メアリー・ラティモア、集大成レアリティ音源集『Collected Pieces: 2015-2020』リリース決定

ツイート

メアリー・ラティモアのレアリティ音源の総決算『Collected Pieces: 2015-2020』がリリース決定した。

◆メアリー・ラティモア 関連動画&画像


メアリー・ラティモアは2019年、盟友ジュリアナ・バーウィックとのツアーで初来日も果たし、そのパフォーマンスも絶賛されスロウダイヴのニール・ハルステッドプロデュースによる2020年のアルバム『Silver Ladders』はPitchforkはじめ、数々の年間ベストにランクインし、シガー・ロスからリアル・エステイト、ジュリア・ホルターさらにはサーストン・ムーアまでも魅了するアンビエント・ハープの才媛だ。

そんな音源集の収録曲から「We Wave From Our Boats」のミュージック・ビデオが公開されている。

この限定盤は、彼女の2つのレアリティ集『Collected Pieces I』(2017)と『Collected Pieces II』(2020)から選曲され、アーカイヴのハイライトと、ファンのお気に入りを初めて収録したもの。ラティモアは、これらのリリースをアレンジするプロセスを「思い出の詰まった箱を開けるようなもの」と表現している。Ghostlyと契約して以来5年間、常に前進してきたように見えるラティモアは、一息つくために後ろを振り返り、このはかない瞬間(思い立ったらすぐに録音した作品群たちだ)と感情、その中にあるすべての美、悲しみ、太陽、そして暗闇を生きるための新しいチャンスを誘うようだ。

おなじみのハープで始まる冒頭の「Wawa By The Ocean」は、ラティモアのお気に入りのコンビニエンスストア、ニュージャージー州シップボトムのWawa #700への頌歌である。“夏休みに一人でシップボトムに12回行ったけど、特に変わりはない。いつも夢の中で訪れている”と、この曲のリリースに際し彼女は語っている。そして、この楽しいパターンが展開されるたびに、きっとあのビーチサイドのランドマークが、ホーギーと一緒に目に浮かぶのだろう。新しいシングル「We Wave From Our Boats」だが、これは2020年のロックダウン初期に近所を歩いた後に即興で作ったもので、彼女のBandcampで公開されている。“私はただ連帯のジェスチャーとして知らない隣人に手を振っていたんだけど、それは自分がボートに乗っているときや橋の上などで、他のボートの人に手を振らざるを得ないことを思い出させるものだった。手を振りたいという気持ちは、生まれつきのもので、とても自然なことなの”。この曲の中心はシンプルなループで、その上でラティモアのシンセ音が漂い、最も不安で不条理な日々の中で楽観主義の優しいきらめきを与えている。

同じく2020年に録音された「What The Living Do」は、マリー・ハウの同名の詩からインスピレーションを得ており、人間であることのありふれた雑感への感謝を通して喪失について考察している作品。エコーがかかったスローマーチのトラックは、リスナーがその外側にいて、人生が映画のように展開するのを眺めているような、遠い感じを感じさせる。『Princess Nicotine (1909)』は、J・スチュアート・ブラックトンのシュールなサイレント映画「Princess Nicotine」か『the Smoke Fairy』のためにラティモアが想像した夢のシーンを音像化し、MVで実際の映像で表現したもの。『Polly of the Circus』も同じ手法で、ユーコンの永久凍土で発見された古いサイレント映画(ドキュメンタリー映画『Dawson City: Frozen Time』に収録)の名前からとったもので、「唯一残ったコピーで、経年変化でちょっと歪んでいる」と説明している。そして「Mary, You Were Wrong」は、ある作家の失恋を映し出したもの。「この曲は、たとえ間違いを犯したとしても、前進し続けなければならないということを歌っているのです」と彼女は言う。このほろ苦いリフレインは、時間が癒してくれるように、ゆっくりと、毎回少しずつ明るくなるように繰り返される。

この集大成は愛機Lyon and Healy Concert Grand Harp、コンタクトマイク、ペダルのみで、即興で録音されたものがほとんど。ツイン・ピークスのマーガレット・ランターマン(丸太おばさん)役の女優の方が亡くなったことを描いたもの(「We Just Found Out She Died」)、アメリカの宇宙飛行士の帰還(「For Scott Kelly, Returned To Earth」)、食人の妻についてのジョーク(「The Warm Shoulder」)、眼鏡をなくしたチャップリン風の人物(「Be My Four Eyes」)、駐車場でピカピカの車を運転している高校生(「Your Glossy Camry」)など、さまざまな曲がある。これらの曲は、彼女のオリジナル・アルバムと同様に、ラティモアの観察者としての才能を示し、感情の周波数やシーンに合わせて作品を形作っているよう。彼女の音楽家としての力は、彼女が世界をどのように見ているかに根ざしていると言えるだろう。


『Collected Pieces: 2015-2020』

2022年1月14日(金)
PLANCHA / Ghostly International
ARTPL-165 2,200yen + tax
※限定盤 ※正方形紙ジャケット仕様

■TRACK LIST:
01. Wawa By The Ocean
02. We Wave From Our Boats
03. For Scott Kelly, Returned To Earth
04. Your Glossy Camry
05. Be My Four Eyes
06. Pine Trees (Home Recording)
07. We Just Found Out She Died
08. What The Living Do
09. Polly Of The Circus
10. The Warm Shoulder

◆メアリー・ラティモア Bandcamp
この記事をツイート

この記事の関連情報