グレン・グールド、バッハ録音を集大成した「バッハ全集」がSA-CDハイブリッドで登場&「グレン・グールドの芸術」、「ゴールドベルク変奏曲アナログ・コレクション」の後半ラインナップも

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メディアの開く音楽の未来を信じて、コンサート活動を放棄し、録音に専念したカナダの天才ピアニスト、グレン・グールド(1932年9月25日〜1982年10月4日)。

◆グレン・グールド 関連動画&画像

彼が50歳でこの世を去ってから40年が過ぎたが、残された数々の録音の評価はますます高まりつつある。特に日本での人気は根強く、わが国ではグールドの正規録音の全作品がCD化され、著作集や伝記から彼を題材にした小説や戯曲まで、関連書が数十冊以上にわたり出版されている。また各種の映像番組や伝記映画も好評を博し、一部のマニアだけに愛されてきたグールドが一般の音楽ファンにも親しまれるようになってきた。

2022年は、グールドの生誕90周年にして没後40年のメモリアル・イヤーでもあり、彼の残した録音も誕生月である9月からソニー・ミュージックからさまざまな形でのリリースが始まっている。本日、その第3弾の内容が発表された。

12月21日に完全生産限定盤として発売されるのが「バッハ全集(ハイブリッド・エディション)」。1955年の記念碑的なコロンビアからのデビュー盤となった《ゴールドベルク変奏曲》から、1981年の同じ《ゴールドベルク変奏曲》の再録音まで、グールドの録音活動の中心に置かれていたバッハ作品を集大成したボックスで、1974年に初めて日本で「グレン・グールド/バッハの世界」としてLP13枚組で発売されて以来定番となった「バッハ全集」の最新版となる。グールドのバッハ録音をSA-CDハイブリッド盤で収録し、ボーナスディスクとして、CD2枚分のグールドへのインタビュー2編とドイツ語によるバッハについての語りも加えた豪華版。構造の明晰さ、複雑なポリフォニーを提示する鮮やかさ、沈潜する歌など、楽器や時代を超越したバッハ解釈が刻み込まれている。

12月21日から2月22日にかけては、「ベスト・クラシック100極」シリーズ以外のグールドのアルバム全60タイトルを2015年のリマスター盤BSCD2音匠盤でリリースする「グレン・グールドの芸術」の後半30タイトルが発売される。1971年に完成したバッハの「平均律クラヴィーア曲集第2巻」に始まり、それまで録音のなかったバード、ギボンズ、ヘンデル、グリーグ、シベリウス、ヒンデミットらの作品集など、録音面でのグールドの全盛期となった1970年代の名盤が並ぶ。また1980年のCBSデビュー25周年を記念しての「シルヴァー・ジュビリー・アルバム」、グールドの生前に発売された唯一のコンピ盤「リトル・バッハ・ブック」、グールド初のデジタル録音となったハイドンのソナタ集、亡くなる1か月前に録音されたR.シュトラウスのピアノ・ソナタなど1980年代の最晩年の名盤が含まれている。

このシリーズと並行して、「ゴールドベルク変奏曲アナログ・コレクション」の後半3タイトルも発売が続く。1981年のデジタル録音と1955年盤の疑似ステレオ盤が復活し、21世紀のテクノロジーを駆使した自動ピアノで再現された1955年盤の「再創造」盤が世界初LP化されるのが注目されよう。

これらは熱心なグールド・ファンにも、そしてまだあまりグールドの面白さに触れたことのない人にも楽しめる貴重なシリーズであり、グールドの音楽的世界の多様性とその素晴らしさを再発見させてくれる内容となっている。記念イヤーにグールドの芸術に触れるための、絶好の手掛かりといえるだろう。


『バッハ全集(ハイブリッド・エディション)』

2022年12月21日(水)
26枚組 24ハイブリッドディスク+2CD SICC-10404~29 ¥42,900(税込み)
■完全生産限定盤・日本独自企画盤


グレン・グールドの芸術 シリーズ(全60タイトル)

(2022年9月21日~ 2023年2月22日)毎月10タイトル発売

「ベスト・クラシック100極」シリーズ以外のグールドのアルバム全60タイトルを2015年のリマスター盤BSCD2音匠盤でリリース。米コロンビア盤のオリジナル・アナログ盤のジャケットのデザイン、収録曲、ライナー・ノーツを極力踏襲し、演奏者とレコード会社が最初に意図したものを知っていただき、当時のグールドの音楽受容を回顧できるような形で企画されている。また、オリジナル発売日順での編成となり、グールド年代記(クロニクル)としてもご鑑賞いただける。

2022年12月21日発売 10タイトル
31 バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 SICC 30652~3
32 バード&ギボンズ:作品集 SICC 30654
33 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番、第10番、第12番、第13番  SICC 30655
34 シェーンベルク:ピアノ伴奏による歌曲全集 SICC 30656~7
35 ヘンデル:チェンバロ組曲第1番~第4番 SICC 30658
36 グリーグ:ピアノ・ソナタ/ビゼー:夜想曲ニ長調、半音階的変奏曲 SICC 30659
37 バッハ:フランス組曲第1番~第4番 SICC 30660
38 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」、第15番、第16番 SICC 30661
39 ヒンデミット:3つのピアノ・ソナタ SICC 30661
40 ワーグナー/グールド編:ピアノ・トランスクリプションズ SICC 30663

2023年1月25日発売 10タイトル 
41 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番~第18番 SICC 30664
42 バッハ:フランス組曲第5番&第6番、フランス風序曲 SICC 30665
43 バッハ:チェロ・ソナタ第1番~第3番 SICC 30666
44 ベートーヴェン:バガテル集作品33&作品126 SICC 30667
45 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番、第17番、第18番、幻想曲K.475 SICC 30668
46 ヒンデミット:金管とピアノのためのソナタ全集 SICC 30669~70
47 バッハ:6つのヴァイオリン・ソナタ集 SICC 30670~1
48 バッハ:イギリス組曲(全曲) SICC 30673~4
49 シベリウス:3つのソナチネ、キュリッキ  SICC 30675
50 ヒンデミット:歌曲集「マリアの生涯」(全曲)[1922/23年版] SICC 30676

2023年2月22日回発売 10タイトル 
51 バッハ:トッカータ第1集 SICC 30677
52 バッハ:トッカータ第2集 SICC 30678
53 バッハ:プレリュード、フゲッタ&フーガ集 SICC 30679
54 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番~第3番、第15番「田園」 SICC 30680~1
55 リトル・バッハ・ブック SICC 30682
56 シルヴァー・ジュビリー・アルバム SICC 30683~4
57 ハイドン:最後の6つのピアノ・ソナタ SICC 30685~6
58 ブラームス:4つのバラード&2つのラプソディ SICC 30687
59 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番「葬送」&第13番 SICC 30688
60 R.シュトラウス:ピアノ・ソナタ&5つのピアノ小品 SICC 30689
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ゴールドベルク変奏曲 アナログ・コレクション(全6タイトル) ※完全生産限定盤


2022年12月21日発売 
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)
1アナログLP:SIJP-1069  ¥4,950(税込み)


2023年1月25日発売 
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年録音/疑似ステレオ盤)
1アナログLP:SIJP-1066 ¥4,400 (税込み)


2023年2月21日発売 
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年録音の再創造/ ZENPH RE-PERFORMANCE)
1アナログLP:SIJP-1070   ¥4,400 (税込み)
■世界初LP化

<グレン・グールド・トリビュート生誕90年、没後40年を迎えて >

2022年10月4日㈫ 午後7時から午後8時30分
配信方法:カナダ大使館YouTubeチャンネル「カナダと日本」※イベントは無料でご覧いただけます。
http://bit.ly/3AFdpoD

ゲスト:宮本笑里(ヴァイオリニスト)、熊本マリ(ピアニスト)、ヤマハ株式会社 前澤陽(AIピアノシステム開発者・“Dear Glenn”開発担当)、青山学院大学  宮澤淳一(教授、グールド研究者)
言語:日本語、英語(逐次通訳あり)
主催:カナダ大使館
協力:株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ、ヤマハ株式会社
・“Dear Glenn” についてはこちら
https://www.yamaha.com/ja/about/ai/dear_glenn/

◆グレン・グールド 日本オフィシャルサイト
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