【インタビュー】erica、告白や失恋、片思いなどをテーマにした「告うた」でリスナーの心を癒す

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■最初の一歩がないと前には進めないし
■誰かのせいにしたら結局はその先に行けなくなる


――今回のアルバム「告うた3~あなたへ贈る歌2~」には、いろんな恋や愛の形がありますね。最近寄せられるコメントやお手紙を読んで、恋愛の傾向など、何か感じるところはありました?

erica:何歳になっても、人が恋する気持ちって変わらないんですよね。手紙、Twitter、LINEと、使ってるツールは変わってもここ(胸の中の想い)は一緒。どれだけ恋愛経験を積んでも、仕事をバリバリやっていても、本当に好きな人の前では何も言えなくなったりするんですよね。もうひとつ言えるのは、仕事でも生き方でも夢でも、恋に似てるんだなということ。最初の一歩がないと前には進めないし、誰かのせいにしたら結局はその先に行けなくなったりする。ヤキモチ焼くくらいだったら自分磨きをしようとかね。自分が好きな自分になれば環境も変わるし、一緒にいる人も変わってくる。そんな風に感じています。

――「告うた」シリーズとしては3作目。普遍的な気持ちがある一方で、表現の面ではかなり変化を遂げた楽曲もありますね。

erica:そうなんです。実はこれまで「告うた」として2枚、その前に1枚アルバムを出しているんですが、アルバムのために曲を書き下ろすということがなかったんです。これまでは、配信限定などでリリースしていたデジタルシングルをアルバムとしてパッケージにしていたから。つまり、ベストアルバムみたいな感じですよね。だからコンセプトを決めて、アルバムのために曲を作って、しかもアルバムだからやれる曲みたいなものをずっと作ってみたかったんです。それが今回、初めてできたんですよ。めちゃくちゃ楽しかったし、改めて、曲って無限大なんだなって思いました。


――発見や学びも多かったですか。

erica:告白をテーマにしていると、使うワードや世界観が似てきたりするんですね。これまでは“あの曲と似てるな”って迷うことも多かったけど、今回は胸を張って“この言葉は、この曲のために必要な言葉だ”って思えるようになりました。使い回しじゃなくて、自分の中から出てきた言葉を信じてあげられるようになったんですよね。サウンドの面でも、思い切って挑戦できたと思います。

――M-9「赤ずきん」はちょっと色っぽい毒のある世界観と、ファンキーな曲調が新しかったです。

erica:みんなこういう顔も持ってるんだっていうところを出したかったんです。ピュアで真っ直ぐな女の子だって終電で好きな人に会いに行くし、ピュアで真っ直ぐだからっていい子とは限らない。ちょっと冒険したりする気持ちはあるよねってことを歌ってみたかったんですよ。赤ずきんちゃんだって、約束を守らずに道草しちゃうじゃないですか(笑)。こういう曲は、アルバムでしかできない世界観だなって思うんですよね。あと、ライブで楽しめる曲っていうのも作ってみたかったんです。

――M-2「LIVE de DIVE」ですね。

erica:こういうのも、シングルじゃできないから。こういうライブのための曲は今までなかったから、ワンマンの時なんかは(既存の曲の)テンポを上げたり、ロックバージョンにしたりして盛り上げてきたんですね。だけどもっと楽しみたいし、派手にしたいし、コール&レスポンスもしたいし、踊ってほしいなって思いも込めて、ライブならではの楽しみがある曲も作りました。アルバムを聴いてくれた人が、じゃあ次はライブに行ってみたいなって思ってもらえるように。

――和テイストなM-10「慕情の涙」も、ライブでどう表現されるのか楽しみな1曲だと思いました。

erica:そうですね。和楽器の生サウンドでやったらいいだろうなとか、着物のような衣装もいいなとか、イメージが膨らみますよね。今回のアルバムって、今までのファンの人はびっくりする部分もあると思うけど、初めての方も含め、このバリエーションというかいろんな顔を見てもらいたいなっていうのが大きかったので、ぜひじっくり聴いてみてほしいです。


――先ほどから話に出てきた「あなたへ贈る歌」は、今回<Fantastic Orchestra Ver.>として収録されていますが、「あなたへ贈る歌2」という続編も生まれていますね。

erica:実は今回のアルバムを作るにあたって、プロデューサーさんから出たアイデアだったんです。「あなたへ贈る歌」はすでに出来上がっている世界観であり作品だと思っていたので、そこからの未来っていう落としどころを見つけるにあたってはすごく悩みました。でも、この健気で真っ直ぐでひたむきな子が強くなっていく世界観をちょっと描いてみたいと思ったんです。この子が幸せになっていく未来のハッピーエンドというよりも、どんどん強くなっていく姿――あなたのそばを歩きたいという私から、あなたが頼れる私になりたい。幸せにしてもらうじゃなくて、一緒に、むしろ私が幸せにしてあげたいって言っちゃうような曲にしてみたいなって。だからいきなり未来を描くのではなく、こういう自分だったけどこういう気持ちになっていったっていうストーリーを、時系列で書いてみたんです。

――なるほど。

erica:ただ「あなたへ贈る歌」を知ってる人だけがわかる歌にはしたくなかった。この「あなたへ贈る歌2」から聴く人にもちゃんと響く曲であってほしいですからね。さっき曲を作るのはすごく早いって言いましたけど、これはかなり書き直しました。7回ぐらい書いたかな? 結局レコーディングの朝ぐらいまで直してましたからね。自分の中にあるものがブレないように、そこだけは大事にしながら書き上げました。

――ソングライターとしての楽しみや挑戦もしっかり反映させたアルバムを作り終えた今、今後のビジョンについてはいかがですか?

erica:ライブをたくさんやりたいです。100%のパフォーマンスができる素材をたくさんいただけたアルバムなので、今はただたくさんライブをやりたいです。

――それだけ楽曲そのものの力が強いということだと思いますが、できればこのアルバムを通して<曲>と<私>をもっと近づけたいと。

erica:はい。アーティストとしては曲とか歌がしっかり認識されているって、すごく幸せなことだと思うんです。ライブは本当に大好きだし、すごく大切にしたい場所。今回はライブのイメージが膨らむ楽曲もたくさんあると思いますから、ぜひ一度ライブに足を運んでもらえたらなと思っています。

取材・文●山田邦子

リリース情報

『告うた3~あなたへ贈る歌2~』
2019/02/20発売
通常盤
UPCH-2183 \2,778+税
プレイパス(R)対応
~収録曲 ~
1. あなたへ贈る歌2
2. LIVE de DIVE
3. お薬タイム
4. あまのじゃく子
5. バイバイ
6. あなたがいた日
7. 失恋した日
8. 君へのメッセージ
9. 赤ずきん
10. 慕情の涙
11. スキなのにスキだから
12. バカみたい…
13. ここにしか咲かない花
14. ガンバレ!
15. ただいま おかえり ありがとう ~僕らの未来~
16. あなたへ贈る歌(Fantastic Orchestra Ver.)

ライブ・イベント情報

<「告うた3~あなたへ贈る歌2~」リリースイベン>
2019/2/20(水) 18:00~
【場所】ラゾーナ川崎プラザ 2F ルーファ広場 グランドステージ
※観覧無料
【内容】ミニライブ&CDジャケットサイン&写メ&握手会

2019/2/23(土)(1)14:00~ (2)16:00~
【場所】愛知県・イオンモール木曽川 1Fノースコート
※観覧無料
【内容】ミニライブ&CDジャケットサイン&写メ&握手会

2019/2/24(日)(1)15:00~ (2)17:00~
【場所】大阪・タワーレコード難波店5Fイベントスペース
※観覧無料
【内容】ミニライブ&CDジャケットサイン&写メ&握手会

「Make Happy!! ~ erica × 瀬川あやか × 結花乃 ~」
2019年3月5日(火)代官山LOOP

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