【インタビュー】B.R.T、韓国5人組バンドが日本を拠点に描く未来「K-POPとJ-POPが融合すれば、僕たちだけのK/J-POPが作れるはず」

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■ミニアルバムにはK-POPのDNAが多い
■それは日本に来たことで韓国の良さを発見できたから


──では、メンバーそれぞれの音楽的ルーツや好きなサウンドを教えてください。

IKU:K-POPにはなかなか見つからない繊細さがJ-POPにはある。僕が日本の音楽で一番好きなのは繊細な部分なんです。日本に来る前からそういう要素が入っている音楽が好きだったんですよ。たとえばヨルシカとかTOMOOとか、感情を音楽に表現し切っているのがJ-POPの長所だと思っています。

GON:僕は専門学校時代からヘヴィメタル系の音楽を作りつつ、B.R.Tの活動と両立してたんですけど、最近は弾き語りとかにハマってて。シンガーソングライターの大石昌良(オーイシマサヨシ)さんの曲をよく聴いています。聴きながら思ったのが、自分が好きな音楽はちょっとラフでタフで、自分がやりたいことを全部放つ曲だなっていうことでした。ちなみに好きなギタリストは、メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドやエリック・クラプトンで、昔よくコピーしました。

──ヘヴィメタルからオーイシマサヨシさんとは大きな変化ですね。

GON:そうですね。加入当時は、B.R.Tの活動とヘヴィメタル系のどっちを優先すべきかを考えた結果、B.R.Tに専念しようと。それまで自分が作る曲はギターが真ん中にいるものが多かったんですけど、この5人では、ギターの音量レベルを少し下げて、曲としていい感じの音楽がやりたいって思うようになりました。


▲SAY (セイ / Dr)

SAY:僕は日本のエモい音楽が好きで、最初はONE OK ROCKとかパンク系をやろうと思っていたんです。だけど、日本に来た頃のチャートでは、米津玄師さんの「Lemon」やOfficial髭男dism の「Pretender」とかが流行っていて。いろいろな音楽が受け入れられていることを知ってからは、自分が好きな日本のアーティストさんを探してみようと思って、たくさんの音楽を聴いています。最近はあいみょんさんが好きですね。あいみょんさんは音楽性の幅が広くて、素敵です。

──SAYさんも韓国で『LaLaland in Seoul』や、平昌パラリンピックのメインダンサーを務めた経歴の持ち主ですが、ドラマーとしての指向は?

SAY:僕もバラード好きの韓国人ですから、感情的なドラムを叩きたいっていう気持ちがあります。たとえばback numberはバラードでもドラムやギターの音を聴いたら、“この曲はback numberだ”ってすぐわかる。僕も、自分のドラムを聴いた人が、“これB.R.T曲だ”ってわかってもらえるような音を出したいです。

8K:僕も感情的な歌手が好きなので安全地帯の玉置浩二さんとか尾崎豊さんの曲をよく聴きますし、踊るときはONE OK ROCKとかパンク系を好んで聴いていますね。

G1:僕が初めて好きになった日本の音楽は、安室奈美恵ちゃん。まだ幼かった頃なので、音楽が好きというよりは安室奈美恵ちゃんの性格とか話す言葉とか、自分にないものを持っていることがカッコよく見えていたんだと思います。そういうところを入り口に、安室奈美恵ちゃんの音楽もカッコいいなと思って好きになったんです。好きな曲は“CAN YOU CELEBRATE?”(と歌い出す)。彼女にしか歌えない曲ですよね。


▲IKU (イク / Key)

──「CAN YOU CELEBRATE?」もバラードですね。先ほどの韓国シーンの話もそうですが、B.R.Tのミニアルバム『B.R.T -Chapter One-』を聴くとバラードが特徴になっていると感じました。

G1:この作品は結成当初に作った曲たちの集合体なんです。日本に来てバンドを始めて、“自分らしく楽しく音楽を作ったらいいんじゃないか”って制作したら、もちろんダンスや様々な要素が入っているんですが、やっぱり韓国風バラードの要素も多くなった。それって、日本に来てから感じることができたもので、結果、『B.R.T -Chapter One-』にはK-POPのDNAが多くなったんじゃないかなと思っています。それは日本に来たことで韓国の良いところが改めて発見できたということでもあって。今後の~Chapter Two~以降は、B.R.Tだけにしかできないような、K-POPとJ-POPがひとつに同居した他にないジャンルを作りたいと思っています。

──多くの曲でG1さんが作詞作曲を担当していますが、バンドで曲が完成するまでにはどんな流れがあるのでしょう?

G1:先にメロディーを作ったり、コードを決めてからメロディーを作ったりした後に、そのデモをIKUとGONに送って、基本的な形を作るんです。そこから8Kのベース、SAYのドラムが加わって、アレンジしていきます。今回の収録曲では、「少年は泣かない」は初めて最初から全員一緒にアレンジをした曲です。



▲GON(ゴン / G)

──では、おひとりずつ『B.R.T -Chapter One-』で特に聴いて欲しい曲を挙げるとすると?

IKU:先ほど、個人的に“繊細さ”を大切にしているというお話をしましたが、B.R.Tの曲でもメンバーにさえ気づかれないところまで、繊細さを加えようと意識しています。「この曲の終わりに」では、ボーカルの歌い方や感情の起伏に合わせて強弱をつけながらピアノを弾いているので、ぜひ聴いてほしいですね。

GON:もちろん全曲オススメなんですけど、一番頑張ってギターソロを作ったのが「Through the night」。僕は弾いてみた動画とかよく観るんですけど、「このソロ面白い!」って誰かがカバーしてくれるようなギターソロを作りたかったんです。「Through the night」はハードなソロなので、今後は歌えるぐらいに覚えやすいメロディアスなソロも弾きたいです。

SAY:僕は「花粉症」ですね。「花粉症」っていうタイトルからイメージするのは、“なんか面白そうな曲だな”っていうことだと思うんですよ。ところが、構成が緻密だし、どんでん返し…ギャップ萌えがある曲だと思っていて(笑)。日本の曲は比喩を使って表現するイメージがあるんですけど、この曲は別れからくる痛みを花粉症にたとえて表現しています。そういう部分もドラマーとして演奏で表現しているので、ぜひ聴いていただきたいです。


8K:「少年は泣かない」ですね。G1が歌詞を作ってきたとき、僕には意味が理解ができなかったんです。だって、少年は泣いてもいいですよね? でも、少年には悲しいときも楽しいときも盛り上がるときもあって、それを指弾きやピック弾きなど、ベーシストとしてのいろんな表現を活かして演奏できました。

G1:僕はバラードの「Forever」。日本に住んで4年が経つんですけど、これからも歳を取らず、少年のように楽しくやっていきたいし、そういうエネルギーをみんなにあげたいと思って作った曲です。日本に来てから感じたこととか、そのときの気持ちが入っていると思います。それは「少年は泣かない」もそう。

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