【ライブレポート】ASH DA HERO、東名阪ツアー東京公演「君と作ったんだよ、奇跡を」

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ASH DA HEROが9月29日、OSAKA MUSEより<ASH DA HERO LIVE TOUR 2019 GOD SAVE THE ROCK AND ROLL II>をスタートさせた。

◆ASH DA HERO 画像

これは9月からスタートした東名阪マンスリーライブ<ASH DA HERO LIVE TOUR 2019「GOD SEVE THE ROCK AND ROLL II>の東京公演にあたるもの。当日はあいにくの雨模様にも関わらず、当日券を求めてオーディエンスが列をなし、チケットは売り切れ。これは、当日券があるなら観たいという新たなファンが増えている証拠ともいえるだろう。ともかく、すでに終了した9月29日の大阪公演に続いて二晩目のソールドアウトショーとなった。



19時過ぎ、700人のオーディエンスによるハンドクラップと歓声がバンドメンバーを迎え、ライブはインスト「GOD SAVE THE ROCK AND ROLL」から始まった。各メンバーがソロを盛り込みながらオーディエンスを熱狂させるなか、ステージに登場したASH DA HERO。激しいアクションでさらに煽り、そして勢いよく叫んだ。

「ロックンロール・ショーへ、ようこそ!」──ASH DA HERO

ここから続いたのが「からっぽの街」だった。からっぽの街へASH DA HEROという男が現われ、夢も居場所もなくした人に向け、自分が作ってあげる、という歌。優しくも宣戦布告とも受け取れる、まさに序盤にふさわしいナンバーだ。

そして「全員で来いよ!」と大歓迎の一声を上げながら、曲は「BRAND NEW WORLD」へ突入。激しいロックンロールに力強いロックボーカル、抜群の扇動力で一体感も作り出すASH。「本日発売のニューシングルをナマでブチ込みたいと思います」と言って突入した新曲のひとつ「Starting Now」では、ASHのストロングで伸びやかな歌がオーディエンスの鼓動をさらに早めていく。闘争本能をむき出しにしたかのような攻めのライブは、ロックンロールの最高の極みともいえた。



ところが、である。その流れは「WAKE UP ROCK AND ROLL BAND」の直後に途切れた。というのは、ソールドアウトのためギュウギュウ状態で、まだ会場内に入りきれないオーディエンスが何人もいたからだった。急遽、スタッフのお願いでMCがはさまれ、そのときに初めてソールドアウトであることも知らされたASH。全員が会場内に入ったことを確認したところで、フロアを改めて見てこう言う。

「みんなのおかげだよ。やっぱ嬉しいよね。今回の東名阪ツアー。大阪、東京がソールドで、あと1本だよ。やっちゃおうよ。やれんじゃないの、俺たちなら」──ASH DA HERO

笑顔で喜ぶASHと、その表情を見て歓喜するオーディエンス。熱いライブだが、その熱さのなかにとてつもないお互いの愛情さえ感じられた。そしてまた予定にないMCだったから、本音もこぼれる。

「“みんな”とか“アーティスト”とか、今日はそんなもの取っ払って、一人ひとりと真っ向勝負で歌っていきたいと思います」──ASH DA HERO



こうしてライブは優しきバラード「Rain」から再開。これまでの曲に加えて、新曲の「未完成ストーリー」や「Gatekeeper」も挟み込んでいく。そこで気づくのは今までとの違い。自分のエネルギーを叩きつけるように歌うASHだが、その視線の先には常にフロアの誰かがいた。フロアを埋め尽くした大勢に向けるのではなく、一人を見て、そして歌う。ロックンロールで本気で勇気づけ、真剣にそいつを応援し、曲を歌いながらそいつの表情まで確認していく。曲を聴かせるとか、届けるとか、そんなレベルではない。曲に込めたメッセージに責任を持ち、説得力を持って、相手の気持ちの隅々にまで響かせていく。一瞬で何かがハジける経験を持っている方も多いだろう。そんな覚醒の瞬間をASHはしっかり見届けて、今度はその隣のヤツに自分の歌を向ける。まさに、一人ひとりとの真っ向勝負である。

「みんなの顔がクッキリ浮かび上がってくるわけさ。今日、家を出てくる前に鏡を見てメイクとかしてきたでしょ? 男の子もギャツビーとかしてきたでしょ? バッチリ決めて、イケてるとか思って来てるわけでしょ? 今のほうがイケてるからね」──ASH DA HERO


ライブ後半に差し掛かったとき、再び本音を語るASH。ソールドアウトしたことにも改めて触れて、「奇跡って、信じ続けて諦めないヤツのところに落っこちてくるもんだなって思う。君と作ったんだよ、奇跡を」という。言い方が“みんな”ではなく、“君”である。700人のそれぞれの君も、ステージ上のASHも、本当にいい表情だ。

ここからのライブは、おなじみのタオル回しも起こった「シャニカマ」を始め、とんでもない盛り上がり方。男も女も、ヒーローに会うためにライブに来たという小さい少年もひとつになって、サークルモッシュも楽しむ。こうして全員で作っていったライブの後半、「ALIVE」に入ったときだ。ASHの歌声に、自然に起こった700人のコーラスが重なっていく。それはこの瞬間、この夜にしか生まれない奇跡のハーモニー。歌い続けようとしたが、感極まって「ヤバい……ありがとう」と感謝するASH。嬉しさのあまり、やや目を潤ませている。そして最後に一人ひとりと約束するように、こう言った。

「ラスト名古屋1本残っているんですけど、名古屋もしっかりソールドさせて、年末、その向こうの2020年に一緒に行きたいと思います。今日は本当にどうもありがとう! 名古屋に行ってきます!!」──ASH DA HERO


ステージのセンターで自身のフラッグを掲げるASHの姿は、勇ましく、またひとつシンガーとしてでっかくなったように見えた。

その名古屋公演は11月23日(土)に名古屋ElectricLadyLandで行なわれる。また今回のツアーでは、各会場ごとに異なる限定シングルCDも発売。すでに終了した大阪公演では「未完成ストーリー」、東京公演では「Starting Now」を販売。名古屋公演では「Gatekeeper」が販売される。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎進藤 景太


■<ASH DA HERO LIVE TOUR 2019「GOD SAVE THE ROCK AND ROLL II>


09月29日(日) 大阪・OSAKA MUSE
open16:30 / start17:00
▼シングル「未完成ストーリー」+ オリジナルGOODS
XQCR-1108 ¥3,000
※OSAKA MUSEライヴ会場にて発売開始

10月18日(金) 東京・Veats Shibuya
open18:30 / start19:00
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
▼シングル「Starting Now」+ オリジナルGOODS
XQCR-1109 ¥3,000
※Veats Shibuyaライヴ会場にて発売開始

11月23日(土) 名古屋 ElectricLadyLand
open16:30 / start17:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
▼シングル「Gatekeeper」+ オリジナルGOODS
XQCR-1110 ¥3,000
※名古屋ElectricLadyLandライヴ会場にて発売開始

▼チケット
前売り ¥4,000(税込) / 当日 ¥4,500(税込)
※スタンディング / 入場時ドリンク代別途必要

3ヶ月連続シングルCDリリース情報

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