【インタビュー】vivid undress、ポピュラリティーとマニアックさを両立させた独自の音楽性を持った4thミニ・アルバム『赤裸々』

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2014年の始動以降、ポピュラリティーとマニアックさを両立させた独自の音楽性を持ったバンドとして注目を集めているvivid undress。昨年3月のドラマー脱退を経て、4人編成で新たなスタートを切った彼らが、4thミニ・アルバム『赤裸々』を完成させた。同作は彼らが危機を乗り越えて、さらなるパワーアップを果たしたことを強く感じさせる好盤となっている。そこで、vivid undressの全員インタビューを実施。バンドの状態がいいことは、インタビュー中のメンバー達の様子からも伝わってきた。

■“未来に向かってやってやる”という気持ちは
■自分の中の芯としてあってなくしたくないと思う


――vivid undressの結成までを話していただけますか。

kiila:私は元々シンガー・ソングライターとして、ずっと活動していたんです。一人で曲を作って弾き語りでライブをして。でも、なかなかうまくいかなくて、もうやめようかなと思っていたんですが、ライブハウスのマネージャさんが、「お前は、やめちゃダメだ」「俺が協力するから、もうちょっと続けてみようよ」と言ってくれたんです。それで、バンド形態でやってみたらどうだろうという話になって、ギターのyu-yaを紹介してくれたんです。yu-yaが知り合いのsyunn(B)を連れてきてくれて、同じバイト先の人だった最初のドラマーがrioに声をかけて…という感じでメンバーが集まって。最初は私のバックバンドという形でみんなに協力してもらっていたんですけど、思いのほか波長が合ったので、このままバンドにしようということになりました。

――音楽をやめてしまわなくて、本当に良かったですね。vivid undressの音楽性のテーマやコンセプトは、どういうものでしょう?

yu-ya:元々みんなで話していたのは、サビは絶対にキャッチーだけど、それ以外はもうゴリゴリに、いろんなことをやろうということでした。

rio:テクニカルにしたいという話を、していたよね。

一同:そうそう。

yu-ya:イントロや歌中は、ある程度ポップス的な要素を入れつつマニアックにして、でもサビはキャッチーだ…みたいな。そういうことを意識してみんなで曲を作り始めて、新しいことに挑戦したり、実験的なこともやってみたりしながら今に至っているという感じです。


――1月23日にリリースされた4thミニ・アルバム『赤裸々』を題材にして、さらにvivid undressの音楽性を掘り下げたいと思います。同作の制作に入る前は、どんなことを考えていましたか?

kiila:アルバムの方向性は、特に考えていなかったです。最初はとにかくリリースをしようという話になって、ミニ・アルバムを作ろうということになったんですよ。でも、曲がなかったんです(笑)。それで、みんなで話し合って、もう全部シングルでいけるような曲を詰め込んだミニ・アルバムにしようということになりました。それは、形にできたんじゃないかなと思います。

syunn:いい曲が揃ったし、幅広さを出せたのも良かったなと思いますね。今回の曲の中では、個人的には「盲目の世界から脱出せよ」が一番気にいっています。yu-yaが作ったんですけど、キメが多くて弾き応えがあるし、バチッと揃うとすごく気持ちいいんですよ。さっき話が出た、“キャッチーとテクニカルの融合”という自分達らしさがよく出ていることもあって、この曲はぜひ聴いてほしいです。

yu-ya:僕の中で特に印象が強いのは、3曲目の「劣等者の逆襲」です。自分が作ったんですけど、この曲はとてつもなく難産になりました。導入部分のベース・フレーズをイメージして、そこから入っていったんですけど、どんどん展開していく曲になったんですよね。kiilaちゃんにも手伝ってもらって、ああでもない、こうでもないと作りました。それに、サビは本当に考え抜いた。歌中はファンキーだけど、そのままいくんじゃなくて、キャッチーでインパクトのあるサビにしたかったんです。いつもサビにはこだわっていて拝みながら作るんですけど、この曲は拝み倒しました(笑)。そうやって、もう練りに練りまくったんです。だから、この間スタジオで初めて合わせたら、すごく大変でした(笑)。

一同:ハハハッ! そうなんだよな(笑)。

yu-ya:繊細に合わせないと、こんなにもレコーディングでやった感じが出ないのかと思って。でも、ちゃんとアンサンブルできると、すごく気持ちいいんですよ。だから、そこまで持っていけるようにしたいし、アルバムを聴いてくれた皆さんにはライブを楽しみにしてほしいです。

rio:僕は1曲目に入っている「スクランブル」が、一番印象深いですね。僕にもそれなりに歴史がありまして、元々は地元の九州でずっとバンド活動をしていて、その頃はギター&ボーカルだったんです。「スクランブル」は、そのバンドのメンバーがやめたときに作った曲で、思い入れがある曲の一つだったんです。vivid undressで新しいアルバムを作るにあたって、この曲をkiilaちゃんが歌ったらどうなるんだろうと思って、今回「スクランブル」を手掛けてくださったサウンド・プロデューサーに聴いてもらったところ、この曲は絶対にやるべきだということになりまして。それで、Aメロ、Bメロとか、細かいところを全部アレンジして、本当にvivid undressで料理をして、生まれ変わったんです。それが自分的にすごく新鮮だったし、感慨深さを感じました。何年も前に作った曲だけど、一番いいタイミングに、一番いい形で世に出せたんじゃないかなと思います。

yu-ya:「スクランブル」は、今回の制作で一番最後にできたんです。さっき話したように、“全曲シングルとしていけるもの”ということを目標にして、1曲ずつ丁寧に作っていって、最後にこの曲ができたときにアルバムに必要なピースが全部揃ったことを感じました。


▲kiila

――その感覚は、わかる気がします。「スクランブル」は煌びやかさとせつなさを併せ持った曲で、今作を象徴する1曲といえますので。

rio:そうですね。kiilaちゃんの歌詞も、いい化学反応を起こしたと思うし。自分が元々書いていた歌詞もあったんですけど、そういうのは一切抜きにして、もう全部をkiilaちゃんに任せたんです。そうしたら、僕が持っていたイメージとは違う魅力を持った曲になった。それも自分の中で、印象深さにつながっています。

kiila:ありがとうございます(笑)。私もyu-yaと同じく、今回の中では「劣等者の逆襲」が一番気に入っています。私は全曲の作詞を担当しているんですけど、この曲が一番未来を切り拓くというか、“やってやるぞ感”が出ていて、結構挑発的な曲なんですよね。今の自分自身の心がすごく出ているし、これからのvivid undressを、この曲が引っ張っていってくれるんじゃないかなという期待もある。ものすごくパワーのある曲になったんじゃないかなと思います。

――歌詞の話が出ましたので、歌詞についてもお聞きしたいです。kiilaさんが書かれる歌詞は、強さと儚さ、ピュアさと批判的な視線といった相反するものがない交ぜになっていることが印象的です。

kiila:歌詞は、楽曲に合わせた結果という感じですね。今回私が作詞/作曲をしているのは、6曲目の「シンガーソングライター」だけなんですよ。それ以外はrioさんやyu-yaの曲に歌詞を乗せているので、楽曲の世界観を大事にしました。私の中には、楽曲とかメロディーから降りてくる言葉を活かしたいという気持ちがあるので。だから考えたわけではなくて、いろんな曲があることで、自然といろんな表情が出たんだと思います。

――それがいい方向に出て、歌詞の多面性も魅力になっていますね。

kiila:本当ですか? 嬉しいです(笑)。ただ、私は自分で自分がよくわかっていないというか。自分がどういう人間なのか決めつけることはしないから、私が書いた歌詞に対するコメントを聞いて、“そうか、私はこういうことが言いたかったのか”とわかる…みたいな(笑)。でも、“未来に向かってやってやるぞ”という気持ちは自分の中の芯としてあって、それはなくしたくないと思っていて。それは、常に歌詞に表れているかなとは思います。


▲syunn

――翳りを帯びながら疾走する歌中と陽が射すようなサビの対比を活かした「輪廻転生」や、フュージョンっぽいユニゾン・フレーズを多用した「アルティメット・サバイバル」なども聴き逃せません。

yu-ya:「輪廻転生」の構想、原形は、昔からあったんです。それをリアレンジすることにしたんですけど、キーが低かったからkiilaちゃんの声に合わせてキーを上げたんですね。そうしたら、キャッチーでいい曲じゃないかと思って。それで、激しく爆発しているようなイメージのイントロを作って、kiilaちゃんが考えたサビをつけて完成させました。面白いものになったなと思うし、この曲は歌詞もすごく気に入っています。

rio:僕も歌詞は、この曲が一番好きです。

kiila:そうなの? 

yu-ya:うん。本当に素晴らしくて、僕はこれは手塚治虫さんの作品がモチーフになっているんじゃないかなと思ったんですよ。それで、kiilaちゃんに聞いたら、全然違うと言われました(笑)。

kiila:アハハ(笑)。「輪廻転生」は曲を聴いたときに、私は童話チックな印象を受けたんです。なので、ちょっと物語風にしたいなと思って。で、去年私の周りでは解散したり活休するバンドが多かったんですね。自分達もドラムが脱退するという危機と向かい合うことになったし。そういったことを振り返ったときに、才能を持っている人は“神様の子供”だとしても、大成するとは限らないなと思ったんです。特に、今の世の中はいわれのない批判を浴びたり、中傷されたりすることで、世の中から才能が消えていくことがありますよね。それで、なぜ才能のある人が批判や中傷で消えていかなくちゃいけないんだという思いを曲にしたい、どうしても曲にしたいと思って「輪廻転生」という歌詞を書きました。


rio:「輪廻転生」も、ぜひ聴いてほしいです。もう1曲あげてくださった「アルティメット・サバイバル」は、鍵盤弾きが作るとこういうものになるという感じの曲ですね。ギター/ベース陣を苦しめるという(笑)。僕のキーボードの手癖をギターやベースに置き換えると、すごく難しいみたいなんですよ。それを一つ一つ精査していくのが、自分的には面白かったです。「えっ、これがダメなの?」みたいな(笑)。そういうやり取りをして、お互いのいいところに落とし込んでいったのが楽しかったですね。それに、歌詞もハマり具合が絶妙だなと思っています。

――特に、出だしの呪文っぽい歌は最高です。

kiila:最高ですよね(笑)。rioさんが前にやっていたバンドに、ちょっと宗教チックな曲があったんですよ。私はその曲がすごく好きで、「アルティメット・サバイバル」はそういう匂いがある曲にしたかったんです。それに、イントロがない曲だったので、なにか異質なものをつけたいなと思って。それをrioさんに伝えたら、あの出だしを作ってきてくれて最高だなと思いました。

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