【インタビュー】前田紘利TJ、5つの愛であふれた『#LOVE』

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2017年からソロ活動を始め、その半年後にメジャーデビューし、国内外で精力的な活動を行っている前田紘利TJ。彼が2020年春に事務所から独立して自主レーベル「TJ ENTERTAINMENT」を設立し、初のセルフプロデュース作品となる『#LOVE』をリリースする。クラウドファンディングが成功したことで制作することができた5曲入りミニアルバム。そこには自分をさらけ出した5つの愛をテーマにした楽曲と、コロナ禍の2020年だからこそ感じられる想いが込められている。いま彼が考えるエンターテインメントとはどういうものなのだろうか。じっくりと探っていった。

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■大切な1枚になりました

──今年設立なさった“TJ ENTERTAINMENT”は自主レーベルだけではなく、TJさんご本人でダンス&ボーカルレッスンも請け負ってらっしゃるんですね。

前田紘利TJ(以下TJ):そうなんです。以前から単発でワークショップを開催していて、“またぜひやってください”と求めていただくことが多くて。

──もともと人になにかを教えるのはお好きなんですか?

TJ:いやあ、根は人見知りだし、先生と言われることも恐縮だったし、まだまだ自分が教えてもらいたいくらいだなと思ってました。だけどだんだん教える楽しさもわかってきたし、教えていくなかで得られる学びもあって。“自分も出来る限りステージに立ち続けたいけれど、それとは違うかたちでTJというものが反映されていくのも面白いな”と、次の世代の子たちをプロデュースすることを考えるようになりました。ちっちゃいお子さんから高校生の方まで、幅広く来ていただいてますね。安全に配慮しながら、じょじょに進めている最中です。

──TJさんはこの状況下でありながら、精力的な活動をなさっています。まず今作『#LOVE』を制作するためのクラウドファンディングは大成功で。

TJ:ありがとうございます。ファンの方々と距離を取っていい面だけを見せるというやり方もいいと思うんですけど、そこから一歩踏み込んで、もっとファンの方々に喜んでもらえることがしたかったんです。とはいえ希望額に達しなければ、今回CDリリースすることはできなかった。



──“目標金額に達成しなかった場合は、そのプロジェクトを実行できない”というAll-or-Nothing方式を選択なさったんですよね。クラウドファンディングはファンの方々の期待が数字になって表れるプロジェクトなので、“希望額に満たない場合は出すべきではない”と自分を追い込むような意味合いもあったのでしょうか。

TJ:僕らの仕事は、求めてくれる人がいなくなったらゼロになってしまうということでもあるから……All-or-Nothingで自分の覚悟を見せたかったし、なにより応援してくださる方々みなさんに喜んでもらいたかったんですよね。いろんなリターンを用意しました。

──プレミアムな体験ができるリターンが受け取れるのも、クラウドファンディング支援者のメリットですしね。「YELL」の歌詞に“All or nothing”というワードが入っているところにも、その背景が見えます。

TJ:クラウドファンディングにだいぶ影響されていますね(笑)。自分の性格がゼロか100かで、やるときはものすごいやるけど、やらないとき完全にスイッチが切れちゃうタイプなんです。そういう意味でもAll or nothingというワードはいいなって。でもクラウドファンディングに関しては、このご時世ですし成功できなくても仕方がないという気持ちも半分くらいあったんです。だから予定額を大幅に超えたことに本当にびっくりして。みなさんのおかげでCDとして出すことができた、大切な1枚になりました。


──まさに“LOVE”ありきのプロジェクトだと思います。やはりTJさんにとってフィジカルリリースをすることは重要だったのでしょうか。

TJ:配信で音楽を聴ける時代ではあるけれど、やっぱりCD世代ですし、中学生の時にお小遣いで欲しいCDをゲットできてうれしかった感覚が残ってるんですよね。そういうことも影響して“CDを作りたい”という気持ちが純粋にあるので、“作品を手に取りたい”と思ってくれる人がいてくれたらいいなって。

──初の全編セルフプロデュース作品を、CDとして残せるのは、アーティスト冥利に尽きるだろうなと思います。

TJ:そうですね。これまで歌詞を書くことはあったんですけど、全編セルフプロデュースで作品作りをしてみて、これまで作品を支えてくださっていた事務所のサポートや作家さんの凄さを実感しました。今回テーマに“LOVE”を掲げたのは、愛にもいろんなパターンがあるなと思ったからというのと、自分の1年がいろんな愛に支えられているなと思ったからなんですよね。それをテーマにセルフプロデュースで制作するなかで、自分も成長できた感覚があります。ラブソングでももっと本音をさらけ出してみたり、こういう状況だからこそ地球愛も歌いたかった。

──「WE ARE ONE」はまさにコロナ禍での地球愛を綴った楽曲です。同曲が配信リリースされたのが5月30日なので、曲作りからリリースまでかなり短期間だったのだろうなと。

TJ:エンジニアさんやトラックメイカーさんに協力してもらったり、スタッフさんに迷惑を掛けながら(笑)、なんとかリリースにこぎつけました。曲作りはまず“ダンサブルな曲にしたい”や“バラードにしたい”という大枠を考えたうえで、PCで簡単なオケを作るところから始めるので、歌詞のテーマを決めるのはそのあとなんですよね。そのオケに対して歌いたいことをまず全部文章に起こして、それを歌詞としてはめこんでいくというか。

──「WE ARE ONE」はマイケル・ジャクソンの影響も色濃く、マイケル愛も感じられる楽曲になっています。

TJ:父がダンサーで、母がバンドのボーカルをしていたのもあって、物心つく前から音楽が身近で、マイケル・ジャクソンのMVがずっと流れてたような家だったんです。そこから自然と好きになっていって、テレビの前で踊り出すようになっていったというか。だからこの曲はMVもMJを意識しまくって(笑)。本人と間違えてほしいくらい!(笑) リスペクトを込めてやりきりました。

──MVは機材セットから撮影、プロデュースまですべておひとりで行ったとのことで、それにも驚きました。



TJ:独立して、世の中もこういう状況になったからこそ、自力で発信してパワーを届けたかったんですよね。お恥ずかしいことによく見ると粗もあるんですけど、“クオリティ低いなあ”みたいにディスられてもいいかなと思ったし、ディスられるのもありがたいというか、それって観てくれるだけじゃなくリアクションまでしてくれるってことじゃないですか。だから思い切って自分でやっちゃいました。撮りきった後はとにかく疲れて、記憶がないです(笑)。撮影クルーのサポートのありがたみをめちゃくちゃ感じましたね……やっぱりちょっとはお手伝いしてもらわないとなと思いました(笑)。

──ははは。セルフでこれだけ行動を起こせるそのバイタリティはどこから湧いてくるのでしょう?

TJ:もともと面倒臭がりなので、誰かに助けてほしい気持ちはつねにあるんです。でも活動していくなかで自分の知らないところでいろんなことが決まっていくことに、もやもやしているところがなかったわけではなくて。だから“一度全部自分でやりきってみたい”、“俺だけでどこまでできるんだろう?”という気持ちが生まれたし、タイミング的にも“ここでやるしかない”というチャンスでもあった。それをモチベーションにしていきましたね。

──TJさんはそういう過酷な状況に自分を追い込む癖があるのかもしれないですね。

TJ:かもしれないですね。そういう状況にならないと動かないから、自分でケツを叩かないと(笑)。夏休みの宿題も最終日に本気出すタイプでした(笑)。

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