【インタビュー】TuneCoreがフジロック「ROOKIE A GO-GO」と必然の初タッグ。 音楽の未来をサポートする意義

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■特にこれからの若い世代には掴んで欲しい

── ステージが楽しみです。ちなみに山本さんが今年フジロックで見たいアーティストは?

山本氏:普段なかなか観られないアーティストで言うと、今年のアルバムがめっちゃ良かったボノボは観たいです。あとジェイペグマフィアなど。

▲ボノボ

▲ジェイペグマフィア

── 観たいですよね。ジェイペグのステージはすごくエモいみたいなので、楽しみです。

山本氏:僕は元々、フジロックは個人的にも遊びに行っていた身で、たまに山登りもするので自然の中であれだけ巨大なスピーカーで音楽を聴けるというのは最高な体験です。行ったことがない方はぜひ一度行ってみて欲しい。特に2018年のケンドリック・ラマーがやばかった…。

── 雨もやばかったです。

山本氏:いつまで経っても始まらないじゃんって(笑)。

── でも、いくらでも待とうと思いました(笑)。

山本氏:あれが人生のベストアクトっていうほど、くらってしまって。あの日は台風が来てましたが、朝まで楽しく遊んじゃって、山のちょっと上のほうにテント立ててたんですけど、坂を登っていったら「あれ? テントがない」と(笑)。近寄っていったら、テント、ぺちゃんこになってて、いい事と悪い事って一緒に来るんだなって思いましたね。最高の思い出です。

── 人生で一番って思えるようなステージを観られるのは、やはりフジロックの醍醐味ですよね。



山本氏:そうですね。今回初めてフジロックさんとご一緒させていただいて、すごくいろんな人が関わられていて、地域行政も含め、本当にみんなで一つ一つ作り上げてきているということを知りました。当たり前のことなのですが、個人的に目の当たりにしてなんだかすごくくらってしまったというか(笑)。

── 皆さん、音楽という文化を本当に大切にしていると思います。海外アーティストが観られる貴重な機会ですし、逆に日本のアーティストを国外に紹介しているフジロックの功績は本当に大きいですよね。このままだと他の東南アジア諸国にはビッグな海外アーティストが来てくれるけど、日本はスルーされてしまう可能性もなくはないですし。

山本氏:それは悲しみでしかないですよね。

── 日本って放っておくとガラパゴス化しがちな面もあるので、フジロックやTuneCoreのように世界を視野に入れている業界の人たちの意識が、今とても重要だと思います。

山本氏:その辺りはなにかしらの変化を与えていきたいですね。音楽に限らず、ある意味、島国内で完結しちゃうという部分がありますが、今の若い人たちは、インターネットに小さい頃から触れているから、特定のことにとても詳しかったり、スキルを持っている面もあって。ただ、それらを引き出してあげることが大切で、そこから将来につながっていくといいですね。たとえば音楽で言えば、楽器を弾けるのと、活動を広げるスキルって別で、前者は学校で教えてくれるけど、後者のことは誰も教えてくれないから、僕らがそこを繋げていければと思っています。これからの世代が自分でちゃんとした選択をできるように環境を整えてあげるのも大人の役割ですよね。

── 素敵な大人ですね。

山本氏:僕も音楽を通じてたくさんのことを教わったし、助けられてますので。僕、TuneCore Japan立ち上げからすぐのタイミングに大学生でインターンとしてジョインさせていただいていて今に至ってますが、やりたいことはそんなに変わっていないなくて。去年は単年で100億円近くがアーティストに支払われて年々増えていますが、ストリーミングサービスの新規ユーザーも増え続けているので、これから先も増えていくでしょう。そういう大きな流れが今はあるということをまず知って欲しいですし、特にこれからの若い世代には掴んで欲しい。さらには日本から飛び出して活躍していって欲しいなと思うんです。ちょっと辛辣なことを言いますが、将来向かっていきたい方向にもよるものの、特に動かずに「SNSでバズやバイラルが起こるんじゃないか」「ひょっとしたら大きなレーベルから声かかるんじゃないか」って、“奇跡待ち”しちゃうことってあるじゃないですか。僕自身えらそうな口を叩く身ではないことは重々承知していますが、それでもこのあいだ十代の方とお話をしていて、「無駄だよ」ってはっきり言っちゃいました。今は毎年、世界中でリリース数も、はじめて配信をしはじめるニューアーティストの数も増えていて、ひと昔と同じではないんです。他人や社会に変な期待をするより、自分で毎日を動かしていったほうがいい、って。曲作るなり、出すなり、インプットするなり、新しいことにチャレンジしていけば、きっとなりたいアーティスト像になれると思うよって。

── そうですね。

山本氏:そう言う意味では、今年TuneCoreと共同で実施させていただいたフジロック・フェスティバル「ROOKIE A GO-GO」のオーディションに応募されて、過去最高4,000組の中からステージ出演のチャンスを掴み取ったアーティストの方々が背中を見せてくれていますね。長年、新人アーティストやバンドへステップアップのきっかけを提供し続けているフジロックさんにもリスペクトですし、まさにここから未来のヘッドライナーがでてくるのかもしれません。今年も楽しみにしております!

取材・文:堺 涼子

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