【インタビュー】INORAN+真矢 [LUNA SEA]、「僕らはこれからも進んでいくけど、今、見てほしい」

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■『CROSS』は10枚目のアルバムでしょ
■“10”を漢字表記すると“十”だったり──真矢

──アルバムのタイトルを『CROSS』と命名したのは真矢くんですよね?

真矢:『CROSS』っていう言葉から“十字架”をイメージする人もいるかもしれないけど、俺は交じわるっていう意味でつけたの。30年、いろんな人たちが関わって、支えてくれた人は数え切れない。袖触れ合うも他生の縁じゃないけど、いろんな人たちのサポートがあって今のLUNA SEAがあるという想いですね。10枚の中、たまたま1枚のアルバムを手に取った人もLUNA SEAを支えてくれていることに間違いない事実だから。SUGIぽん曰く“CROSS”って“×”という意味もあるんだって。つまり、怒っている、みたいなニュアンス。いろいろな意味に解釈できるのもいいなって。

──自分は“サザンクロス”だったり、何か星に関係するタイトルなのかと思いました。

INORAN:それも加えましょう(笑)。

真矢:そう捉えてもらうのもいいですね。これは10枚目のアルバムでしょ。“10”を漢字表記すと“十”だったり。

──なるほど。1曲目の「LUCA」からLUNA SEAとスティーヴ・リリーホワイトのコラボレーションに高揚させられます。ライヴのオープニングにぴったりなエネルギーを放つ曲ですが、“This Is LUNA SEA”みたいなイメージで作った曲なんでしょうか?

INORAN:「LUCA」は去年の10月にスティーヴに会いに行って帰ってきてからすぐに作った曲なんです。「一緒にやろう!」って決まったからには早く音で会話がしたいと思って。その後、完成に向かう過程の中でいろいろなアイディアが浮かんできて、ストリングスも15人ぐらい参加してもらったんですよ。それをダブルかトリプルで録ることにしたり、途中から入るドラムラインは鼓笛隊の高校生が20人ぐらい参加してくれてるんですけど。

真矢:あのマーチングのリズム、カッコいいよね。

INORAN:うん。大会でチャンピオンになった先生が指揮してくれて。最初はみんな緊張してたんだけど「LUNA SEAとバトルしてるつもりで叩いて」って言ったら、すごくいい演奏が録れて。総勢40人とか50人参加しているんですけど、やっぱり人の“気”が入った曲は素晴らしいんですよね。ライヴの空間もそうで、モンスターじゃないけど例えようのないものに変わっていく気がする。

真矢:この曲ってオープニングを聴いたら、思い浮かぶのは日本じゃなくて海外の風景だよね。

INORAN:そうだね。

──曲調もヴァリエーションに富んでいて、翳りがあって内省的な「anagram」のような曲があったり、「静寂」のようなプログレッシブロック精神が堪能できる曲があったり、料理に例えたらLUNA SEAフルコースですよ。

INORAN&真矢:ありがとうございます。

──これは勝手な憶測なんですが、「LUCA」というタイトルが“太陽”を意味するとしたら「静寂」から「so tender…」で“月”へと移行して終わるじゃないですか。『機動戦士ガンダム』のタイアップ曲が挟まれていることも考え合わせると、アルバム全体の宇宙感に感動してしまったんです。

INORAN:ブラボー!ブラボー!(拍手)

真矢:わははは。

──いや、いちリスナーの憶測なんですけど。

INORAN:最高です! そうしましょう(笑)。

真矢:LUNA SEAは宇宙だぜ(笑)。

──ははは。もう少しアルバムでの2人のやりとりについて聞かせてください。「so tender…」は民族音楽のテイストがあるイントロからINORANくんの曲かな?と思ったんですが。

INORAN:そうなんですか(笑)?

真矢:「so tender…」はスティーヴから「前半はドラムちっちゃく叩いてみて」って言われた曲なの。「OK」って叩いたんだけど、普通はそうやって叩くとドラムは奥の方で鳴るんですよ。だけど、すごく近くで囁いてる音に聞こえてきて、「ドラムでもボーカルみたいに囁けるんだな」と思った。

──また可能性が広がりましたね。

真矢:広がりましたね。2500年ぐらいドラムをやってますけど(笑)。

INORAN:マヤ暦から叩いてる(笑)。

真矢:わははは。だから“もっと楽しまなきゃ”って思ったし、“こんなのできねーよ”とか小僧の分際で言ってる暇ないなと思った。

──INORANくんから真矢くんにリクエストしたことはあります?

INORAN:「好きに叩いて」って。

真矢:INORANはめっちゃ任せてくれるからね。

──そこはメンバーによって違うんですか?

真矢:ドラムについてはだいたい任せてくれるけどね。

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