【インタビュー】Rhythmic Toy World、「ポケモンカードチャンネル」OP&EDテーマソング、そして95曲全曲披露のワンマンツアー

ツイート

Rhythmic Toy Worldが、昨年5月からサポートメンバーとしてバンドを支え続けたドラマー・佐藤ユウスケを正式メンバーに迎え、新体制で初となる新曲「青炎」を11月10日に配信リリースした。また、12月2日(金)にはこれまでも公式ルールソングやBGMを担当してきたYouTube「【公式】ポケモンカードチャンネル」のOP&EDテーマソングとして「ニジラルド / チャンダン」を配信リリース。さらに、CDリリースされた全95曲を東名阪にて全曲披露する前代未聞のワンマンツアーの開催も発表するなど、ここにきて活動が急加速している。まさしくRhythmic Toy Worldの名に相応しい遊び心が満載の彼らに、新メンバー加入の経緯から新曲、ツアーまでたっぷりと話を訊いた。

■自分たちの活動をより強固にしていくことを決めたときに
■佐藤ユウスケに正式メンバーとして加入して欲しいという話をしました


――新メンバー加入ということですが、内田さんから紹介してもらえますか。

内田直孝(以下、内田):2022年11月9日に正式に加入したドラマーの佐藤ユウスケです。

佐藤ユウスケ(以下、佐藤):よろしくお願いします!

内田:昨年5月からずっとユウスケ君がサポートドラマーとして叩いてくれていたんです。ベースの須藤君が足をケガをして、ライブは正式メンバー2人だけという状況のときも精神的にも支えてくれました。付き合い的には、ざっくり言うと10年ぐらいかな?

佐藤:そうだね、それぐらいの付き合いだね。

内田:彼がもともと叩いていたバンドと対バンしたときからずっとミュージシャン仲間だったし、結構近いところにずっといたんです。

――7月15日の川崎 CLUB CITTAワンマンライブでも叩いていましたけど、MCでのやりとりなんかを見ると完全にバンドの一員という感じでした。

内田:そうですね(笑)。若干僕らが甘え過ぎていたのかなという部分はあります。(ライブMCを)僕らはみんな言いたい放題で基本的に上手くまとめられないので、冷静に的確に突っ込んでくれる人がいないと、地獄絵図みたいになるんですよ。

一同:(笑)。

内田:そこをしっかり押さえてくれたりとか。そういう意味では、リズミックのファンの方たちも、「ドラムを叩いてくれてありがとうございますだし、この3人をまとめてくれてありがとうございます」みたいな言葉も見受けられたので。すごく自然体で活動を続けることができて感謝していますし、自分たちの活動をより強固にしていくことを決めたときに、彼に正式メンバーとして加入して欲しいという話をしました。


▲佐藤ユウスケ(Dr.)

――佐藤さんにとってリズミックはこれまでどんな存在のバンドだったんですか。

佐藤:最初はバンドの友だちみたいな感じで、今活動休止中の磯君(前任ドラマー磯村貴宏)とも仲が良くて、2人で飲みに行ったりドラムの意見交換をしたりしていたんです。なので、彼が活休すると聞いたときは、その4人しかありえないだろうと思っていたので本当にビックリしました。(正式加入については)バンドが先というよりも、友だちとしての方が先で、たまたま楽器ができたぐらいのテンション感ですね。

内田:僕らは磯君から連絡をもらって、「バンドのスタンス、これからの方向性だったりを自分が言うのは違うかもしれないけど、もしメンバーが心から良いと思うのなら、ユウスケに後任ドラマーは任せたい」って言われていて。僕らもそういうつもりで一緒に音楽をやって生活をしていく中で、やっぱり磯君の意思と僕らの気持ちが一緒だと感じたんです。それと、去年の12周年のライブで磯君が叩きに来てくれて2曲ほどツインドラムで曲をやったんですけど、最後にユウスケ君にドラムスティックを渡していたんですよね。それを見たときに、もう彼しかいないし、僕らのメンバーである磯君が託した思いを絶対に無下にしてはいけないなと思って、3人で話し合って「今日は話そうと思う」って、ごはん食べてるときに告白しました(笑)。そうしたら2つ返事みたいな感じで応えてくれました。

佐藤:「ああ、いいよ」みたいな感じで(笑)。ずっとサポートが僕だったし、他の人に頼む気配もないので、たぶんそのうち来るだろうなという気持はありました。

内田:なんか中学生みたいだね。「そのうち体育館裏に呼び出されるな」みたいな(笑)。

――須藤さんはベーシストとして、佐藤さんについてどう感じていますか。

須藤憲太郎(以下、須藤):本当に最高のドラマーですね。僕らは、ちゃんとバンドをやったドラマーが磯君しかいなかったので、ユウスケ君とやり始めたときに、自分のスキルとかいろいろなところを見直すタイミングができたんです。こうすればもうちょっと上手くなるなとか、レベルアップの気付きができたので、ライブも練習もやっていて楽しいんですよね。音でタッグを組んでる感がすごく出ていて。僕的には新境地というか、新しいバンド人生、ベーシストとしての道がユウスケ君とやることによって開けたと感謝しています。それと、僕がケガをしたときに、3人でツアーを回ってくれたんですよ。そのときは、僕は概念として顔写真をステージのベースの位置に置いていて(笑)。音は、オケでベースを作ってあって鳴っているという。それで僕がケガしてから1回もライブを飛ばすことなくやってくれたことは感謝してもしきれないです。そういうのってドラムが一番大変だと思うんですけど、僕が復帰した後に、ユウスケ君から「やっぱり、人とやるのが一番いいね」って言われて、「ごめんなさい」ってなりました(笑)。


▲内田直孝(Vo/Gt)

――岸さんはギターだけじゃなく鍵盤のアレンジなども手掛けていらっしゃる立場からどう感じていますか?

岸明平(以下、岸):ドラムの細かいアレンジなんかはわからない部分があるんですけど、ユウスケ君の場合レコーディング前日ぐらいにアレンジを投げても、すごくブラッシュアップしてレコーディングしてくれたり、サポートとかで培ってきたアドリブ技術があって、自分が考えたアレンジを越えてくるところがすごいなって感じています。

――今まで出会ったドラマーの中ではどんなタイプですか?

内田:“変態”じゃない?

佐藤:変態じゃないよ(笑)。

――それはドラマーとして?

内田:いや、人として……

一同:(笑)。

岸:そうそう、キャラがドラムに出てる。

内田:根っからの変態さが、そのままドラムに出てる感じですね。クセがあるというか、目を瞑って聴いても叩いているのがわかるんです。(岸に向かって)そうだよね?

岸:うん、ライブのとき遊びで隙間にフレーズを入れてきたり。

佐藤:ライブ中にすぐふざけたくなっちゃうんで、フレーズをめちゃくちゃ変えるんですよ。みんなそれに気づいてくれるんで、「ああ、良いバンドだな」って。ドラムのフレーズの違いをちゃんと聴いてくれているって、結構まわりに気を配れる良いメンバーだなって思います。

岸:僕らもそういう遊びが好きなんで、ドラムがそうすることでテンションが上がって反応したりして、良い相乗効果になってます。

内田:僕はステージでは前を向いて歌っているじゃないですか?でも、誰かしらが遊び始めたなと思うとテンションが上がるというか。「あ、仕掛けてんな~」って。それでパッと見ると案の定みんな笑っているんですよね。

佐藤:ニヤニヤしてるよね。たまにふざけたのが被るときがあるけど(笑)。うっちーのフェイクと俺のふざけたフレーズがたまたま被ったり。大枠のアレンジからは外れないようにしているんですけど、めちゃくちゃ聴き込んだ人からすると、「あれ?違うかも」って思うぐらいの遊びです。

須藤:かなり自由度は増しましたね。一番土台になるドラムが遊びだすと、僕らも楽しくなっちゃいます。

――今回、YouTube「【公式】ポケモンカードチャンネル」のOP&EDテーマソングとして「ニジラルド / チャンダン」を12月2日(金)に配信リリースされます。これまでも公式ルールソングを担当するなどコラボを重ねてきましたが、ポケモンカードゲーム(以下・ポケカ)については内田さんが一番お詳しいんですか?

内田:確実にそうです。ポケカもそうですし、ゲーム『ポケットモンスター』シリーズも初代である『ポケットモンスター 赤・緑』から最新のものまですべてやっています。他のメンバーはちょっと間が空いたりしていたり、知らないポケモンもあると思うんですけど、僕は基本的にそういうことはないです。ポケカもドはまりして、発売日に並ぶために、遠征先の広島からお店のオープンに間に合うように安全運転してもらってそのままポケモンセンター(以下・ポケセン)の前で降ろしてもらって、普通にボストンバックを持ったまま並んだぐらいですから。


――筋金入りですね!

内田:そうなんですよ。ポケカは僕らが小学生ぐらいのときからあって、そのときからやっていて。高校生ぐらいにはやらない時期もあったんですけど、大学生になってちょっと大人買いみたいなこともできるようになっていろいろなカードゲームをやっていて。そこから最終的に辿り着いたというか、「やっぱり、ポケモンって可愛いしなあ」ってやり始めたら、沼に入ってしまいまして。

岸:ツアーに行ったら必ずポケセンがあるか探して行ってるもんね。

内田:その頃は、公式チャンネルの方ともなんの関わりもなかったんですけど、ポケセンに行って記念写真を撮っていたので、今回のことは夢のようです。

――これ以上ない念願のコラボなわけですね。では曲について伺いますが、「ニジラルド」というのは?

内田:造語です。ポケカだけじゃなくて、どんなことでも自分がハマるものと初めて出会ったときの衝撃とのめり込んでいくスピードと、それを考えている頭がグワーッてなるキラキラ輝いたものを、形容できなかったんです。なので、この世にはない言葉で表現しようと思って、「虹色に輝くエメラルド」ってあったら素敵だなっていうところから、この世にない宝石みたいな意味でこのタイトルに決めました。

――いつもタイトルの付け方が上手いですよね。独特のボキャブラリーがあるというか。

内田:ありがとうございます!それと、「「ニジラルド」っていうポケモン、いそうじゃない?」っていうところの響きも考えました。ポケカチャンネルの人たちも「これはもう曲にピッタリだ!」ってめちゃくちゃ気に入ってくださいました。世界中にファンがいるポケモンカードの公式チャンネルさんが、僕らを指名して曲を頼んでくださっているということで、僕らのポケモン、ポケカへの気持ちをすごく信頼してくださっているんだなって自信に繋がりました。じゃあ、僕らが思う“好き”を詰め込めば、きっと喜んでもらえる作品になるだろうって、自信に満ち溢れながら作りました。

――スケールの大きなサウンドですが、どんなことを考えてアレンジしましたか?

岸:ワクワク感をずっと絶やさずに最後まで行きたいという気持ちがありました。どんどん新しい音が出てきて同じ展開がないようなアレンジを心がけて、すごくいろいろな音を入れています。例えば〈虹色の体温が身体中を駆け巡るようだ〉という歌詞の後ろで、身体中を駆け巡るイメージの音を入れたりとか、歌詞に合わせて音を入れています。

――歌詞が出来ている状態でアレンジしたんですね。

内田:そうです。歌詞が98%ぐらい出来上がっている状態で、最終のアレンジを調整しました。僕らだけじゃなくて、ポケカさんの方からの熱い思いをずっとキャッチボールしながら作って行ったんですけど、本当にすごいなと思ったのが、それが仕事仕事していないんですよね。なんか理屈で話し合ってないというか、全部「ここでこういう気持になるから、こういうのはどうだろう?」みたいな、言ってしまえばお互い語彙が少ないというか(笑)。

岸:でもそれがわかるんだよね。

須藤:感覚で話しているというか。

内田:そのことにすごくびっくりしたんです。これまでもタイアップを何度かやらせていただいてますけど、お互いにプロなんで譲れないものがあって、そこをすり合わせて行くものだと思うんです。でも本当に子どもと子どもみたいな、「できるできないは後で考えよう」みたいなやりとりがずっと続く中で作って行ったので。たぶん僕らだけだったら「これはどうなんだろう?」って止まってしまうようなことも、「先方がこう言ってるということはこれで喜んでくれるんじゃないか」って、思い切ったことができたんです。

岸:そうだよね。やってみたら、「あ、いいんじゃない?」っていうことが結構ありました。

内田:そこに、今までとは違った新しい制作に於けるモチベーションがあって。そのまんまの意味ではないですけど、ず~っと遊んでました。

――ポケカで遊ぶということがそのまま無邪気に表現されているわけですね。

内田:みなさん、「ポケモンが何より好きだ」っていう、子ども心を忘れないまま大人になられて、それで今活動として向き合っているというところに、僕はすごくリスペクトを感じました。だから僕らもその気持ちを忘れないようにして完成に至った感じです。

岸:ラスサビの入りは最後までみんなで悩んだよね?「どれが一番いいんだろう!?」って。

佐藤:確かに、すごく悩んだ。

須藤:最後の最後までやってたよね。

内田:僕らもそうだし、関わってくれた方々それぞれの情熱があるので、「自分はこれが良い」ってバラバラになっちゃうじゃないですか?だから「最後はリズミックさんにお任せしたいと思います」って言ってくださって、僕らが思う一番この曲がきらめきを放つであろうアレンジを最終FIXさせてもらいました。

須藤:僕はこの曲をやる前ぐらいにうっちー(内田)からポケカを教えてもらって、そこからドはまりしてるんですよ(笑)。「ニジラルド」っていう曲名もすごいし、歌詞も見事にポケカの楽しさを歌っているというか。僕のベースライン的にも今回は歌ってるところや遊んでいるところが多くて、ポケカで遊ぶ感じを表現できたと思います。

佐藤:すり合わせたわけではないんですけど、スケール感を損なわないようにという世界観はみんな一貫して感じ取ってやっていたと思います。

――内田さんの書く歌詞やボーカルって、かなり饒舌じゃないですか?そこに対して音数を意識しますか?

佐藤:歌っている内容と歌詞の温度感、あとはきっちゃん(岸)が作ってきたアレンジの感じで「ここはこういうのが欲しいのかな」というのを自分で解釈してなるべく、曲を作って編曲してくれている2人(内田と岸)の正解になるべく近いものを出して、その中でプラスアルファ余裕があれば自分の色を出したいと思っています。2人ともやりたいことがすごくわかりやすいので、アレンジも決まりやすいですね。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報