【インタビュー】10-FEET、NAOKIが語るコロナ禍とライブと葛藤「音楽とは常に一緒にいました」

■お客さんとも話をしたいですね
■「やっとやな、長かったわ」とか

──ちなみにどんなベースを？

NAOKI：ワーウィックです。ワーウィックなんですけど、パッシヴなんですよ。基本、ワーウィックってアクティヴがほとんどじゃないですか。楽器屋で見つけたんですけど、弾いたら音がめちゃめちゃ良かったんですね。ただ、むちゃくちゃ重い。“これでライブはできへんな”と思いながらも、楽器屋で1時間ぐらい鳴らしていたんかな。最終的にその場で購入したんです。

──新品ですか？

NAOKI：いや、新品でパッシヴのワーウィックはなかなかないんですよね。もちろん無改造で、店員さんから「かなり掘り出しもんです」とか話を聞きながら、「明日になって売れてたらかなわんから、今、買います」って。

▲＜京都大作戦2019 -倍返しです！喰らいな祭-＞＠京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

──ライブでは使わないにしても、今後のレコーディングでは充分に使えるでしょ。

NAOKI：めちゃくちゃ使えると思います。最近、スペクターとかワーウィックとか、あのボディの形で、ああいう鳴りのベースが好きなんですよ。

──あのへんのベースは、音の速度が速いですよね。

NAOKI：だから弾いていて気持ちいい。ライブ後半で使っているギブソン・サンダーバードも、無骨な感じが好きなんですよ。だから、ちょっとずつ音の好みが変わってきてますね。初期の、たとえば映像でいえば『I』の頃は、ミュージックマンのスティングレイが好みにドンピシャだったんで。そこから考えると、男臭いほうが好きになってきましたね。

──さすが、いいちこを愛飲する男。

NAOKI：これですよね(と1.8リットルのいいちこを取り出す)。手元にあります。今は飲んでないですよ（笑）。


──下町のナポレオン！ 男の渋みを分かってる男だわ。そのワーウィックを使ったら、曲の感じもちょっと変わりそうですね。

NAOKI：そうですね。レコーディングするとなったら、そのワーウィックで録ろうと思っているんで。

──曲と気持ち良く格闘していると、ステージがイメージの中で広がると思うんです。次にステージに立ったとき、どんなライブを繰り広げようと考えています？

NAOKI：僕らがSHIBUYA-AXで初めてワンマンやったのが2003年だったんです。あのとき頭が真っ白になって、翌日もライブ中のことが思い出せない。それぐらい興奮していたんやと思うんです。それに近い状態になるんじゃないかなって。たとえば、演奏のクオリティやプレイが良くなかったら、誰とも話をしたくないぐらい落ち込むんですけど。たとえそうだったとしても、テンションが上がって興奮状態になっていると思いますね。クオリティがどうかというよりも、うまくいってる感覚になるんでしょうね、自分が。お客さんの表情もすごく気になる。解禁一発目なんか、どういう顔で観るのやろうって。

▲＜京都大作戦2019 -倍返しです！喰らいな祭-＞＠京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

──今年の＜京都大作戦＞も中止になってしまったし、どんだけ待ったらいいんだろう、とみんなも思ってます。

NAOKI：今年の＜京都大作戦＞は、舞妓さんがベースを持っているデザインで、“久々のベースバージョンやわ”って僕も喜んでたんですけどね。

──今後、ステージに立ったら、みんなにどんな言葉を伝えようと思っていますか？

NAOKI：ライブが行なわれただけですごい空気感になるだろうし、当然、僕らも興奮状態だと思うんで。演者とかお客さんとかの関係ではなく、「お互い一緒やん、みんな同じ感覚やん」って。地元の友達と騒いでいる感覚で、お客さんとも話をしたいですね。「やっとやな、長かったわ」とか。

──このインタビューでも、10-FEETを愛するみんなにメッセージをいただきたいです。

NAOKI：今、ちょっとずつ前に進んでいると思うんですよ。ガイドラインに沿って対策を練りながらライブを実施した人もいますし、配信という形でライブやっている方もいたり。少しずつ動いているんで、もうじきやと思うんです。最初から100でやるのは無理だと思うけど、少しずつ戻っていくと信じているんで、そのときにみんなと一緒に気持ちを大爆発させたいですね。思いっきりいけるように、今のうちから貯め込んで、そのときが来たら全部を解放させましょう。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎HayachiN／みやざきまゆみ











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