笑)。そうしたら、メチャメチャ良いけど、俺らっぽくはないよねと言われて。たしかに、超えてはいけない枠を超えていることは自分でも感じていたので、だったら他の部分で自分達らしさを出せばいいかと思って。それで、場面転換の激しい曲になりました。そういうところで、新しいところに挑戦した曲という印象が強いですね。

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