【インタビュー】Petit Brabancon、yukihiro (L'Arc-en-Ciel)が語るバンドの現在と未来「実現したら何かカッコいいことができるかなって」

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京(DIR EN GREY / Voice)、yukihiro(L’Arc-en-Ciel / Drums)、ミヤ(MUCC / Guitar)、antz (Tokyo Shoegazer / Guitar)、高松浩史(THE NOVEMBERS / Bass)という5人のメンバーによるバンド始動が正式発表となったのは、2021年12月6日のこと。ベルギー生まれの小型犬種名を冠したPetit Brabancon(プチ・ブラバンソン)という愛らしいバンド名ながら、メンバー個々の経歴と風格が放つ存在感は凄まじく、そのエクストリームなサウンドを想像するだけでも5人の融合は2021年の事件だ。

◆Petit Brabancon (プチ・ブラバンソン) 動画 / 画像

先ごろ公開したBARKSインタビューでは、まず京がPetit Brabanconの成り立ちを語ってくれた。曰く「新しいバンドをやるならやっぱ一番にyukihiroさんとやりたい」というモーションからスタートしたプロジェクトであり、音楽的には“バンド”、“トゲトゲしているもの”というキーワードが明らかにされている。

発起人の京に続く、Petit Brabanconパーソナルインタビューの第二弾は、yukihiroだ。京とyukihiroの出会いから始まったプロジェクトは、ミヤ、antz、高松浩史というyukihiroと関連性の深いメンバーを得て本格的なスタートを迎えたという意味で音楽的キーパーソンと言い換えることもできるだろう。京の印象、両者の共通点、音楽的スタンス、レコーディング方法、そしてドラマーとして語ってもらったインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■京君だからやる気になった
■というのはあると思います

──Petit Brabanconの結成は京さんからyukihiroさんに声が掛かったことがきっかけとお聞きしましたけど、それまで何か一緒にやったことはあるんですか?

yukihiro:sukekiyoとACID ANDROIDで一回対バンをやりました。あ、1曲リミックスしましたね (sukekiyoアルバム『IMMORTALIS』初回限定盤付属CD収録曲「aftermath Remixed by acid android」)。DIR EN GREYのライヴはよく観に行かせてもらってます。初めて観たのはちょうどDIR EN GREYが海外とか行き出したくらいかな。そういうところで盛り上がっていたので、ライヴを観てみたいなとは思っていましたね。

──DIR EN GREYの音楽はどう見ているんですか?

yukihiro:そうですね…(時を重ねるごとに)すごく変わっていくので、一筋縄ではいかないなっていう感じですかね。京君のエクストリームなものに対する表現が凄いんじゃないですか。


──声が掛かって、京さんがやっていることと、ご自分がやっていることを混ぜ合わせたらどうなるのか、とか考えたりしました?

yukihiro:その時は考えていないですけど、実現したら楽しい……楽しいって言ったら違うかもしれないですけど、何かカッコいいことができるかなと。京君だからやる気になったというのはあると思います。

──京さんには最初、こういうことをやりたいみたいな具体的なアイディアがあったんですか?

yukihiro:極端なことをやりたいみたいです。

──DIR EN GREYでも充分に極端なことをやってますけど(笑)。

yukihiro:僕と、なのかな(笑)。何をするにしてもそれがついてくるという感じなのかなぁとは思いましたね。

──“極端さ”というのが。

yukihiro:そうですね。


──極端といってもいろいろな意味がありますけど、yukihiroさんが考える極端さ、あるいは京さんが考えている極端さっていうのは、一致していたり、違っていたり?

yukihiro:僕の場合は、京君がそう思えればそれで良いかなぁっていう感じかなぁ。

──京さんが望むこと、やりたいことは“わかるなぁ”っていう感じなんですか。

yukihiro:わかる部分もあれば、わからない部分ももちろんあります。具体的なものもあれば抽象的なものもあるし。ただ“エクストリームじゃなきゃ嫌だ”というこだわりは常にあると思います。音楽の制作に関しては、彼は「僕は分かんないんで」って言うんですよね。メロディは自分でつけたりもするけど、それは自分が自由に歌いたいからで作曲ではない、っていうスタンスみたいです。

──yukihiroさんが“こういうことをやりたい”という自我を出すというよりは、京さんがやりたいことを手伝ってあげよう、っていう意識に近いんですか。

yukihiro:ん-、そんなに離れているところにいる感じではないと思います。彼は“バンドにしたい”というヴィジョンがあったので、じゃあメンバー探さないとねっていうところでしたね。

──どうやって探していったんですか?

yukihiro:まず僕が思ったのは、二人だと時間がかかりすぎちゃうだろうなと思って。僕も曲は書くけどそんなに多作なほうじゃないので。“じゃあ作曲できる人を探したほうがいいかな”っていうので、ミヤ君(MUCC)に声かけて。京君の中ではラウドな音楽っていうのが基本にあるっぽいので、だったら、ミヤくんは伝えやすいかなと思いました。ミヤ君の中にも(この感覚が)あるだろうから。


──yukihiroさんはヘヴィなほうにもいくし、もっとディープでアンビエントみたいなほうにもいくし、そういう違った意味での極端さもあるわけですけど。京さんが望んでいたのはやっぱりラウドな方向で、ということ?

yukihiro:まぁ、一部だと思いますね。それが全てではないと思うんですけど、とりあえず極端さを表現するのになんかこう、一番目星をつけやすい感じなのがラウドミュージックかなっていうことですかね。僕自身はラウドミュージック…だけがエクストリームなものとは思っていないんで。

──そうですね。ミヤさんが入って、そこから曲作りとかが始まって。

yukihiro:ミヤ君が「ちょっと曲を作ってみます」って言ってくれて。すぐに2〜3曲くらい送ってきてくれて。そうしたらもう、あっという間に京君が歌ったデモが届きました。そこまではメチャ早かったですね。

──まだ3曲(ダブルAサイド デジタルシングル「刻/ 渇き」収録曲)しか聴いていないですけど、3曲を聴いた限りでは、いわゆる'90年代のニューメタル、デフトーンズとかKORNとか、ああいう感じなのをやりたいのかなと思ったんです。

yukihiro:たぶん、そこは僕にもわかるしっていう部分はあるかもしれないですね。

──そこら辺の感覚が、3人の共通項みたいな感じなんですかね。

yukihiro:共通しているところの一部分ですね。

──ギターをもう1本入れようっていう判断は?

yukihiro:バンドを5人にしたいっていうのは、京君のリクエストです。ギターは2人いてほしいみたいです。で、そこからantz君と高松(浩史)君が決まるまでは時間がかかって。僕が「この二人はどうかな」って(提案する)感じでした。

◆インタビュー【2】へ
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