【インタビュー】ベリーグッドマン、熱々の『TEPPAN』を新レーベルからお届け

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心機一転、自信満々、熱々鉄板。ベリーグッドマンが新レーベル「TEPPAN MUSIC」を立ち上げ、1年3か月ぶりのフルアルバム『TEPPAN』をリリースする。新型コロナで激動する世の中でもブレない生き方を貫くリリック、美しさに磨きをかけた三声ハーモニー、最新のEDMやR&Bにも目配りしたハイクオリティなサウンドで描く、ベリーグッドマンにしか歌えないポジティブな応援歌は、きっと今こそ必要だ。RoverとMOCAに話を訊こう。

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■作ったものを熱々の状態で

──新しいレーベル「TEPPAN MUSIC」が発足しました。移籍というか、引っ越しというか、何と言えばいいですかね。

Rover:転校ですかね。学び舎が変わったという感じです。僕たちの音楽を伝える勉強をしつつ、発信していくことは変わりないので、学校の中に僕たちが専門的にやっていきたいと思っている音楽の学科を作っていただいた、という感じですかね。

──なるほど。わかりやすいです。

Rover:これから、より自由に、自分たちが作りたい音楽を発信していきたいと思っているので、期待していただきたいです。僕たちもそこにワクワク感を覚えています。

MOCA:作るということはずっとやってきていたんですけど、届けるということを、意識しているようであまりしていなかったというか。「作って届けること」がセットやなとより強く感じるようになったので、作ったものを熱々の状態でファンの方や世の中にどれだけ届けられるか。新レーベルを作らせてもらうことによって、より届けやすくなるかなという期待を込めてます。

──TEPPANなだけに熱々で。キャッチーな名前ですよね。

Rover:名前はいろいろ出し合ったんですけど、一番大事なのはベリーグッドマンの名前なので、「ベリーグッドマンレコード」でもよかったんですけど。いろいろ考えて、シンプルやけど入ってくる、自分たちらしい意味のある名前にしようということになりました。

──名付け親は誰ですか。

MOCA:新しいレーベルのスタッフです。僕らは3個ぐらい出したんですけど、スタッフは9個ぐらい出してきて、「どういう思いか」みたいなことも書かれていたので、「俺らより俺らやな」と。しかも自分たちより年下で、若い子の感性はすごく大事やし、おっさんらで考えるよりはそこに張ってみようかという気持ちがメンバーの中にもあったと思います。

──MOCAさんの実家がお好み焼き店だったりして、もともと鉄板には縁がありますし。

MOCA:そうですね。今まで自分たちはあまり大阪色を出してこなかったというか、ライブのスタイルは大阪のクラブシーンの煽りではあるんですけど、楽曲はあまり大阪弁も入れてこなかったし、アピールするものではないとは思っていたんですけどね。今回、「もっとおまえららしい感じで行っていいぞ」という合図でもあったのかな?と思います。

──大阪、鉄板、粉もん文化ですね。アルバムを聴かせてもらった感想を言うと、第一印象はとてもフレッシュなアルバムだなということで、まずは3人のハーモニーがすごく強調されているのと、スロー / ミドル系の曲が多いので、メロディの良さが際立って、穏やかに聴けるアルバムだなと思います。それは時期的なこともあるのかもしれないですけど。

Rover:確かに、ライブを前提に作っていないアルバムになりました。リリースのあとに大きなツアーが控えていたら、盛り上げる曲も必要だったと思うんですけど、ライブセオリーみたいなものではなく、音楽的な気持ちのほうが強かったと思います。今回は、車の中とか、移動中とか、家で聴いてもらって成立する1枚であってもいいかなって、今思えばその感覚は多少あったかもしれないですね。

MOCA:アルバムの全貌が見えてきた時に、もうちょいアッパーな曲がいるかな?とも思ったんですけど、Roverが言ったように時期的にあまりライブを見据えられなかったのもありますし、年齢的にもちょっと落ち着いたのか、上げ曲が少ないから無理やり上げ曲を入れよう、みたいな感じでもなかったので。できてくる曲をそのまま詰めこもうという感じでしたね。



──自然な年齢感が出ていると思います。「おとん〜yat〜」もそうで、10年前なら照れて歌えなかったかもしれない、今だから歌える曲だなと思いますね。ちなみに今日はいないHiDEX氏は、制作中はどんな感じでした?

Rover:リード曲の「Dreamer」は、ギュッと短い時間の中で作ったので、かなり神経すり減らしたのかなと思うんですけど、でもわりと楽しんでやっていたような気はします。今作にはHiDEX以外のトラックメイカーの楽曲も何曲かあるんですけど、それって楽曲に対して前向きだということなので、いいんじゃないかなと思います。今回のアルバムは、MOCAがリードしてやってくれているところがあったんですけど、けっこうスムーズでした。交通事故なしで。



MOCA:いつもある?

Rover:交通事故というか、いつも誰かが大変な思いするやん? でも今回は、MOCAがリードしてくれてたから、助かった部分は大きいです。僕らはチームとしてやっているので、いろんな人たちからいろんな意見が出てくるんですけど、それに対してすぐに「わかりました」と言えたらおかしいと思うし、でもその柔軟性も必要やし、そこで僕はどっちかというと柔軟性を持った役割の人で、MOCAは行き切ってもらわないと困るタイプの役割の人だと思いましたね。

──「いや、ここはこうなんです」とはっきり意見を言える人も必要。大事な役割です。

Rover:今まで僕はその役割を捨てていたのかもしれない、と思いましたね。今回そこにMOCAが気づかせてくれました。却下になりましたけど。

MOCA:コンペ全然通らへん、みたいな(笑)。

Rover:そこにHiDEXが受け皿としていてくれて、うまいこといったなという感じです。でもリード曲は、難しいところはいっぱいありましたね。「Dreamer」も、「アイカタ」も、「ダイヤモンド」も、サビを何回も変えるとか、苦労しましたね。「アイカタ」と「ダイヤモンド」に関しては、MOCAが出してきた曲で、MOCAが実行委員長なんですけど。

MOCA:原型をとどめていないですね(笑)。

Rover:でもすごくいい流れですよ。あとは「Good Vibes」と「Chill Out」もMOCAのアイディアです。

MOCA:インスタで繋がった大阪の若い子がいて、めっちゃイケてるんですよ。TEPPAN MUSICで始めるタイミングでその子たちも陽の目を浴びてほしいなという思いもあって参加してもらいました。今は何でもあり、「いいものできたらOK」というチームになれているので、そこにいいテイストを入れてくれたなと思います

──それは何という名前の?

MOCA:Wood cherryという二人組です。50曲ぐらい聴かせてもらって、イケてるトラックを2曲もらったという感じです。

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