【インタビュー】リトルブラックドレス、「逆転のレジーナ」リリース「この曲のためにすべてが揃った」
シンガーソングライターのリトルブラックドレスが、メジャー3作目となるシングル「逆転のレジーナ」を6月8日に配信リリースした。
◆撮り下ろし画像
「逆転のレジーナ」は、6月17日に公開される劇場アニメ『怪盗クイーンはサーカスがお好き』(はやみねかおる・K2商会の児童向け同名小説が原作、刊行20周年を記念して初のアニメ化&映像化となった)の書き下ろし主題歌。作家陣も豪華で、作詞に及川眠子、作曲に林哲司、編曲に本間昭光を迎え、彼女がこよなく愛する歌謡曲のテイストもグッと映えた、会心のナンバーに仕上がっている。
インタビューでは、新曲の制作背景や聴きどころはもちろんのこと、自身の愛称が“リト黒”に決まって以降の近況、そして今後の展望などについても幅広く語ってもらった。
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■<CITY POP NIGHT>を通じて、自分の歌も一歩成長できた
──今年4月に新型コロナウイルスの罹患が発表されたときは心配しましたが、体調はもう大丈夫ですか?
リトルブラックドレス(以下、LBD):おかげさまで元気になりました! 一時期はけっこう熱が出たりして大変だったんですけど、医療機関の方々がとても親切で、深夜とかでも電話に応じていただけたのが本当にありがたかったですね。私のように注意していても罹ってしまうケースはあるし、まだまだ収束したとは言えない状況なので、みなさんもコロナにはどうか気をつけてくださいと思ってます。
──無事に復活されてよかったです。こうしてインタビューさせてもらうのは約9ヵ月ぶり(前回のインタビュー )なので、近況をもう少し伺えたらと思うんですけど、メジャー2ndシングル「雨と恋心」のリリース後にBlue Note Tokyoで2回にわたって開催した<CITY POP NIGHT>(海外でリバイバルヒットしている日本のシティポップの名曲の数々を、歌謡曲の伝統を受け継ぐリトルブラックドレスならではの解釈でカバーする企画ライブ)はやってみていかがでしたか?
LBD:すごく楽しかったですね。最初の<CITY POP NIGHT>(2021年10月5日 ライブレポート)は、私のオリジナル曲をレコーディングしてくださったメンバーが中心で。昭和の楽曲にリアルタイムでは触れていない、ほぼ平成世代のみんなで演奏するのが逆に面白かったというか。新しい化学変化みたいなものを求めてライブができたので、お客さんもそこをフレッシュに感じてもらえたのかなと思います。
──そう考えると、1回目と2回目はまったく質感の異なるライブでした。
LBD:2回目(2022年2月18日 ライブレポート)は実際に昭和歌謡の名曲を手がけてきた山木秀夫(Dr)さん、鈴木明男(Sax)さん、佐々木久美(Org&Cho)さんに参加していただきましたから。先輩のみなさんの音が生で聴ける喜びにあふれた、また違ったパフォーマンスをお届けできた気がします。私もボーカリストとして、貴重な体験をさせてもらえました。やっぱり、名歌手を支えてこられたプレイヤーじゃないですか。その偉大な方々とご一緒すると、自分がどこに歌を乗せていけばいいかっていうのが流れるようにわかるんですよ。
──それはステージ上で?
LBD:まさに、ライブの最中ですね。言葉ではうまく説明できないんですけど、“うわっ!”と思うような、今まで味わったことのない快感でした。あとは、初めてMISIAさんのオープニングアクトをやらせていただいた高校生の頃からボイトレの先生である久美さんとステージに立てたことも嬉しかったし、吉田サトシ(G)さんも私のギターの師匠で、ずっとレッスンしてくださっているので、セッション的な絡みができたのが印象に残ってます。
──プレッシャーも少なからずあったでしょうけど。
LBD:先輩のみなさんと共演するとなったら、私も同じ舞台に立てるレベルまで持っていかなきゃいけないので、すごくいいモチベーションができました。ライブが決まってから当日までの2ヵ月くらいはボイトレの猛特訓期間にして、久美さんに歌い方や声の出し方、リズムの取り方など、全部をもう一度叩き直してもらう感じでしたね。<CITY POP NIGHT>を通じて、自分の歌も一歩成長できたはずです。
──並行して、幼少の頃から念願だったテレビ出演もこの間は増えましたよね。
LBD:たくさん出させていただいて嬉しかったです。新曲の制作で何かと試行錯誤の連続だったり、緊急事態宣言によってライブができるのかどうかハラハラしたり……そういうときは闇に潜るモードでしたけど、テレビの出演やラジオのレギュラーは“地上の人たちと話せるー!”みたいな喜びがあって(笑)。私にとってはオアシスのようでした。本当に夢だったんですよ、歌謡曲をテレビで歌うことが(※リトルブラックドレスはNHK『うたコン』『こえうた』などで歌謡曲のカバーを披露した)。いつかは『FNS歌謡祭』に出て、飛天の間で歌うのも目標にしています。コロナ禍で会場が変わっている現在の状況が改善されたらいいなと願いつつ。
──テレビの現場でもいろんな経験をされていると思います。
LBD:発見ばかりですね。たとえば、私は“かわいい”よりも“かっこいい”と言われることが小っちゃい頃から嬉しくて、かっこいいを目指してファッションもパンツスタイルが好きだったりするんですけど、そういう外見だけじゃなくて、むしろ内面的な部分でかっこよくありたいんです。自分が誰かと接するときにも、相手の内面を見てかっこいい、かわいい、きれい、美しいを感じたいタイプの人間で。
──なるほど。
LBD:でも、テレビはどうしても平面的に映って、見た目のファーストインパクトでパッと印象を決められてしまう感じが強いから。3分間とかの出演で視聴者に何を届けられるのかを考えるようになりましたね。ライブだったらわりと長めに観てもらえるし、自分を好きでいてくれる人たちに向けたケースも多いけど、はじめましての方にたった数分でどんなものを残せるかとなると、よりいっそう真剣さが求められるんだなって。“ここに命を懸ける!”くらいの気持ちで臨まないといけない。世間からどう見られるのかに対する、そういう価値観の変化はありました。
◆インタビュー(2)へ
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