【インタビュー】遥海の“オハコうた”は?

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歌とトークでアーティストの素顔と魅力に迫るTOKYO MXの音楽番組『Artist#18File』。10月は世界的オーディション番組の日本版『X Factor Okinawa Japan』で注目を集め、のちに挑戦した本場『The X Factor UK』のパフォーマンスではあのサイモン・コーウェルも絶賛した、シンガー遥海が登場。“オハコうた”(十八番歌)を含む圧巻の歌唱シーンはもちろん、丁寧に語られる自身の音楽観などにも注目の1ヶ月だ。

   ◆   ◆   ◆

──遥海さんのオハコうた1曲目、ビヨンセの「Listen」について聞かせてください。

遥海:私は13歳の時にフィリピンから日本に来たんですが、最初は日本語ができなかったこともあって、私の"声"は誰にも聞こえていないんだって思う時期が続いていたんです。人として空っぽじゃない、ちゃんと見て欲しい、聞いて欲しいってもがいていた私を支えてくれたのがこの曲でした。歌を頑張るって決めた時もまず歌いたかったけど、単純に技術が足りなくて歌えなかった。でも神様と呼べるほど大好きなビヨンセに少しでも近づきたいという思いで、何度も喉を潰しながら練習し、その後SNSに動画をアップしたらいろんなきっかけが生まれたんです。自分自身の音域も広がり、表現力も身につき、「遥海といえばこの曲」みたいに言ってもらえるまでになった。これはもう、私にとってのライフソングだと思っています。

──オハコうた2曲目は、清水翔太さんの「レイニーブルー」です。

遥海:とある方から「この曲をぜひ歌ってほしい」というDMをもらって知りました。徳永英明さんが歌う原曲も素晴らしいですが、このピアノのアレンジを聴いた瞬間に、自分が歌うというイメージができたんです。普段から仲良くさせてもらっていて、ライブの時もご一緒している直江香世子さんという方がいらっしゃるんですけど、香世さんと2人なら自分の曲にできるって。たぶん寂しがり屋な部分が出ているのかもしれないですが、私の声はどちらかというとハッピーというより切ない方だと思うんですね。もともとバラード系や寂しい感じの曲を歌うのが大好きだということもあって、今回は大好きなこの曲を歌うことにしました。


──スタジオでの歌唱を拝見しましたが、カバー曲でありながら完全に自分のものにされていて圧倒されました。遥海さんは、歌う時に大事にしていることや心掛けていることはありますか?

遥海:自分が音楽を聴く時もそうですが、歌詞を大事にするようにしています。雰囲気としてではなく、ひとつひとつの重みを感じながら言葉を伝える。特に日本語は美しい言葉だと思っていますから、流れていってしまわないように歌うことを心がけています。

──では最後に、最新曲「声」について聞かせてください。

遥海:いろんな意味で、とても大変な曲でした。私はいつも歌詞を自分で手書きしながら言葉の意味を考え、次にじゃあどう歌えばいいか、どう表現しようかということを考えるんですが、この曲はたとえあのMVのような壮大な映像がなくても、聴いた人の中でイメージが広がっていくような歌を届けられるよう、歌い方にも工夫を凝らしました。喜怒哀楽の全てが入っていて、1番も2番も3番も歌い方が違う。私は「上手く言葉にできないんだけど、なんかこう、感じるものがあるんだよね」と言われるのがいちばんの褒め言葉だと思っているのですが、この「声」は、それこそ聴いた人が声を失うくらいの歌にしたい。そういう思いで歌いました。今回のオンエアでは、私の歌に、私の「声」に、何か感じてくれる人がたくさんいらっしゃったら嬉しいなと思っています。

取材・文◎山田邦子


TOKYO MX『Artist#18File』

TOKYO MX 
毎週火曜 21:54~ (再放送:毎週日曜 12:50~)
※スマートフォン用アプリ/Webサイト「エムキャス」(https://mcas.jp/)で同時配信

テレビ金沢
毎週金曜 25:59~
※時間変更の場合あり

10月ゲストアーティスト:遥海

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