【インタビュー】DAIGO、カバーアルバム完成「僕の中で“Beingサウンド”は大きい」

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■人生でこれほどの挫折を感じたことはない
■“この曲、最後まで歌えるのかな?”って

──曲の後半に行くに従ってコーラスがフィーチャーされてドラマティックになっていくのはBeingのヒット曲のひとつの特色ですよね。聴かせていただいて、女性アーティストの曲が違和感なく自然に入ってくることがDAIGOさんの個性だなと。ZARDの「永遠」もそうですが、倉木麻衣さんの「Secret of my heart」(2000年発表)のAOR的なオシャレサウンドと柔らかな歌い方が相性抜群です。

DAIGO:倉木麻衣さんとはソロデビュー15周年のライブで共演させていただいたんですけど、そのとき僕はあくまでもコーラスとして共演させていただきました。で、今回アレンジされた曲を聴いて“僕はどういうふうにアプローチしたらいいんだろう?”って。かなり悩みましたね。でも、最後に奇跡の1テイクが録れたんです。

──アルバムの中で最も難関だったということですか?

DAIGO:はい。大サビあたりで心が折れて、挫折しかけましたよね。スタジオにいた全員が満場一致で「今日はやめよう」ってことになって(笑)。

──レコーディングでそんなことは滅多にない?

DAIGO:レコーディングというか、人生の中でこれほどの挫折を感じたことがないので(笑)。初めて“この曲、最後まで歌えるのかな?”って思いました。

──そんな苦労を微塵も感じさせないボーカルですけどね。

DAIGO:“もう一度同じように歌え”って言われても無理だと思います(笑)。

▲『Deing』初回盤B

──ははは。それと今作のゲストには本家アーティストであるT-BOLANの森友嵐士さん、大黒摩季さん、DEENの池森秀一さんがデュエット参加していますよね。

DAIGO:それも長戸さんとお話ししたときに、その場で「DAIGOくんのカバーアルバムを作ってるんだけど、参加してもらえない?」ってお三方に電話されて。10分ぐらいでみなさんに快諾していただけたんですよ。あらためてみなさんと長戸さんとの絆の強さを感じました。

──トントン拍子に決まったっていう。

DAIGO:ええ。DEENの池森さんには「このまま君だけを奪い去りたい」をデュエットしていただいていますけど、最初はコーラスで参加していただけるというお話だったんですよ。ところが、届いたミックスダウン済みの曲を聴いたらAメロの途中で明らかに自分ではない声の歌が入っていて。“あ、池森さんの歌だ!デュエットになってる!”と気づくまで何秒とかからなかったですね(笑)。その後、僕のラジオ番組(TOKYO FM番組『太田胃散 presents DAIGOのOHAYO-WISH!!』)で池森さんとお会いしたんですけど、「俺も“コーラス”って聞いていたから、DAIGOくん大丈夫なのかな?って思ってたんだよね」って(笑)。逆に僕は、池森さんとデュエットという形になってめちゃめちゃ興奮したし、嬉しかったんですよ。そもそもコーラスだった曲をデュエットソングに仕上げてしまうところに長戸さんのクリエイティブマインドを感じました。


──“これはデュエットだ”って途中でひらめいちゃったんでしょうね。

DAIGO:そういうサプライズに音楽の楽しさをあらためて感じた1曲でもありました。池森さんとも「新橋あたりのサラリーマンの方々にカラオケでデュエットしてほしいですね」って話してたんですよ。

──青春の思い出ソングでしょうからね。

DAIGO:そうそう。平成最後の年に送る2018年バージョンとして、すごく良い曲になったなと思いました。

──大黒摩季さんとデュエットしている「あなただけ見つめてる」(1993年発表)はアレンジもボーカルもゴージャスなアプローチになりましたね。

DAIGO:そうですね。きらびやかだし、最高の仕上がりです。大黒さんは声のパワーがハンパないので、僕の声なんか、ほとんど聴こえてないですけど(笑)。

──そんなことないです(笑)。

DAIGO:大黒さんもラジオ番組(TOKYO FM番組『太田胃散 presents DAIGOのOHAYO-WISH!!』)にゲスト出演していただいたとき、「DAIGOくんの声、もうちょっと前に出しても良かったと思うな」って言っていましたけど(笑)。もともと大黒さんはコーラスワークに凝る方なんです。

──Beingのオーディションに受かった当時、最初はバックコーラスの仕事をしたそうですしね。

DAIGO:そうなんです。今回も全力でやってくださいました。「何かあったらやるから、また声かけてね」って言ってくださったり、僕の中ではBeingの姉さん的な存在ですね。


──T-BOLANの森友嵐士さんとデュエットしている「離したくはない」(1991年発表)はライブも含めて、何度か一緒に歌われていますよね。

DAIGO:ええ。TVの音楽番組でもデュエットさせていただいていますし。今回はレコーディングということで、本当に最高でした。でも、僕が歌ったあとに森友さんに歌っていただいたんですけど、存在感の違いを感じましたね。“僕は、まだ薄塩だな”みたいな(笑)。

──ブルージーでハスキーな声は森友さんならではですね。タメも独特だし。

DAIGO:そうなんです、深いんですよ。タイム感も歌い方も“森友さんだ!”っていう個性を感じます、果汁100%みたいな。

──濃縮還元みたいな。

DAIGO:僕は果汁10%未満かもしれないって(笑)。今回は曲によって、“もっと個性のある歌い方をしたい”とか“逆にクセを減らしたい”とか、いろいろなことを感じましたし、学ばせてもらいました。

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