【マガツノート座談会vol.3】RAZOR（猟牙、剣）× 第六天魔王軍・織田信長（神尾晋一郎）、「こういうエンターテインメント、メッチャ面白い！」

ダークな楽曲とストーリーで展開される、メディアミックスプロジェクト『マガツノート』が、ライブイベント＜マガツノート Season:1 Special Event「解放区-初夏の陣-」＞を6月18日に開催する。

このライブイベントでは、『マガツノート』に出演する声優と参加アーティストが共演。第一回目のイベント＜マガツノート Special Event「解放区」＞と同様、声優陣による朗読劇とアーティストのライブが予定されている。

さらに今回は、声優とアーティストがコラボステージを展開することが決定している。第六天魔王軍に楽曲を提供するヴィジュアル系バンド・RAZORは、第六天魔王軍・織田信長を演じる神尾晋一郎と、ステージでコラボ曲を初披露するという。

そこでBARKSではこのコラボステージのリハーサル後に両者を直撃。RAZORより猟牙（Vo）、剣（G）、そして神尾晋一郎に話を聞いた。

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■神尾さんの生き様だったり、生きてきた世界が伝わってきました（猟牙）

──コラボステージのリハーサルを終えられて、今の率直なご感想をお聞かせいただけますか？

神尾：とにかくRAZORさんが第六天魔王軍に作ってくれた「存在証明」という曲がメチャクチャかっこいいんですよ。練習するために曲を聴いていても、猟牙さんの声がメチャメチャいいんですよね。なので、どちらかというと客席で見たいぐらいの気持ちです！

猟牙：いわゆるヴィジュアル系の対バンイベントで、他のバンドが僕らのライヴに乱入することはあったんですけど、今回は完全に今までにない異文化交流というか。イヤモニに返ってくる神尾さんの声を聞いていても、どっちが正義とかじゃなく、まったく違う世界を歩んできたんだなって感じたんです。神尾さんは声優の世界で築き上げてきたものがあって、俺らは野性でバンドの世界を生きてきたわけじゃないですか。そういった違う人種の混ざり合いが、今までになく刺激的で。何回か音を合わせただけで、神尾さんの生き様だったり、生きてきた世界が伝わってきました。

──共に歌っただけで、そこまで感じられたと。

猟牙：感じましたね。ただ、曲中で神尾さんが台詞を入れたとき一瞬、“本物の声優さんだ……！”って、ミーハーな気分になってしまいました（笑）。オリジナルでは僕が言っている台詞を、今度のライヴでは神尾さんがやってくださることになっているんですが、始まったら“こんなローボイス出るん！？”ってびっくりしちゃって。

神尾：自分、ちょっと声が低いので（笑）。歌でもオクターブ下を担当して、少しでも支えさせていただければいいなと。

猟牙：物腰も柔らかくて優しい方なんですけど、世界に入ったときの台詞の声色とかを聞いたときに、魂がめっちゃロックな人なんだなと。すげえ戦ってきた人なんだなって感じました。


──曲を作った剣さんは、いかがでした？

剣：緊張しました！　ご迷惑をかけないように、失敗しないように、精一杯やらせてもらうしかないなって。本当に普段のリハやライヴとは違うので新鮮でしたし、これからの時代、こういったコラボとかもお話が頂けるなら、どんどんやっていきたいです。

猟牙：神尾さん、すごくこだわってくださって、“ここのブレスの位置は？”とか聞いてくれるんですよ。逆に俺、そんな細かくやってなかった（笑）。

神尾：CDや音源を聴いてきたので、できるだけ原曲準拠でいきたいんですけど、どうやっても息が続かない！　特に、こちらは“キャラを意識して歌う”という部分に向き合わなければいけないので、自分の中で織田信長をおろして歌うとなると、やっぱりなかなか苦しいものがあるんですよね。

──そういえばRAZORとのコラボステージも神尾晋一郎としてではなく、織田信長として登場されるそうですね。

神尾：織田信長のキャラ性もありますからね。しっかり曲順の流れがあるところに自分が呼びこまれるとなると、「神尾晋一郎さん」とかって“さん”付けもしてほしくないし、変な甘い空気も入れたくない。だったら、信長として入っちゃったほうが、場の空気も壊れないんじゃないかなと。

猟牙：とにかく攻めて、最後に魔王が君臨するっていう流れは、セットリストでもすごく意識しているので。

──そもそも最初に『マガツノート』で楽曲を制作してほしいというオファーを受けたとき、RAZORのお二人はどう思われましたか？

猟牙：正直、最初は“えっ、何それ？”っていう。

剣：無知だったので。でも、お話を頂けたのは単純に嬉しいですよね。作曲は今年に入って初めに着手したんですけど、何よりストレートにメロディがかっこよく、スピード感を押し出せる楽曲……というのを考えながら、散歩してメロディを作っていきました。

猟牙：剣の作る曲って、アニメとかゲームとかそっち寄りの匂いがするじゃないですか。だからドンピシャになりましたよね。

──わかります。キャッチーでメロディックで疾走感があって、二次元系のタイアップにはピッタリですよね。今回の「存在証明」も一聴して“剣さん節が炸裂してるな”と感じました。

剣：ここぞ！というものを詰め込んだんで（笑）。歌詞も最初は“少年漫画の良い奴”っぽい主人公的な歌詞が所々にあったんですけど、「ちょっと偉そうで、強そうで、邪悪感を出してほしい」というプロジェクト側の要望を受けて、猟牙に邪悪さを足してもらったりしつつ、二人で相談してワードを選んでいきました。

猟牙：『マガツノート』の舞台は近未来戦国ですけど、バンドも戦っている感じがあるじゃないですか。だから織田信長の生き様とか発言って、ある種そのままバンドにも当てはめられるんですよね。織田信長の人生を描きつつ、自分らのバンドに対する気持ちも込めることができるので、当初はRAZORとしての延長線上でやろうかと考えていたのが、結局とことん織田信長に落とし込みました。もう、織田信長をこの世に再降臨させるぐらいの気持ちでやっていいんじゃないかと。

神尾：サビに“我が第六天魔王”って出てくる時点で強いですよね。歌い出しの歌詞も自分の中にある信長のイメージそのままだし、まず、曲頭の太鼓とほら貝で“勝ったな”って思います。

剣：メッチャ嬉しい！　それ、メチャクチャ考えて音源選んだんですよ。サンプル探しから頑張りました。

神尾：そのイントロ部分が、ラジオドラマでも流れているんです。その瞬間のラスボス感というか、これ、ヤバいの来たね！っていうのが前奏だけで伝わるというのがすごいなと。

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