【インタビュー】竹内唯人、踏み出す新しい一歩「歌を始める前から、『誰かが喜んでくれること』が好きなんです」

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■竹内唯人というアーティストになりきって

──レコーディングのときはどんな景色を脳内にイメージしながら歌ってました?

竹内:A、Bメロは真っ暗な世界でボソボソ歌ってるイメージで、サビに入った瞬間にバンと開ける感じですね。

──サビの幕開け感がいままでになく強いんですよ。この「After the rain」は。

竹内:そうだと思います。サビ、イントロの派手か感じも含めて、いままで聴いてきた人は「変わったな」と思うんじゃないですかね。

──そうして、ラスト。地声とファルセットで違う音程を重ねてオクターブユニゾンになるところがまた、《君の背中をそっと押すのさ》の歌詞とあいまってすごくくるんですよ。

竹内:いいですよね。あそこはレコーディング前日ぐらいにUTAさんから連絡があって。最初はオクターブ下の地声だけだったんですけど、ファルセットもあったほうがいいってことで入れました。こっちのほうがいいですよね。

──竹内さんは普段も好んで、この手のバラードを聴いてるんですか?

竹内:普段はヒップホップを聴いてます。ヒップホップって自由だし、言いたいことを言えるラッパーが俺は羨ましくて。それを聴いて「いいな、こういう歌詞。カッコいいな」って思って聴いてますね。自分はそういう歌詞は歌えないから。俺が不良ぶって嘘のことをラップしてもリアルじゃないので。自分にできないことをやってるアーティスト、ラッパーは素直にカッコいいなと思って聴いてますね。

──普段聴いてるから「MIRAI(feat. $HOR1 WINBOY)」の歌とラップの隙間をいくようなフロウはナチュラルにできちゃう訳ですね。

竹内:高校生の頃にYouTubeでヒップホップのビート流して、友達と公園でラップしたりしてたんですよ。それが役にやってるのかなと思いますけど。


──ヒップホップライクな歌に続いて、ド派手なエレクトロとかバキバキのパーティチューンを歌う竹内唯人が出てきたりする可能性は?

竹内:それはないんじゃないですかね。そういうド派手なものを俺が歌ってファンの人が喜ぶかっていったら、違うと思うし。みんなバラードを歌って欲しいって言うと思うんで。

──歌からは繊細な人物像が伝わってくる竹内さんですけど。

竹内:けして繊細ではないです。

──楽曲を通して見えてくる竹内さんはちょっと暗めな人を想像してたんですが。

竹内:俺、めちゃくちゃ明るいですよ(笑)。でも、それはアーティストとしての竹内唯人のイメージができて、それが伝わってるってことだから、その意見はすごい嬉しいです。

──今後、そのめちゃくちゃ明るい素のまんまのキャラクターで歌える曲をもっと作りたいという気持ちは?

竹内:「DRIVE」や「Wonderland」って曲はいま笑ってるようなテンションで歌える曲なんで、それぐらいでいいかな。カッコつけて自分の明るさが出せるのは「MIRAI(feat. $ HORI WINBOY)」ぐらいまでですかね。「After the rain」のA、Bメロをニコニコいまの明るいキャラクターで歌ったら別の曲になっちゃうと思うんですよ。だから、そこは竹内唯人というアーティストになりきって歌ってます。それを聴いて、みんなが「唯人くんカッコいい!」と言ってくれるんで。

──音楽を通して感じる人物像と実物。竹内さんはかなりギャップがある人なんですね。

竹内:嬉しいです。ギャップがあったほうがいいじゃないですか。これは俺の勝手な意見ですけど。ライブ中は暗いイメージでバラード歌い上げて、MCになるとめちゃくちゃニコニコしてしゃべるのって、俺のファンはすごい喜んでくれると思うんですよね。

──ファンはそうでしょうけど、竹内さんはそれでいいんですか?

竹内:俺はそれでいいです。俺は歌を始める前から、『誰かが喜んでくれること』が好きなんですよ。いま俺がやってることのやりがい、生きがいって、周りの人が喜んでくれることや家族が喜んでくれることなので。アーティストなのでもちろん自分の色はもちつつですけど、それを周りの人が喜んでくれる。それが自分の“芯”にあるものなんですよ。この仕事は自分一人ではできないことで、周りの人がいてこそステージに立てる。そこで自分のエゴだけを押し通して歌うんだったら一人でやればいいと思うんです。いまはこうしてアーティストとしての竹内唯人をかってくれたスタッフさんや周りを巻き込んで、俺のために一生懸命やってくれてる人がいて、俺のことを一生懸命応援してくれてる人がいる。それなら、その人たちの期待に答えなきゃいけない。俺はそこを変える気はないです。

──竹内さんはプレッシャーを感じることもありますか?

竹内:1ミリもないです。中学生の頃にインスタのフォロワーがいきなり増えて、自分が見られてることに対して恐怖心を感じて。そのなかにアンチコメントがあると「なんで言われなきゃいけないんだろう」と思ってたことはありましたけど。この仕事を始めようと決めたときには、それはもうなくなってました。

──では、いまの竹内さんにとってライバルとなる存在は?

竹内:いないです。誰かと比べるってことは、その人に嫉妬してたり、ある意味その人が目標となってるってことだから。サッカーやってる頃からそれは嫌だったんで、人と比べたりすることはないです。人は人、俺は俺なんで。

──唯一の人になれ、という名前の由来通りの生き方も竹内さんの“芯”にある部分なんですね。では、これからメジャーデビューして、竹内さんはどうなってきたいですか?

竹内:もっとみんなに注目される楽曲を作って、近い目標としてはZeppとかでツアーがしたいです。いまはライブ会場にやってきた大半の人たちが「ニビイロ」とか「MIRAI(feat.$HOR1 WINBOY)」が「きた!」って思う曲なんですよ。そう思われるようなヒット曲をもっと出していって。そういうものを積み上げた上で、一人で日本武道館に立ってみたい。それが目標ですね。

──まだ自分がやりたことが見つからないという同世代の人たちもたくさんいると思うので、そういう方々に竹内さんが一言アドバイスをするとしたら?

竹内:俺は周りからの意見は頭に入れてました。俺のお父さん、昔から勉強もサッカーもめちゃくちゃうるさくて。「お前は音楽やれ」とかずっといわれてて、とにかくうるさかったから当時は振り切ったりしてたんですよ。でも、結局俺が決めた道をお父さん、お母さんは「頑張ってね」と素直に応援してくれたんで歌をやろうと思ったんですね。だから、大人に意見をもらうこと、それに耳を傾けることはいいことだなっていまの俺は思ってます。


──ありがとうございます。それでは、最後に読者にメッセージをお願いします。

竹内:自分が音楽をやってきて、いまが一番楽しくて、今後この気持ちが下がっていくことはないと思うんですね。なので、これからの竹内唯人の楽曲、アーティストとしての活動を見てて欲しいです。

取材・文◎東條祥恵

メジャー1stデジタルシングル「After the rain」

2021年7月2日(金)配信スタート


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