【レポート】“全員”必見! 5G越しに見える無限の未来。

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1月24日(金)、2020年3月に予定されている「第5世代移動通信システム(5G)」開始に先駆け、「渋谷 5G エンターテイメントプロジェクト」が発足した。それに伴い、GG Shibuya Mobile esports cafe&bar (渋谷 PARCO 6F) にて記者会見が行われ、ハチ公前にはau 5G 可搬型基地局が設置された。周辺の特設ブースでは、1964年の渋谷にタイムトリップできる「au 5G体験イべント 〜渋谷 1964 to 2020〜」が行われた。 本稿ではその模様をレポートする。また、この日の夜は東急プラザ渋谷の「CÉ LA VI TOKYO」でアフターパーティも開催され、KEN ISHIIやLicaxxx、UKからDarren Emersonが登場した。なお、翌日の「uP!!!NEXT 須田景凪〜晩翠〜 powered by au 5G」も本プロジェクトと連動したものである。

先日“インターネット税”なるものがニュースになっていたが、その内容は「5G導入のために費用を国民が負担する」という話であった。もちろん、このニュースはデマであった(総務省が否定済み)が、SNS上の反応が興味深かった。「4Gの速度感で十分だし、新たに税金払うくらいなら不要」。全部が全部この手の反応ではなかったが、最大公約数的な見方をすると、この言説がネット上の総意であったように思う。が、5Gで変化するのは通信速度だけではない。オリエンタルラジオの中田敦彦による5G解説動画は約420万再生数(前編のみで)を誇るが、まだまだ広く知られているわけではなかった。


5Gが実装されたとして、その影響を受けない人間はほとんどいないだろう。具体的に言えば、多くのデバイスの同時接続、「超」低遅延化が主だった機能だ。ジャンルや領域を問わず、カルチャーシーンも大きく変わるはずである。今回の記者会見の模様と「au 5G体験イべント 〜渋谷 1964 to 2020〜」の内容をもとに、その輝かしい未来について思いをはせる。

▲一般社団法人渋谷未来デザイン フューチャ ーデザイナー 若槻 千夏

▲左が渋谷区区長 長谷部 健、右がKDDI 株式会社 取締役執行役員常務 森田 圭

本プロジェクトの中心となったのは、KDDI株式会社、一般財団法人渋谷区観光協会、一般社団法人渋谷未来デザインの三者である。つまり行政と民間企業がガッツリ手を組んでいるのだ。ベルリンのナイトクラブ事情(※)を考えても、今日ではカルチャーと行政は切っても切れない関係にあることが分かる(※ベルリン屈指のナイトクラブ「ベルクハイン」がドイツの政府によって文化施設に認定)。

突然だが、ここで日本のポップミュージックの現状を少し整理してみる。“ガラパゴス”と長いこと揶揄されてきた日本の音楽シーンだが、現在はどうだろうか。依然として受け手に特殊な素養を必要とするコンテンツはあるが、ここ数年の間にずいぶん変化したように感じられる。Netflixによって世界展開されたTVアニメ「キャロル&チューズデイ」は、日本の気鋭アーティストが大挙して参加していたし、海外からはThundercatやLidoらも名を連ねた。さらには、サンフランシスコを拠点とする日本アニメ専門のプラットフォーマー「Crunchyroll」らの尽力により、先述の「特殊な素養を要する」日本のドメスティックなコンテンツに理解のある海外の受け手も増えてきた。"ガラパゴスであること”が、いよいよ強みになりつつもある。



トドメのように嵐もYouTubeチャンネルを解禁し、最新シングル「Turning Up」のリミキサーにはオランダの有名プロデューサー・DJのR3HABを迎えた。今や日本のポップカルチャーは、完全に“外”を向いている。


さて、話を戻そう。今回記者会見の舞台になったのは、昨年11月に渋谷の宇田川町にオープンしたばかりのPARCO 6Fにある「GG Shibuya Mobile esports cafe&bar」である。この建物も、明らかにインバウンドも視野に入れた商業施設なのだ。しかも、記者会見の会場に選ばれたカフェ&バーは、日本初のeスポーツ大型パブリックビューイングスペースである。会見の時点では具体的に発表できるプランが少なかったようで、関係者から明言されることはなかったが、本プロジェクトの選択と周辺カルチャーの状況を整理すると見えてくるものがありはしないか。ここでテクノロジー(5G)と行政が手を組み、様々なアーティストやクリエイターが参画できる仕組みが作れれば、その未来を想像するだけでワクワクしてこないだろうか。

■様々な“未来”が見えた
■「au 5G体験イべント 〜渋谷 1964 to 2020〜」


記者会見後、すぐに駅前の特設ブースへと向かった。先述の通り、ここではau 5G搭載端末を使用することによって1964年の渋谷にタイムトリップできる。AR アプリ「STYLY AR」を使うことで、現代によみがえった“ノスタルジックな渋谷の光景”を参加者は体験したのだ。


過去に戻る体験を通して、我々は未来へ行った。本コンテンツを制作したのは、1964 TOKYO VRとライゾマティクスである。ライゾマティクス……Perfumeのライブパフォーマンスを筆頭に、最新テクノロジーとエンターテイメントの融合を図ってきた時代の寵児だ。当日我々が体験したのはプロトタイプの作品であるが、無限の未来を想像するには十分すぎるものであった。

アプリを起動させ、端末のカメラをかざすと1964年の渋谷が姿を現す。近年ではPokemon Goが分かりやすいARの例として挙がるが、5Gの「超低遅延・大容量」によってその効力を最大化させる。「Google Glassなんかも、この技術で一般化するんかね……?」なんて思っていた矢先、この動画が公開された。ちなみに本作を手掛けているのは、ライゾマティクスの真鍋大度である。


まさしく「5G」以降の世界観なのではなかろうか。このタイミングで、このMV。やはり先駆者はクールだ。

冒頭に書いた通り、5Gの実装は3月の末からである。つまり、これから後続が次々と出てくるわけだ。まだ始まってすらいない。それなのに、このワクワク感。子供のころ想像していたアレコレを実践できる日も遠くはない。

冒頭でも少し触れた「uP!!!NEXT 須田景凪〜晩翠〜 powered by au 5G」についても、またの機会にお伝えする。

取材・文:川崎友暉

◆渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトオフィシャルサイト
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