【インタビュー】a flood of circle、爆発するグルーヴの作り方「未来のバンドであるために」

■今のa flood of circleなら
■これまでの歴史が爆笑だぜって感じ

──歌詞も、バンドへのこだわりに溢れてますね。これまでも音楽への熱みたいなものを歌った曲は多かったけど。

佐々木：そうですね、そのまんまの歌詞になっちゃってる（笑）。これまでa flood of circleの歌詞を書く時って、一作前の自分たちがやってないことだったり、今のa flood of circleを好きな人たちがビックリするようなことが入ってて欲しいというスタンスで。

──それはどういうことでしょう？

佐々木：歌詞の話ではないけど、例えば前二作でイギリス人エンジニアのザブ(ザビエル・スティーブンソン)とやったこととか。あれはa flood of circleにとってはすごく新しくて、サウンド自体が良いものに仕上がったと思ってる。だけど、それまでのa flood of circleが好きな人からは、「音が悪い」とか言われて、“すげぇ伝わってない”と思ったんですよ。そういうジレンマもあったけど、バンドとしてはどんどん進んでいこうみたいな感じだった。

──なるほど。

佐々木：そういう経緯があった上で今回の歌詞について言えば、“テツとナベちゃんの輝き”を思った時に、改めてa flood of circleとしてすべきことに気付かされて。もしかしたら、“ライヴに来てくれる人にどう響くか”みたいなことを生まれて初めてぐらいに真面目に意識したかも（笑）。それが、バンドっぽい歌詞につながっているのかもしれないですね。

▲a flood of circle

──バンドへのこだわりは、佐々木さん自身のソロや、ヴォーカリストとしてのイベント参加といった経験も関係してそうな気がします。

佐々木：親が転勤族だったせいもあって、俺は同じところに長くいたことがないんですね。長く続いてきたことって本当に音楽とバンドしかないので、続いてほしいという個人的な願望をバンドに背負わせちゃってるのかもしれないですね（笑）。メンバーにとって気持ち悪い言い方かもしれないけど、“バンドって、暫定、死ぬまで一緒ですよね”ってものだと思ってるんです。サポートならいつ離れてもおかしくないし、プロジェクトという表現だったら限定的なものかもしれない。でも、バンドって解散とかもあるけど、“死ぬまで一緒”みたいなつもりでやってるし、長い目で見ることができるから、経過報告とかって言葉でバンドの今を語ることができるんですよ。それって、このメンバーでやってるから落ち着いて曲が書けるという意味でもあって。だから、歌詞がちょっと前向きになってるような気がする。

──a flood of circleはメンバーが何回も変わったり、不安定な状態を過ごしてきたけれど、それを乗り越えて来た自負もあるんだろうなと思います。

佐々木：その辺は、酒飲んでる夜3時ぐらいなら真顔で語れそうなんですけど（笑）。最近、いい意味でそのことが軽く扱えるようになってきたというか、もちろん誇りとか自信になってる部分もあって。「Center Of The Earth」というアルバムのラストナンバーに、“どんな後悔をしても 君がいれば爆笑だぜ”って歌詞があるんですけど、それは、あまり意識しなくて出てきた言葉なんですよ。すらっとその一節が浮かんだときに、“あ、これだな”って。今のa flood of circleなら、これまでの歴史が爆笑だぜって感じ（笑）。

取材・文◎今井智子










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