『モリコーネ 映画が恋した音楽家』、モリコーネからトルナトーレ監督へ “サプライズプレゼント”＆メイキング映像も解禁

2020年7月、世界は類稀なる存在を失った。エンニオ・モリコーネ、享年91歳。

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500作品以上の映画とTVの音楽を手掛け、アカデミー賞(R)に6度ノミネートされ『ヘイトフル・エイト』(15)で遂に受賞、全功績を称える名誉賞にも輝いた。そんな伝説のマエストロに、弟子であり友でもあるジュゼッペ・トルナトーレ監督が密着、結果的に生前の姿を捉える最後の作品となってしまった音楽ドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』が１月13日（金）に公開決定。この度、撮影中、モリコーネからトルナトーレ監督へのピアノ演奏の“サプライズプレゼント”の様子を切り取ったメイキング映像および、本作への想いを語ったトルナトーレ監督のコメントを解禁した。

本作の撮影中、突然ピアノへと向かったモリコーネの姿を捉えるところから映像は始まる。突然、自身が作曲、マカロニウエスタンの巨匠セルジオ・レオーネ監督の名作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』（1984）の中の有名な楽曲「デボラのテーマ」を即興でピアノ演奏してみせるモリコーネ。この思わぬ＜プレゼント＞にトルナトーレ監督は、満面の笑顔とともに、その喜びを噛み締めるー。トルナトーレの尊敬する師匠であり、同時に友でもあるモリコーネへの溢れる愛情を感じさせるシーンを切り取ったメイキングとなっている。モリコーネのより内面的・個人的な側面に踏み込んだ本作。＜尽きることのない天賦の才能＞と＜素朴さ＞が共存するモリコーネを描き出すためには「音楽という縛りの外にある彼の人生にも、少し踏み込む必要があった」と、トルナトーレ監督はコメントする。


例えば、劇中でたびたび登場する＜モリコーネ自身が小声で歌うシーン＞。それは、テクニカルな音楽用語を知らないトルナトーレ監督へメロディを伝えるためのものだった。しかし、「音楽のテクニカルな側面や、音楽に詳しくない観客に対しても、私と同じように彼の世界の舞台裏を観客に経験させ、震えるような感覚を味わってもらいたかった」とそのままそのシーンを採用、「エンニオについて語るというよりも、彼の音楽と同じように“今も皆の中に生きているエンニオ”を見せたかったのです。生きていて、まだ元気に作曲をしている人物かのように、そして夜には一緒に出掛けてワイン一杯を前に語り合うことができる存在かのように、彼を現在形で語る方が良いと思いました」と振り返るように、結果的に、モリコーネの音楽への真摯な想いと人柄を映し出す重要なシーンとなったことも明かしている。

モリコーネ自らが自身の半生を回想し、かつては映画音楽の芸術的地位が低かったため、幾度もやめようとしたという衝撃の事実の告白、そして、いかにして誇りを手にしたか？　数多の傑作の名場面とワールドコンサートツアーの演奏と共に紐解かれ、さらに、クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーンら70人以上の著名人のインタビューによって、モリコーネの仕事術の秘密が明かされる本作。モリコーネのメロディを聴くだけで、あの日、あの映画に胸を高鳴らせ涙した瞬間が蘇る。同じ時代を生きた私たちの人生を豊かに彩ってくれたマエストロに感謝を捧げる、愛と幸福に満ちた音楽ドキュメンタリーだ。



◆『モリコーネ 映画が恋した音楽家』 オフィシャルサイト