【俺の楽器・私の愛機】893「無知の成せる魔改造」

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【YAMAHA MB-50】(岩手県 Kay 20歳)


度々こちらにギターの投稿をしていましたが、このベースはそんな中でも特に付き合いの長いものになります。

MBといえば「てんとう虫」と呼ばれるMB-IIIが特に有名ですが、調べてみると思っていたよりも様々なモデルがあります。このMBは現在のTRBに近い形状をしていますが、ミディアムスケールで小柄なモデルです。

これを購入したのは中学生の頃で、当時は楽器に対する知識なんてこれっぽっちも無かったので楽器の選び方も全然分からず、とりあえず当時良く聴いていた細野晴臣さんが使っていたベースが欲しい(てんとう虫ではありませんが同じMB)という理由で選びました。それから高校に上がり軽音部に所属したのですが、そこでは先輩が自分でエフェクターを作ったりマイコンをギターに組み込んで光らせたり、と素人の自分にとってはかなりショッキングな世界が展開されていました。それに影響されないはずもなく、間もなく所持していたベースの改造を決意しました。

MB-50はプリアンプを搭載したアクティブベースなのですが、自分はどうもその音が気に入りませんでした。後にパッシブのMB-40というモデルが存在していたこと、特にMB-40/50においてホワイトのボディカラーが中古市場では希少であることを知るのですが、当時の自分はそんなことなど知る由もなくプリアンプを取り払い塗装を剥がしてしまいました。そして何を血迷ったのかフロントのスプリットコイルも外してしまいます。通常ならばそのザグリは木材で埋めるべきなのですが、そこについては非常識な自分です。そこら辺にあったプラ板でブロックを作り、余った隙間にはセメントを流し込みました。今思うととてつもないことをしでかしたと思います。



そしてなんだかんだで音が出る状態にしたのですが、しばらくはほとんど観賞用として部屋に飾っていました。というのも、改造期間に購入したスタインバーガーにハマってしまいそれをメインに使用していたためです。後にスタインバーガーを壊してしまいこのMBを使用することになるのですが、その際更なる魔改造を加えることになります。

当時ハマっていたアーティストである平沢進さんが使用していたEVOというギター。アルミ製で、輪郭を残して大胆に削られたボディが特徴なのですが、こんな形にしたらどんな音がでるのだろう、と既に立派な実験台と化していたMBに穴を開けることを決意。自分しか使わないので見た目は気にせず、電動ドリルで大きな穴を空けてみました。

気になる音についてですが、一言で表すと「痒い所に手が届かない」です。スラップした時の抜けは良いしピックや指弾き等でのアタックの音も悪くありません。しかしボディを削ったことによって低温の鳴りもまたごっこり削られています。録音してみると昔のテープ録音のベースを聴いているような、波形で見ると伸びているのに耳で聴くとアタック後の音が不明瞭になる不思議な感覚になります。感覚としてはスタインバーガーとジャズベの特徴を抜き出して他の良い所が全て捨てられたな、という感じです。

ただし個人的には嫌いな音ではないし、自分が好きな曲の年代を考えると寧ろピッタリハマる音なのでお気に入りです。


   ◆   ◆   ◆

「痒い所に手が届かない」(笑)。でもこの経験があってこその知識や知恵、判断の的確さなど、得たものの貴重さは計り知れないですよね。失敗は成功のもととか、昔の人はほんとよく言ったもの。かわいい子には旅をさせろじゃないけど、なりふり構わず思うがままの魔改造は、宝の山を掘り当てる秘技の養成としか言いようがない。弱冠20歳でその経験なんだもの、わたしゃKayさんには輝かしい未来しか見えないよ。その調子でこれからも珍道中をひた走ってください。「スタインバーガーとジャズベの特徴を抜き出し、他は全て捨ててください(笑)」というお題のベースを作れるビルダーなんて、世界にどれだけいるかわからないもの。(JMN統括編集長 烏丸)

★皆さんの楽器を紹介させてください

「俺の楽器・私の愛機」コーナーでは、皆さんご自慢の楽器を募集しています。BARKS楽器人編集部までガンガンお寄せください。編集部のコメントとともにご紹介させていただきますので、以下の要素をお待ちしております。

(1)投稿タイトル
 (例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
 (例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
 (例)トラヴィス・ビーン TB-1000
 (例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
 (例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
 (例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
 ※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
 ※最大5枚まで

●応募フォーム:https://forms.gle/XX72yo6Ph3BwqQHE9

「楽器人の投稿がmusic UP'sに掲載されます」

全国約1,000カ所の音楽関連スポットで、毎月20日に配布中されるフリーマガジン「music UP's」にて、楽器人の特集を掲載、【俺の楽器・私の愛機】で紹介された投稿の中からあなたの愛機をご紹介させていただきます。

※毎月の掲載数は2~4件ほどの予定です。選出はBARKS編集部で行ないます。
※掲載の選出対象は【俺の楽器・私の愛機】コーナーにて2022年5月30日以降に掲載された投稿が対象となります。

引き続き【俺の楽器・私の愛機】をお楽しみください。今後ともBARKS楽器人をよろしくお願いいたします。

◆【俺の楽器・私の愛機】まとめページ
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