【イベントレポート】ハマ・オカモト&くっきー!、暴発気味のフェンダー愛を炸裂

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フェンダーが新シリーズ「American Vintage II」を発表、10月14日(金)には、発売に先立ち製品発表会とFender News公開取材が行われた。

会場となるBA-TSU ART GALLERYでは、同日と翌15日(土)に「American Vintage II」の体験型ポップアップイベントも開催されており、場内には新シリーズが壁一面に並んでいた。さらには、LUNA SEAのINORANが所有する1957年製Stratocasterも特別展示。これは世界中に多くのファンを持つヴィンテージギターであり、新シリーズのルーツとなったモデルのひとつで、ギター愛好家垂涎の逸品である。



そんなギター好きにはたまらない環境の中、まずはフェンダーミュージック代表取締役社長兼アジアパシフィック統括のエドワード・コールが壇上に立ち、同社の創業理念と、新シリーズの意義を語った。

「1946年に設立されたフェンダーは、世界中のさまざまなジャンルのミュージシャンに愛されてきました。創設者のレオ・フェンダーは、“アーティストは天使であり、我々は天使が飛ぶための翼を提供することが我々の指名。そして、あらゆるレベルのプレイヤーをサポートする”というミッションを掲げました。それは現在も受け継がれています。昨今のヴィンテージ需要の高まりにより、ヴィンテージ楽器はプレミアムな価格になってしまいました。American Vintageシリーズは、1950~1970年代の楽器をオリジナルスペックで再現しながらも、手に取りやすい価格を実現します」

続いて、フェンダーミュージックプロダクトマネージメントディレクターAPACの藤川真人が登壇し、「American Vintage II」の製品プレゼンテーションへ。



「American Vintage IIシリーズは、フェンダーのマイルストーンとなった古き良き楽器のスペックをオリジナルに忠実に再現しました。加えて、今回発売するギター9モデル、ベース3モデルは、カラーリングも当時の手法で行い、当時のルックスと楽器そのものの鳴りを提供することを実現しました。ヴィンテージ価格が高騰し、コストも上昇する中、ヴィンテージ製品に限りなく近い製品を31~35万円台のお求めやすい提供することは、フェンダーの使命。シンプルながら完成されたデザインを持つ我々の原点ともいえる楽器を再現したこのシリーズで、楽器の素晴らしさを伝えていきたいと思っています」

と、新シリーズが往年の名器を現代に蘇らせたもので、フェンダーの新たなスタンダードとなる楽器であることが説明された。



さて、ここからがこの日のハイライトともいえるコーナー。“FenderNews公開取材”と銘打ち、ハマ・オカモトとくっきー!のトークセッションが行われた。



OKAMOTO’Sのベーシストであり、数多くのアーティストのライヴ、レコーディングにも参加するハマ・オカモトは、10年来のフェンダーエンドーサー。一方のくっきー!はお笑いコンビ野生爆弾で活躍するだけでなく、ジェニーハイやTHE SESELAGEESなどのメンバーとして音楽活動にも積極的。2人は「お互いの楽器を見せ合う仲」(ハマ・オカモト)なのだという。

「ベースの“入門セット”を買ったら、それがフェンダーで。それ以来、ずっと使っています」(ハマ・オカモト)、「憧れはあったけど、なかなか買えなくて。子供へのプレゼントとして、初めて小型の赤いストラトを買いました」(くっきー!)と、まずはフェンダーとの“馴れ初め”を語り合ったことを皮切りに、ふたりのフェンダー談義は熱を帯びていった。





「フェンダーは信じられないくらい人が作っている楽器。すごく個性があって、自分で鳴るように育てていく楽しさもあるし、愛着がわきますよね」と、ハマ・オカモトがフェンダー愛を語ると、くっきー!は「フェンダーは見た目がかっこいい。それと、布団針で耳を突き刺されたかのような強烈なサウンド(笑)」と独特の表現で会場の笑いを誘った。

ふたりはそれそれ個人所有のヴィンテージ・フェンダーも披露。ハマ・オカモトは1965年製のジャズベースで、市場ではおそらく100万円以上の価格がついている名器だが、ローディーからお手頃価格で譲ってもらい、以来、ずっと使い続けているそうだ。くっきー!のテレキャスターは1973年製。楽器店で一目ぼれして買ってしまったのだそう。「まさに耳をつんざくような音がします。値段は1個1円のりんご66万個分でした(笑)。実は嫁には内緒で買っちゃった」のだとか。



最後は「American Vintage II」を試奏してみることに。プレシジョンベースの原型となった1954年製のモデルを再現したという「American Vintage II 1954 PRECISION BASS」を手にしたハマ・オカモトは、そのしっかりとした作りに「ヴィンテージ楽器は、当然古いものなので、どうしても壊してしまいそうで“怖さ”があるけど、これならガシガシ使える。使いこなすという意味では、当時の楽器よりいいと思う」と嬉しそうな表情に。続けて「フィンガーレストやブリッジも当時のものを忠実に再現しているし、ネックは太いけど弾きやすい。ピックアップ1個に対して各弦が良いバランスで鳴ってくれるんですが、これはけっこうすごいことだと思いますね。太さがあって温かい音がするので、そういう音が必要な場面で使ってみたい」と、早くも演奏する場面を思い浮かべていた。





くっきー!は「American Vintage II 1966 JAZZMASTER」をプレイ。「可愛い赤いギターなんで、これでガールズバンドをやりたい。ネック・バインディングも真っ白で東幹久さんの歯みたい」とまたもや独特の表現で笑わせ、さらには「1曲弾いていいですか」と「マル・マル・モリ・モリ!」を弾き語り。再び会場が笑いに包まれた。



最後に改めて「American Vintage II」のおすすめポイントを語って公開取材はお開きに。

「歴史を大事にするこだわりを感じますし、見た目もかっこいい。もちろん楽器としてのポテンシャルも高いと思います」(ハマ・オカモト)
「ヴィンテージ楽器は、本当に素敵だと思うんですけど、American Vintage IIも使い続けていけば本当のヴィンテージになるわけで、出世魚のように、楽器がヴィンテージになっていく経過が楽しめると思います」(くっきー!)

2人が語るように「American Vintage II」は、往年の名器が持つこだわりとサウンドを有し、その一方で現代の楽器としての使い勝手の良さも併せ持ったシリーズと言えるのかもしれない。なお、「American Vintage II」は下記の12モデルがラインナップされている。

・American Vintage II 1951 TELECASTER※
・American Vintage II 1954 PRECISION BASS
・American Vintage II 1957 STRATOCASTER※
・American Vintage II 1960 PRECISION BASS
・American Vintage II 1961 STRATOCASTER※
・American Vintage II 1963 TELECASTER
・American Vintage II 1966 JAZZ BASS
・American Vintage II 1966 JAZZMASTER※
・American Vintage II 1972 TELECASTER THINLINE
・American Vintage II 1973 STRATOCASTER
・American Vintage II 1975 TELECASTER DELUXE
・American Vintage II 1977 TELECASTER CSTOM
※レフトハンドあり

文◎竹内伸一
































フェンダー代表取締役社長エドワード・コール氏とくっきー!、ハマ・オカモト

◆フェンダー・オフィシャルサイト
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