【インタビュー】Nicori Light Tours、アルバムに刻まれたJanne Da Arc活動休止から現在までの歩み「テーマはチャレンジ」

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■培ってきたものを消すつもりはない
■同時に様々な要素を取り入れられたら

──お話を聞いていると集まるべくして集まった4人という印象を受けます。youさんとkiyoさんがJanne Da Arcで培ったものは大きいと思いますが、Nicori Light Toursにどう落とし込みたいと思っていましたか?

kiyo:深く考えずに自分の中にある音楽を無理せず形にしていこうと思っていました。意識せず根底に流れているものを楽曲に落としこむというか。Janne Da Arcで僕が作られたのは事実なので。

ko-hei:等身大みたいな感じですか?

kiyo:そうそう。Janne Da Arcファンの方は喜んでくれるかな?っていう気持ちはもちろんありましたけどね。そこは抑え込まないように、新しい手法を取り入れたり進化させつつ、僕の音楽観はあまり変わっていないですから。

you:kiyoが話したことと同じですが、Nicori Light Toursで表現していく上で、自分たちが培ってきたものは消せないし、消すつもりもない。抑えこむつもりもないんですが、僕とkiyoはJanne Da Arcの頃から違うジャンルの音楽にも興味があったので、ɑyumuとko-heiというボーカリストと一緒にやることになった時に今までとは違ういろいろな要素を取り入れられたらなって。テーマはチャレンジ。大げさですけど、そう思ってましたね。

──なるほど。そうだったんですね。

you:だからといって今まで聴いてくれた人たちにもNicori Light Toursのことを知ってほしいし、Janne Da Arcを知らない人たちにも聴いてほしい。両方の想いがあるので、落としどころにはすごく悩みました。7曲連続配信では試行錯誤しながらあえていろいろな曲にチャレンジしたんですが、やりながらNicori Light Toursの音楽がどんどん見えてきた感じですね。

──連続配信にはそういう意味合いがあったんですね。

you:そうですね。その都度その都度、賛否両論なり、いろんな声をもらったんですが、結論としては自分たちが培ってきたものに新しい血というか、2人のエッセンスを盛り込めばいいというのが、より明確になっていきましたね。


▲ɑyumu (Vo)

──Nicori Light Toursのコンセプトは“矛盾”、“ジレンマ”、“逆説”。それが男女の関係を歌った歌詞に繋がる世界観ということですが。

you:2021年10月に1st EP 「Trigger」をリリースした頃はそれが1つのテーマでしたね。最初は詞先で曲を作って、歌詞も作家さんに書いていただいていたんですが、2人とも歌詞を書きたいという意志があったので、途中からチャレンジする方向にシフトしていったんです。これまでの自分たちがやったことがないようなタイプの曲を作ったり、歌詞を2人に書いてもらったりとか。

──活動を重ねていくうちにどんどん刺激し合うようになったんですね。

you:ええ。2人からも「次は、こんな感じはどうですか?」っていうアイデアが出てきて、それをヒントに僕らが曲を作ったり。

──世代的に離れていても、意見を言いやすい環境なんですね。

ko-hei:そうですね。youさんやkiyoさんと僕は21歳離れているんですが、壁はあまり感じなくて、気兼ねなく話せるのですごくやりやすいんです。家族じゃないですけど、お父さんとお母さんぐらいな。まぁ、kiyoさんがお母さんですけど(笑)。

kiyo:どっちでもいいですけどね(笑)。

ko-hei:立ち位置もそんな感じなのかな。決定権はyouさんが持っているんですが、まずはお母さんに相談して(笑)。でも、意外に最終決定権はkiyoさんが持っている気がする。

you:そうそう!

──最終的にはお母さんが強いという構図ですね(笑)。

kiyo:困った時だけyouは僕に振ってくるんです(笑)。

ɑyumu:何をするにも一回僕たちに「どう思う?」と聞いてくれて、意見を言うと「じゃあ、そうしようか」って絶対に耳を傾けてくれるので、僕もすごくやりやすいです。逆に最近は甘えすぎかなと思って、“しっかりせな”って思ったりするんですが。

──お父さんやお母さんとの絆も深まっていると。

ɑyumu:僕も18歳ぐらいの差があるんですが、この1年は特に一緒にいる時間が長かったので、家族感が深まったというか。

ko-hei:普通、それだけの年齢差があったらやりにくいと思うんですが、そんなことなくて。時には同い年ぐらいの感覚があったり(笑)。地元が全員、関西っていうのも関係しているのかもしれないですけど。

you:確かに。2人も気を遣ってくれている面はありますけどね。どんどん意見を言ってほしいと思っていることを2人が察してくれているというか。結成した頃は僕らが決定して動かしていっても、いずれ2人にもクリエイティヴな部分で関わってほしいと当初から思っていたので、これからが楽しみですね。


▲ko-hei (Vo)

──Nicori Light Toursのステージを初めて見たイベントでは、曲数が少ないのに曲調がビックリするほど幅広くて驚いたんですよ。youさんもkiyoさんもソロをガンガン弾いていて、キャリアのある2人に臆さないɑyumuさんとko-heiさんの在り方、華やかさが新鮮でした。型にハマらない音楽性は1st フルアルバム『II~パラレル~』にも反映されていますね。配信7曲も収録されていますが、制作する上でキーワードになったことはあったのでしょうか?

you:アルバムのコンセプトはタイトル通りなんですが、収録曲は2曲が対になるように構成されていて。2つの並行世界みたいな感じのアルバムにしようと思って制作した作品です。

──だから、7曲の配信曲と新曲7曲が交互に配置されているんですね。

you:そうです。いろいろなパターンの対の曲が収録されています。

ko-hei:歌詞も時間軸が違ったり、男性目線と女性目線だったり、アンサーソングとか、いろいろなアプローチでパラレルを表現していますね。



──バラード「薄明」と軽快なリズムの「またね」は、女性の視点と男性の視点で同じカップルのことを描いているのかなと。

ko-hei:まさに。

kiyo:「パラサイター」と「ダウナー」は同じアレンジをしている箇所があります。



──配信がメインの現代音楽シーンとはいえ、アルバムを曲順通りに聴くと、そういう発見が散りばめられているんですね。

kiyo:そうです。よく聴いてもらったら、いろいろな発見ができるように意識して作っています。

ko-hei:それとライブのセットリストを想像できるような曲順になっています。youさんとkiyoさんはCD全盛時代からバンドをやっているので、そういう部分にもこだわりを持っているんですよね。

you:今の時代、アルバムの曲順への想いはどんどん薄くなっていると思うんですが、初のフルアルバムなので、作るからにはちゃんと流れを大事にしたいという想いは強かったですね。

ko-hei:曲間も4人で話し合って、「この曲とこの曲の間は何秒空けようか」とか。

you:Janne Da Arcの頃は細かいところも悩みながら作っていたんですよね。

──アルバムにはコンセプトや物語性がありましたものね。

you:そうですね。もちろん、今もそういうところを大事にしているミュージシャンはたくさんいらっしゃると思うんですが、音楽を聴く形態も変わりましたよね。

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