レポ&インタビュー:BURNOUT SYNDROMES『明星』ツアーファイナル「愛してます、仙台」

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■熊谷和海(Vo&G) ソロインタビュー

──おつかれさまでした。ツアー、いかがでした?

熊谷:ざっくりきましたね(笑)。すごく楽しかったです。今までは、ミスらないようにと気を付けている気持ちが多かったんですけど、今回からはミスもライブかな、みたいな。人間としていい意味で適当になってきたというか、おおらかになってきた気がして、それが演奏にも出たかなって。ミスを気にする気持ちより演奏する楽しさの方を大きく感じられました。

──石川さんから演出の内容を聞いたとき、どう思いました?

熊谷:僕はこのバンドを“アーティストの楽園”みたいにしたいと思っているんです。うちのPVってぶっ飛んでるって言われることが多いんですけど、あれはPVチームがいて、彼らがほぼ自由にやってくれてるんですよ。僕らのチームに関わって作品を作ってくださる方に関しては、基本的にNGを出さないようにしているんです。僕もアーティストなのでわかるんですけど、彼らのなかに正解があるんですよね。それをひとりじゃやれないので、それをみんなで作り上げたいっていうのがこのバンドの芯みたいなところ。だから、石川くんからむちゃくちゃなことを言われたときも、「それは……」って否定するよりも、じゃあどうやってそれを最高の形にするか考えようぜって。もちろん石川くんのアイディアそのままだと厳しそうなところもあったんですけど、周りの方に「こういう演出なんですけど、初めて聞いてみてこの話どうですか? どうやったらわかりやすいですか?」って確認して、一生懸命みんなで考えました。意見を出し合って作り上げたって感じですね。

──信頼関係があるからこそできることだと思います。

熊谷:そうかもしれないですね。「BURNOUT SYNDROMESに関わってくれている以上は、全クリエイター好きにしていいぞ」っていう遊び場にしたい。

──作り手として、そんなありがたい話はないですね。

熊谷:なので、好きに書いちゃってください。

──ツアーが始まる前と今で、変化や進化など、何か感じることはありますか?

熊谷:重複しちゃうかもしれないんですけど、ライブがどんどん楽しくなっているんです。1日目はこれまでとちょっと違うぞって感じがして、4日目くらいからは、「ライブ楽しみだなあ」ってなっていて。ライブを楽しみに今日と明日を生き抜けるなって思えるようになりました。バンドを始めて15年目に入るのに今更なんですけど、あんまり楽しいと思ったことがなかったんです。楽しめるかもなっていうのが確信に変わってきました。ライブを楽しみにしてくれているファンの方もこういう気持ちがあるのかなって思うので、そこがまたひとつのシンクロ感みたいになっていったのかなと。

──ここが楽しかった、っていう具体的なエピソードを。

熊谷:全公演共通で、石川くんのソロ曲のあとに廣瀬くんの物販紹介が入るんですけど、その間、僕は裏でゆっくりできるんですよ。その時間に「ラブレター。」の中間に入れるMCを考えてたんです。今までMCは割と前日に考えてたんですよ。今はもう、その日の流れを組んだMCをその短い時間に考えるっていうのが僕のなかでちょっと楽しみで。今日の仙台編では石川くんが涙ぐむっていうアクシデントがあった。彼のエモ列車が出発してしまったので、そこは僕も乗りたいなと思ってそれを絡めたMCにしたんです。前日に100%考えてしまうとそれはできないから。

──柔軟になったんですね。

熊谷:一番いいMCを、その日に適したものをはめられるようになった気がします。

──やっぱり仙台に対しては、特別な気持ちを抱きますか?

熊谷:メジャーデビュー曲が『ハイキュー!!』のタイアップであり、仙台がその聖地っていうのもやっぱり大きいのかなと思ってて。今日は「FLY HIGH!!」に入った瞬間の声がどの会場よりもでかかった。やっぱ演奏者って、ああいう声で引き上げられるんですよね。どの会場でも全力でやるつもりではいるんですけど、あんなん聞こえたら「この曲めっちゃ歌わなあかんやん」って。そこはファンの方が作る空気だなって思います。

──思いが返ってくるって嬉しいですよね。

熊谷:そこも相思相愛になれててよかったなと思います。

──最後にファンの方にメッセージを。

熊谷:僕は割と根が暗い方なんですけど、このインタビューで言ってるようにだんだん明るくはなってきて、自分ひとりではこうはなれなかったのかなって。こういうバンド活動をしていて自分のことを「いいよ」って言ってくれる人がいて、なおかつ自分でもその人たちのことを大切に思えるようになってきた。それが僕の人生も明るくしてくれてるのかなっていうのをこのツアーを通して感じることができました。ありがとうございます。

文・撮影◎高橋ひとみ(BARKS)

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