【インタビュー】dps、マーティ・フリードマンとの共作含む1st EP完成「アジアツアーでの成長も音源に」

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■お酒の味も少しずつ覚えてきたので
■大人っぽさが出せるといいなって

──「カミカゼ」の歌詞テーマは?

安井:“カミカゼ”というカクテルがあるんですよ。サビで“カミカゼばっか飲んで”という一節も入れているんですけど、つまりお酒の歌。僕の実体験が元になっています。デモ音源が届いて、どんな歌詞にしようか迷っているときに、歌詞の頭にある“非・常識的なアイツ”から誘いがきて、クラブイベントへ行ったんですよ。そこで自分が思っていることをメモしつつ、カミカゼを何杯も飲みながらベロベロになって、家に帰って20~30分で書き上げたという(笑)。

──ロックですね(笑)。“四つ打ちばっか飽きた”という、最近の邦楽シーンに対する批判のような言葉も出てきますね。

安井:僕の本心です……と言いつつ、この曲のサビは4つ打ちなんですよね(笑)。ただ、いわゆる流行の“速いテンポの4つ打ち+裏打ち”ではないんです。

木村:僕はオケの完成形を聴いた時に、“ここしばらく封印していたdps感が出ている、男クサい曲がきたな”と思いました(笑)。曲調もサウンド的にもジャリジャリした感じだったので、ボーカルはそれに歯向かっていく気持ちで歌いましたね。

▲安井剛志 [B]

──クールなA〜Bメロと力強いサビのコントラストなども聴きどころになっています。少しハネたビートが心地好いドラムや、16ビートノリでグルーヴしつつインターで一瞬だけスラップを入れるベース、緩急を活かしたギターソロなど、プレイ面も充実していますね。

安井:スラップは、頭の中で鳴ったので入れることにしたんですけど、実際に弾くとめちゃくちゃキツいんですよ(笑)。

森丘:この曲はギターソロにマーティさんから受けた影響を反映させたいという気持ちがあって、チョーキングとかビブラートのニュアンスにこだわりました。レガート後の一発目のチョーキングとか、今までにない音の揺らし方をしてみたんですよ。それに、ソロの途中で転調するという手法も使っています。最初はずっと同じキーだったんですけど、何か変化をつけたかったので。そういうアプローチは慣れているんです。


──腕に自信がある若いバンドがコピーしたら、すごく楽しめそうな曲ですよね。続いて、シャッフルチューンの「キャンドルに火をつけて」。

川村:実はこれ、かなり前に作った曲なんですよ。

木村:dps結成直後だった気がする。今回の4曲の中では一番付き合いが長い曲ですね。

川村:デモを聴いてもらった瞬間から、全員一致で“やろう”ということになったんです。僕自身は、“悪女をイメージさせる曲がほしい”と思いながら作ったことを覚えている(笑)。そういう楽曲だから、マリリン・マンソンみたいな声質だったり、エロさがある歌い方をイメージしていたけど、当時の涼介にはまだ早かったんですよね(笑)。

木村:そうそう(笑)。2年くらい前はまだ歌えなかったと思うんです。今回、改めて歌ったことで自分のステップアップにつながりました。ちょっと上から目線に聞こえるかもしれませんが、最初に歌詞を見た時から、“すごくいいな。変えるところは一ヶ所もない”と思っていたんです。そこから年月を経て、“あの頃はわからなかったもの”を経験したりして、やっとこの曲の世界観を表現できるようになったという。

──もろにセクシーな歌ではなくて、色気が香るというニュアンスが絶妙です。

木村:20歳になって、お酒の味も少しずつ覚えてきたので、大人っぽさが出せるといいなと思っていました。それに、エロくていやらしい歌だけど、ロマンチックな雰囲気も歌にしたかったので。

▲安井剛志 [B]

──メロディも歌詞もセクシーでいながら「キャンドルに火をつけて」というロマンチックなニュアンスのあるタイトルをつけるのは、安井さんの個性といえますね。

安井:まず歌詞はストレートですね。セクシーにしたくてエロさを押し出しました(笑)。なので、僕としては自然で、「キャンドルに火をつけて」というタイトルはエロいと思うんですよ。ロマンチックですかね?

川村:“キャンドル”という言葉から、クリスマスとか誕生日をイメージする人は多い気がする。それでロマンチックに感じる人もいるんじゃない?

──そうですそうです。アレンジについても話していただけますか。

森丘:いつものdpsまんまのアレンジですね。途中で飛び道具的にスライドバーを使ったりしましたけど、それ以外はストレート。なんでもかんでもヒネるというのは違うと思うんですよ。この曲はストレートなほうが映えるアプローチの典型例ですね。ギターソロもスケールアウトではなくて、ペンタトニックを軸に、わかりやすく仕上げました。

安井:ベースもシンプルで、ボトムを支えることに徹しました。ただ、サビでコードがマイナーになるところがあるんですけど、そこは3度の音をハイポジションで鳴らしてます。そういうフレージングによってメロディーがよりエモく聴こえるんですよね。ベースで目立っていきたいという気持ちもあるので(笑)。

──ツボを得た目立ち方っていいですよね。ストレートなアレンジと歌詞が奏功して骨太なロックに仕上がっていますし、後ノリで肉感的にロールしているドラムもカッコいいです。

川村:最初はもっとルーズに叩いていたんですけど、うちの鬼(※森丘)がすごいこだわりを見せまして(笑)。

森丘:はははは。ルーズなビートもカッコよかったんですけど、1970sロックっぽい匂いがしてしまって。もうちょっと新しい感覚のリズムにしたかったので、「タイトに叩いてほしい」とお願いしたんです。

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