【インタビュー】Deep Sea Diving Club、「Left Alone feat. 土岐麻子」で掴んだ“シティポップ”を名乗る自信

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2019年に福岡で結成されたDeep Sea Diving Club。ロック、R&B、ジャズなど、様々なエッセンスを独自のスタイルで融合させている彼らは、“TENJIN NEO CITY POP”というテーマを掲げている。先日、配信がスタートした「Left Alone feat. 土岐麻子」も、このバンドの洗練された音楽性を存分に体感させてくれる仕上がりだ。近年のシティポップ・リバイバルの中でも圧倒的な存在感を放っている土岐麻子を迎えたこの曲は、どのように制作が進められたのだろうか? メンバーを代表して谷 颯太(Gt・Vo)に語ってもらった。

  ◆  ◆  ◆

■福岡は独特の湿気がある

── どういう経緯でバンド結成に至ったんですか?

谷 颯太:自分とドラムの出原(出原昌平)とベースの鳥飼(鳥飼悟志)が同じミュージックバーで働いていたんです。自分はもともとデュエットの2人組をやっていて、その活動がお休みになったタイミングでギターの大井(大井隆寛)と弾き語り+リードギターみたいな編成でやっていたんですけど、リズム隊の出原と鳥飼から声がかかって、バンドで活動するようになりました。

── メンバー同士の好きな音楽の共通項みたいなものはありましたか?

谷:よくツッコまれるくらいバラバラなんですよ。そういう中でもブラックミュージック、ジャズ、モダンジャズとかは共通して好きなのかなと。最近のものだとジェイコブ・コリアーとか。あとはマイケル・ジャクソンくらいでしか繋がっていなくて(笑)。出原はゴスペル、鳥飼はファンク、大井はジャズブルース、自分はポップスで育ったので、ブラックミュージックに影響を受けたアーティストに影響を受けてきたんだと思います。

── 谷さんは、The 1975も好きなんですよね?

谷:はい。The 1975、ビートルズ、レディオヘッド、リバティーンズとか、UKロックも好きですね。

── バラバラな4人が集まったバンドですから、「こういうサウンドをやろう」という明確なビジョンは特になかったんですね?

谷:なかったですね。「一緒にやるのは楽しいけど、趣味は合わないだろうな」という感じだったので(笑)。

── 音楽と全く関係ない話ですが、鳥飼さんの趣味は養命酒なんですか?

谷:そうらしいです。彼は一時オートミールと養命酒にハマっていまして。この4人は健康好きなのも共通項かも。大井は朝起きたらラジオ体操をするので。俺も毎晩走っています。



── 「福岡発 “TENJIN NEO CITY POP” バンド」と自分たちのことを称していますが、自ずとシティポップ的な音楽性になっていったんですか?

谷:はい。前身バンドの曲をこの4人でアレンジするようになって、「シティポップだね」と言われるようになったんです。当事者の4人は「そうなの?」という感じでしたけど(笑)。出原は昭和歌謡のライブバーで働いていたことがあるのでシティポップに詳しいんですけど、大井と鳥飼は全然詳しくないんですよ。「これがそうなの?」みたいな感じがあったみたいです。自分はシティポップは好きなので、意識していたところがあったんですけど。

── ブラックミュージック的なフィーリングが全員の下地にあるから、シティポップと言われるようになったんでしょうね。

谷:そうなんだと思います。昔のシティポップもソウル、ファンクの影響が濃いので、同じ道を辿っているのかもしれないです。

── シティポップは70年代末から80年代にかけての勢いのあった東京のイメージが反映されている音楽ですけど、福岡在住のみなさんにしっくりくる何かもあるんですかね?

谷:そうなのかもしれないです。福岡は独特の湿気があるというか。当時の東京のカラっともジメっともしている雰囲気とリンクしているところもあるのかもしれないですね。

── 福岡在住であることによって何かが音楽性に反映されている感覚はありますか?

谷:はい。東京に住んだら音が変わる気がしますから。

── 「東京に住むようになってから作る曲のBPMが速くなりました」と、地方から上京したミュージシャンに言われたことがあります。

谷:その感じ、ちょっとわかります。電車移動している時に何かが擦り切れるような感覚になったりもしますし。福岡に帰ると「のんびりしてるなあ」って思うんですよね。



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