【インタビュー】Dear Chambers、「メンバーじゃない」と断言する3ピースバンド

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■自分がやっていることはポジティブ。恋愛はネガティブ

──モリヤマさんの歌詞って、別れてしまった人を思っていたり、叶わなかったりしたことを歌っているものが多いですよね。

モリヤマ:17歳のときからずっとそういう歌詞を書いてますね。

ペレ:10年間同じ歌詞。成長しねえな(笑)。

モリヤマ:しねえな(笑)。成長しないがゆえに、今までずっとひとりの人に向けて歌詞を書いてたんですよ。それが「幸せになってくれよ」の人なんですけど。それは別に好きだとかじゃなくて、その人のことを思い出すと曲が書けるんで。でも、今回の歌詞を書いてるときに、気づいたら顔を思い出せなくなっていたんですよね。その曲が「forget」なんですけど。



──まさにそのことを歌ってますよね。

モリヤマ:今回の曲で、その子のことを書いている歌詞って「forget」だけなんですよ。だから本当に終わりました、その人のことは。

ペレ:シリーズ完結?

モリヤマ:完結した。10年シリーズ。

ペレ:長かったなあ〜。次の10年は誰だろう(笑)。絶対にやるよ、モリヤマは。

モリヤマ:ありえるな(笑)。あと、多幸感のある曲ってあんまり好きじゃないんですよ。失恋とか後悔とか、何か失ったりする曲ばっかり聴いてたんで、そこが大きいんじゃないですかね、そういう歌詞が多いのは。なんか、「前を向け」って言われても、「はあ?」って思っちゃうんですよ。こっちが勝手に向いたらダメですか?っていう。「笑って」って言われても、いや勝手に笑ったらダメですか?って。

──そういうのは自分のタイミングでやらせてくれよっていう。

モリヤマ:そうです。だから、僕が前向きな曲を作ったら、いろいろヤバいって察したほうがいいと思います。これはキてんなって。

ペレ:気をつけとくわ(笑)。


──でも「faster」の歌詞はポジティブですよね。

モリヤマ:これは恋愛じゃないんで。バンドのことなんで。

──バンドのことについてはポジティブに書けるんですね。

モリヤマ:もう全然! だってね、明日には売れたいから。

ペレ:売れたいねえ。

モリヤマ:だから、自分がやっていることはポジティブ。恋愛はネガティブ。

ペレ:モリヤマが「faster」みたいな前向きなバンド目線の曲を作り出したのって、このバンドになってからなんですよ。そこは僕、めっちゃいいなと思っていて、もっとそういうのを書いて欲しい(笑)。切ないやつはモリヤマの十八番みたいな感じだから、たぶんいつでもできると思うんですよ。だから、そういうメッセージのある歌詞をもっと書いてってお願いしているところですね。

モリヤマ:でも「前を向け」とは歌わないと思う。前を向かせる曲なら書きたいけど。


──そこの差はかなり大きいですよね。『Remember me』のリリースツアーも続いていきますけども、今後どんな活動をしていきたいですか?

モリヤマ:おじさんになってもやりたいですね。続けている先輩にカッコいい人たちが多すぎるんですよ。だから、ポっと出て沈むよりは、ずっといたいっていうのはあります。

──確かに、続けていくことというのが一番難しいというか。

モリヤマ:でもまあ、そこは大丈夫かなと。

ペレ:うん。大丈夫です。僕ら友達なんで(笑)。


モリヤマ:誰かが「続けるのがちょっとキツい」ってなったら、全然待つと思う。違う人を入れても気持ち悪いもんな?

ペレ:想像つかない(笑)。

──となると、バンドの目標としては続けていくことであり、メンバーにならないことなんですかね。

ペレ:そういうことかもしれないです(笑)。

モリヤマ:この前、新潟に行ったんですけど、打ち上げのときに地元の若手のバンドの子から「メンバーが仲のいい秘訣ってあるんですか?」って聞かれたんですよ。「なんかすごく仲良く見えたんで」って。そのときは「いや、俺らはメンバーじゃないからだよ」って答えました。

ペレ:それかっけえな(笑)。さすがだわ。

取材・文◎山口哲生

2nd Mini Album『Remember me』

2019年10月2日(水)発売
PADF-008 ¥1,800+tax
レーベル:Paddy field
流通:PCI MUSIC

1.forget
2.ワンサイド・ラヴァー
3.faster
4.BABY
5.remember
6.星に願いを
7.このままふたりで

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