【インタビュー】wyse、TAKUMAが語る“充電の本意”と“決意のシングル”「僕らが選んだ20周年の形」

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20周年を迎えたwyseが5月8日、シングル「蘇生」をリリースすることに加え、5月11日より全国ツアー<wyse Tour 2019「Period」>をスタートさせる。その一方でwyseは、今年2月に渋谷ストリームホールで行った結成20周年記念公演<20th Anniversary Special Live「Period」>にて、全国ツアー終了後より充電期間に入ることを発表、「未来を見据えての必要な選択」だとアナウンスしている。

◆「蘇生」トレーラー 動画

「バンドとして、意味のある作品を残していくこと。納得のいくライブをすること。バンドを継続していく上で、自分達には不可欠です」とは結成20周年記念公演で語られた彼らの言葉だ。そして、現時点ではラストシングルとなる「蘇生」が完成した。なぜ、彼らはアニバーサリーイヤーのタイミングでバンドの歩みを一旦ストップすることを決意したのか? その背景にある想いとは? シングル「蘇生」では何が描かれたのか? 未来を見据えるからこその葛藤を含めて、TAKUMAの真意に迫ったロングインタビューをお届けする。

   ◆   ◆   ◆

■“解散”を選ばなかったのは
■僕たちの想いが一致したから

──wyseは結成20周年記念公演<20th Annversary Special Live「Period」>で、5月から開催される全国ツアーを持って充電期間に入る、とファンの前で直接伝えましたが、いつぐらいから決めたことだったんですか?

TAKUMA:その結論に至るまでのメンバーそれぞれに持つ考えは、きっと違うものでもあったとそう思うんです。新しい音楽を作ったり、wyseをもっと多くの人に知ってもらうチャンスをいただいたり、大切に紡いできた月日だった。個人的には20周年だけではなく、その先のことを考えたのは2018年秋ぐらいなんですね。未来に向かっていく中で、“wyseに今、いちばん必要なことはなんなんだろう?”、“どういう選択をすべきなんだろう?”って。

──この先、wyseを続けていくために必要なことについて考え始めた?

TAKUMA:そうですね。2017年にそれまで所属していた事務所から独立して、新しい道を選んだあのときと気持ちは似ていると思います。2017年2月に吉祥寺のライブハウスCLUB SEATAで独立することを発表して以降、今日までの時間をメンバー全員、本気で戦ってきた。その結果を見直した中で、“このまま進んでいけばきっとこうなるだろうけど、果たしてそれでいいんだろうか?”、“もっと違うアクションを起こすことはできないか?”って思うようになって。MORIとも同時期にそんな話をしてたんですよね。

▲wyse

──口に出すか出さないかは別として、4人それぞれが何かしら感じるようになっていたんですね?

TAKUMA:ええ。もっとアクティヴに動くこともひとつの選択だと思うんですよ。例えば全都道府県ツアーを廻るとか毎月シングルを出すとか。でも、“それが僕たちが今、抱えている疑問への正しい答えなのか?”あるいは、“この数年やってきたことに対するベストな在り方なのか?”と考えたら、そうではないのかもしれないと。思案した結果、充電期間を置くことにたどり着いたんです。そこで“解散”を選ばなかったのは僕たちの想いが一致したからだと思います。誰ひとり、そういう言葉は言わなかったし。

──もっとバンドについて考える時間が必要だったということですか?

TAKUMA:wyseを再始動させたときもそうですけど、“もう一度やるということは、自分たちだけでなくファンの人や関係者の方全員が動くことでもあるから、遊びじゃないし、止まれないよ”っていう気持ちでスタートしたんですよ。でも、“今、果たしてあのときと同じ、もしくはそれ以上の気持ちでwyseをやれているのか。これまでの活動の延長線上で本当にいいのか?”、“もうワンステップ踏むことが必要なんじゃないか?”と思ったんですよね。それには本当の意味で時間が必要。ただ、音源をじっくり作るから時間が必要なんだっていうのとはわけが違うんですよ。充電期間に旅行に行くというわけでもない。

──“充電=リセット”とは少し意味合いが違うんですね。

TAKUMA:そうそう。いろいろなことを含めて、充電という時間の中で何を考えるのかが僕たちにとって大事なんですよね。言い方は難しいですけど、メンバー、スタッフ、wyseに関わる人たちへの宿題でもあると思っていて、全員がwyseに向き合って進んでいくからこそ、持ち帰るものがあると信じているし、そういうふうに僕は充電を捉えていますね。ひと回りもふた回りも大きくなりたいんですよ。それは動員かもしれないし、売上枚数かもしれないし、認知度かもしれないし、それ以前に僕たち自身がそうなれるバンドに成長することかもしれない。第3者に何かを求める以前にメンバーの覚悟が変わらなければいけない部分もあると思うので、そうなれれば自ずと状況も変わっていくんじゃないかって。独立して以降は出会いにも恵まれたし、環境も劇的に変わって、それ以前とは比べものにならないぐらいwyseを本気でやってきたと思えているので、だったらもっともっと変化できるんじゃないかなと思っていて、そのための時間が欲しいんです。

──なるほど。ちなみにライブで充電することを伝えたときのファンのリアクションはどう受け止めましたか?

TAKUMA:ファンは過去に解散発表を経験している人たちが多いので、僕の喋り方に“何かある”って感じたみたいで、瞬時にその場の空気が変わったように思いました。


──ライブのタイトルにも“Period”って付いていたから、気になった人も多かったのでは?

TAKUMA:それもあったとは思うんですよね。“Period”と付けた意味は別として、“そうかもしれない”と思っていた人たちにとっては“やっぱり”と思わせてしまった瞬間だと思うし。ただ、“解散”と言わなかったことに対しては、信じてくれる気持ちをその眼差しから感じ取れたので。あのときは、充電の理由も含め、あるひとつのことを明確にするような言い方はしなかったけれど、ライブが終わったときには笑顔も見られたので、1本のライブとしてちゃんと成立できたのかなと思っています。大事なことは、今回リリースするシングル「蘇生」を通して、あるいは5月からのツアーをやっていく中でわかってもらえるかどうか。言葉で明確に語るよりも、“だから充電するんだ”、“その時間でこうなるのかな”とか音楽や行動で伝えられるのがベストだと思っていて、足りない部分を言葉で補えればいちばん良いのかなと思っています。

──過去を振り返ると、“最初で最後だと思ってやっている”というTAKUMAさんの発言は少なくなかったですよね。2017年のメジャーデビューの取材時も、“今後のことは未知数”という空気だったと記憶してます。

TAKUMA:なぜ僕がそういう表現をするのかというと、それは解散した経験があるからだと思います。wyseが上り調子だった時代は僕も子供だったし、イケイケだったこともあったと思うんです。不安なんてなかったし、もっと希望に満ちあふれていた。けど、そうじゃなくなる瞬間を体験してからは、悪い方向にいかないための道筋を考えたり、良くないシュミレーションを10個も20個もしてみて、そうならないような方法を探すようになったので。ライブにしても音源にしても、ひとつひとつ、これが最後かもしれないって思うし、裏を返せばそうなりたくないからこそ死ぬ気でやれるっていう。お客さんも常にいてくれるとは思っていないし、いてくれることは本当に有難いけれど、その人たちも一瞬で消えてしまうかもしれないという危うさもいつも感じているんです。だとしたら、1000人のお客さんを1001人にしていこうとか、数字は例えですけど、そういう精神でやっていく、というのが僕の考えなんです。月森は僕とは別の表現で言いますけどね。2月に僕が充電に入ることを伝えたあと、ライブが終わる寸前、曲に入る前に月森はひとこと「きっと大丈夫だから」と言ったんですよ。ファンの心情のことを考えたんだと思うんですよね。

──大丈夫だから待っててね、という意味合いだったんでしょうか?

TAKUMA:そこまでは言わなかったですけどね。僕はそのとき、苦しんだり悲しんだりしても、半年後もしくは1年、2年後に、その時間が救いになるための出発をするべきだと思って伝えたから、支えるような言葉を言うつもりはなく。けど、月森はきっと優しさから、「大丈夫だから」って言ったんだと思う。そう言ったのなら、彼は彼でその言葉を背負って物語を作るべきだし、MORIとHIROは言葉を発するわけではないけれど、同じメッセージを発信する立場の中で、自分たちの考えのもと進んでいくだろうし、音源のリリースやツアーの中で生まれる気持ちもあると思っています。

◆インタビュー(2)へ
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