【インタビュー】OCEANS「やっぱり歌が一番大事」、こだわりのメロディで満ちた1stアルバム

ポスト

■みんなにも歌を大事にしてもらいたい

──ショウさんが思う、安藤さんが作る曲の魅力というと?

ショウ:かぶっちゃうけど、僕もメロディですかね。スタジオで初めて聴かせてもらった日の帰りに口ずさんじゃうことがよくあるので。

──『シナリオストーリー』の中ではいかがですか?

ショウ:俺は「光絵」が好きです。この曲も俺が入る前からあったんですけど、サポートすることになったときに何曲か聴かせてもらったときから一番好きだったので。

安藤:この曲は20歳ぐらいに作ったと思うんですけど、何かの歌に感化されたんですよ。これ、めっちゃ希望の歌だなと思って、俺ももっと希望を歌おうと思って作ったんです。何を聴いたのかは忘れちゃいましたね(笑)。すぐ忘れちゃうし、ムーブメントもすぐ変わるんで。

──今作の中で比較的新しい曲というとどれなんですか?

安藤:「シーズンズ」かな?

ごろう:「wanna be」か「シーズンズ」だね。

安藤:「シーズンズ」は、結構すぐに作れちゃったんですよ。大学3年のときだったかな。めっちゃ自分に酔ってた時期に作った曲です(笑)。その当時は自分が作る曲は全部いいと思っていました。いまは周りの人のほうがよくて、それを超えたいっていう気持ちが強いんですけどね。そういうエゴイズムみたいなものがあったからこそ、すぐにいいメロディが出てきたのかなって思います。



──この曲はハモリが気持ちいいなと思いました。後半の<Slow>のところとか。

安藤:コーラスはいつも凝りますね。僕がうるさいので(笑)。最初の頃より2人がどんどん上達してきてるんですよ。

ごろう:そもそも僕はベースしか弾かないつもりだったんです(笑)。歌ってもシンガロングぐらいかなと思ってたんですけど、OCEANSに入ったらめちゃめちゃ歌があって。

安藤:結構難しいコーラスもあるんですけど丸投げしちゃうんで。

ごろう:でも、歌ってると歌うのが好きになってくるんですよね。いまはハモりがある曲のほうが楽しいです。

▲ごろう(B&Cho)

安藤:よかった。それで苦痛だったら申し訳ないけど。まあそれでもやらせますけどね。鬼。

ショウ:俺は歌があんまり得意じゃなくて、OCEANSに入ってから意識するようになりました。小中学校の友達からしたら“歌ってる……!”ってびっくりすると思う。音楽の授業で合唱とかあるじゃないですか。俺、全然歌ってなくて、先生にめっちゃ怒られたんですよ。“せめて口パクでもいいから歌ってくれ”って(笑)。

安藤:はははははは! 歌になんかされたんか!?(笑)

ごろう:せめて歌ってる振りぐらいすればいいのに、それすらも(笑)。

ショウ:でも、最近は人前で歌う機会も増えて自信もついてきたし、もっとうまくなりたいなって。

安藤:2人がもっと上手くなったら、ひとりずつ一言歌うパートとかも作りたいなと思っています。

──そういう意味でも、本当に歌がど真ん中にあるんでしょうね。

安藤:そうですね。悲しく受け止められちゃうかもしれないけど、結局みんな歌しか聴かないじゃないですか。

──まあ、そこをポジティブに取るのかどうかという。

安藤:そうそう、そうです。もちろんこっちは細部までこだわるけど、やっぱり歌が一番大事だし、だからこそコーラスにうるさいんですよ、僕は。“いや、僕らはギターロックなんで”みたいな感じだったら大事にしてなかったかもしれないし、何を歌っているのかわからない音源になっていたかもしれないですけど、僕らはみんなにも歌を大事にしてもらいたいんです。可愛がってもらえればいいなと思いますね。

▲ OCEANS/『シナリオストーリー』

──12月からはレコ発ツアーがスタートしますが、ここからどんな活動をしていきたいですか?

安藤:やっぱりライブが主軸じゃないですかね。そこは先輩からの影響を受けて渋々とかでは全然なくて、ライブがかっこよくないバンドは嫌なんで。バンドと言ったらライブ、ライブといったらバンドっていう感じでやっていきたい。

ごろう:そうだね。いま月12本ぐらいライブしてるんですけど、バイトもしてるから、結構タイトな生活を送っていて。これでライブだけならめちゃめちゃ幸せなんですけどね。

安藤:ほんとだよな?

ごろう:でも、ライブはずっと自信があるので。別にこれは悪口じゃないけど、この人たちが食えているなら俺らだっていける!っていう感じでずっとやってます。これからもライブ中心でやっていきたいですね。

ショウ:俺も一緒です。スタジオも楽しいけど、やっぱライブがないと。私生活の溜まっていたものがバー!って全部解き放たれるので。

──“こういうバンドになれたら”みたいな理想像みたいなものはあります?

安藤:理想像か……。なんていうか、自分は音楽しかできないなって思う瞬間が生活の中でたくさんあって。でも、2人にも“これしかない”って思うことがきっとあると思うんですよ。だからこそベースを選んだし、ドラムを選んだし。その3人がやっている“これしかない”は、めちゃくちゃ強い力になると思うので、それを活かしていければいいんじゃないかなと思いますね。その“これしかない”が、誰かの希望になったらいいなと思うし、“聴いて救われた”って嘘でも言ってくれたら全然嬉しいし。

──嘘でも?

安藤:全然嬉しいですよ。それって僕らだけの歌じゃなくなってるわけですから。それだけで、バンドができていることってすごく尊いなって思います。

取材・文◎山口哲生

1st Album『シナリオストーリー』

2019年11月13日(水)発売
¥2,200(Tax in) / TNAD-0121
1.Boys
2.太陽ロック
3.SUPER2
4.TONY
5.空白
6. BLUE
7.光絵
8.メッセージ
9.wanna be
10.シーズンズ

この記事をポスト

この記事の関連情報