【インタビュー】THE SLUT BANKS、最新作『Rock'n'Roll to the MAX』は「免疫力の上がるアルバム」

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■ゲスト・ギタリストの衝撃は
■ジョニー・サンダース以来だった

──べつにオマージュ探しをするつもりじゃないんですけど(笑)、あちこちに垣間見られるさまざまなルーツというか遊びの要素も楽しいです。「悪くないぜ」に漂うアーシーな空気感にも興味深いものがありますし、ゲスト・ギタリストの存在も新鮮で。

DUCK-LEE:ああ、ジョニー (・ダイアモンド/首振りDolls) ね。

ACE DRIVER:ジョニー、すごかったね。

──彼が参加している曲は、アレンジ自体が5人編成バンドのそれになってますよね。

ACE DRIVER:それは多分意識してたよね?

DUCK-LEE:う……うん。ホントはべつに入れるつもりなかったんだけど、本人が「こんなのやってきました」って言ってきたから「じゃあどうぞ」って(笑)。でも今回、ホントにあいつで良かったなと思ったのは「剃刀」って曲でね。あの曲ではギター・ソロの場面からあいつが出てくるんだけど、もう見事にぶち壊してくれてるから(笑)。なんかもう“コレだよ!”と思った。あの曲のギター・ソロが来るところからのGODのキチガイみたいなドラムと、ぶりぶり動いてるベースと、ジョニーの狂ったギターが、もう最高にカッコいいんだよね。

──雑で、狂ってて、カッコいい、と。

DUCK-LEE:うん(笑)。結構満足してるよ、そこには。ゲスト・ギタリストの衝撃はジョニー・サンダース以来だった。サンダース以来のダイアモンドというか、やっぱジョニーってのは最高だね(笑)。

TUSK:おっ、評価高いな(笑)。

ACE DRIVER:ジョニー・サンダースっていうのはさ……(と、かつてZIGGYの作品にサンダースがゲスト参加したことがある事実などを説明)。

GOD:こうやって、ことあるごとに解説を入れてもらえるんです(笑)。

ACE DRIVER:レコーディングでジョンー・サンダースが弾く時、憲夫が横について、コード・チェンジのところでは肩を叩いて合図、みたいな感じだったんでしょ?(笑)

DUCK-LEE:そうそう、サンダースの時はね。ダイアモンドにはそれは不要だったけど(笑)。ただ、あのぶっ壊れたニュアンスは一緒だったね。

▲ACE DRIVER

──同じく首振りDollsからは、ナオさんもバッキング・ヴォーカルで参加していますね。

TUSK:もう毎回、彼のコーラス参加はお約束で。

DUCK-LEE:なんかもう、あいつもやる気満々で。全部やってくれたね。

TUSK:もう、いつもありがとうございます、という感じ。全面的におまかせなんで。俺としてはもっと参加レベルを上げたいというか“せっかくナオちゃんがやってくれるんだったら、このパートは彼に歌ってもらおうかな”ぐらいのところがあるんだけど、そこんとこは戸城さんにジャッジしてもらおうと思ってて。

──声の相性もいいし、ことに「銃社会」での掛け合いなんかはまさしくぶっ壊れてますよね。

TUSK:うん、うん。

DUCK-LEE:この曲、元々はタイトルが違ってたんだよ、ホントは。

TUSK:「日本も早く銃社会になればいいのに」だった。

DUCK-LEE:それはさすがに駄目ですって言われた(笑)。

──実際に銃社会になることを求めているわけじゃないことは歌詞の内容からもわかります。要するに、世の中には何か強烈なものの力で一掃したくなるくらい、イラつくことがたくさんあるというか。

TUSK:そういうこと。まあこの歌詞自体については、その発端となるちょっとした出来事があったんだけどね。銃社会にも問題はあるけど、もしもそうだったら起こらないで済むこと、というのもあるはずだから。痴漢とか、ナントカ詐欺もなくなるかもしれない。要するに、もっと緊張感を持った日常が欲しいな、と思ったわけ。

──日常から余計なものを排除するような……。そういう意味では前作に収録の「BRUSH MAN」にも重なるところがありますね。あの曲では世の中の掃き掃除をする人のことが歌われていたわけですけど。

TUSK:確かにそこと重なるかもしれないな。この曲を歌うにあたっては……俺、アナーキーの「心の銃」って歌が大好きで、あの曲で歌われてるように“銃は心に持てばいいんだ”っていう気持ちがあったんだけど、“そんな俺が、こうして具体的に銃のことを歌うのは果たしてどうなんだ?”みたいな自問自答もちょっとあった。そこで俺が言いたかったのは、2020年の今は心の銃だけじゃもう足りないところまで来てるかも、ということで。

ACE DRIVER:なんか(映画の)『タクシー・ドライヴァー』みたいだな。

TUSK:うはははは! (ロバート・)デ・ニーロ的な? そういう部分もあるかな。

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