【インタビュー】ODDLORE、ワンマンライブを経て感じた成長。初セルフプロデュース曲に込めた思い

ツイート

9月9日、渋谷・WWW Xにて初のワンマンライブ<ODDLORE Original Live “ONE BY ONE”>を成功させた、6人組ボーイズグループ・ODDLORE。その中で披露した初のセルフプロデュース作品「ODDLORE CYPHER」が、11月10日に配信リリースされる。それに伴い、12月10日には池袋・Club Mixaにて<ODDLORE CYPHER RELEASE LIVE>も開催決定。

◆ライブ写真/関連動画

デビューから約1年半。歌もダンスも未経験だった彼らは、まさにいま勢いづいている。アーティストとしてもひとまわり成長したと言える。今回、そんな彼らにインタビューを実施。ワンマンライブの振り返り、「ODDLORE CYPHER」について、そして<ODDLORE CYPHER RELEASE LIVE>について、たっぷり語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

■先を見据えて考えることができた時間になりました

──まずは9月9日のワンマンライブ、お疲れ様でした。振り返ってみていかがですか?

KOYA:ステージに上がる前は緊張していました。ワンマンライブなので当然ですが僕らしか出演しないですし、お客さんもかなり入ってくださっていたので、余計ドキドキしていましたね。ただ、ステージに上った後はお客さんの熱量がすごくて、気付けば緊張を忘れて楽しんでしまっていて。もっと大きなステージに立ちたいと思えたライブになりました。

RIKITO:僕、一番最初にステージに出ていくんですよ。いざステージに上って照明が点いた瞬間、お客さんの顔が一気に見えて。正直それまでは不安に思っていたのですが、全部吹き飛びました。初めてあれだけの人の前でパフォーマンスをして本当に快感でしたし、倍の広さの会場でライブがしてみたいという明確な目標も見つかりました。

RION:僕は小学校の体育祭の前、みたいな気持ちでしたね。たくさんの人が来て、みんなで楽しむ場所を僕らが作るという感覚です。パフォーマンス中は動いているのでお客さんの顔が見えづらいのですが、MC中は照明が通っていたのでお客さんの顔もしっかり見えたのも良かったです。反応を見ていると、箱推ししてくれているのかなと思うことが結構あって。メンバーの誰が喋っていても笑顔で頷いてくれている人が多かったんですよ。めっちゃ盛り上がってくれているのが嬉しかったです。


──MCでも「本当は煽る予定やったけど、やる必要ないくらい盛り上がってくれてる」って仰っていましたね。

RION:そうなんです。会場を温めるためのMCを準備していたのですが、ステージに出ていった瞬間にはもう温まり切っていて(笑)。逆に僕らが乗っかるくらいでした。

RYUICHIRO:お客さんの空気はもちろんですけど、メンバーの緊張しているところ、ハイになっているところを見られたのも良い経験だったと思います。ハイになっているからこそ抑えなきゃいけない部分というのも見えましたし。この先2倍、3倍、10倍の広さの会場でライブをしていくことになっても通用するように、いろいろ考えなきゃなって先を見据えて考えることができた時間になりました。

JOSH:僕はステージに上っても「本当に楽しんでもらえているんだろうか」という不安はあったかも。というのも、僕がライブを観に行くときは盛り上がらないとかわいそうだから拍手をしてあげようとか、周りが拍手しているから拍手しようと思うことが結構あるんですね。そういう貢献精神からみんな盛り上がってくれているのかな? 本当に楽しんでくれているのかな? って不安はありました。ただ、<ODDLORE FREE LIVE -Under Test->の時のような恐怖心はなくて。スーパーポジティブな気持ちではありませんでしたが、ややポジティブくらいの気持ちではライブができたと思います。

YUI:僕もどちらかというと、“ややポジ”くらいだったかもしれません。本当にいい時間だったのですが、僕の音楽への解像度がもっと高かったら楽しさが倍増しているんだろうなって思って。単に楽しいからテンションが上がるだけではなく、内側から出てくるものがもっとほしいと感じたんです。気持ちが昂まる起点が音楽に依るものだったらいいのにって。なので、次の日からやるべきことが明確になった時間でもありました。

──やるべきこととは何だったのでしょうか。

YUI:聴く音楽の幅を広げることです。今まで音楽に無気力なところがあって、好きなアーティストしか聴いてきませんでした。でも今は知らないアーティストの曲もどんどん聴くようになりましたし、歌詞の分析や使われている楽器の抽出をすることも楽しいと思えるようになりました。音楽への解像度が高まればクリエイティブにも活かせますし、自分と音楽の距離も近くなりますし、良いことずくめだなと思っています。


──それぞれ学びの時間にもなったワンマンライブだったのですね。その中で披露された「ODDLORE CYPHER」がリリースされます。ご自身が書かれたバースにテーマをつけるとしたらどんなものになりますか?

RION:「救済」。ODDLORE に期待してくれている人は全員救う、という思いを込めています。

YUI:僕は「別の場所に行こう」。僕のバースでは「今の状況だと自分はこうなってしまう」ということを歌詞にしています。だからこそ今の状況を離れたらどうなるのか、一回離れてみてもいいのかもしれないという気持ちを裏に込めて歌詞を書きました。

RYUICHIRO:「吹っ切れた自分」かな。「俺はチビ」、「陽の目を浴びず嘆く朝まで」など弱い自分を表すようなワードが結構あるんですけど、最後は「気持ちで補う」に繋がっていて。なんとかなる精神でそういったネガティブを吹っ切っていくというテーマです。

KOYA:僕は「自由」。以前インタビューを受けた時にお話したテーマとはガラッと変えました。ODDLOREってメンバーみんなバラバラですし、本当に自由なんです。それに、ファンの方もそれぞれの道を持っていて、進む道は自由ですよね。迷うことがあるかもしれないけど、その時は俺たちがコンパスになるよという意味合いも込めて、「自由」をテーマにしました。

JOSH:「人間社会からの脱却」ですかね。常識や社会に縛られたくないですし、それに対する反骨精神、反抗心をイメージしながら書きました。

RIKITO:「ルーツと迷いと確信」。僕はカポエイラの他にも、極真空手やサッカーもルーツとして持っていて。それを歌詞に取り入れてみたり、5つの国の血が入っていること、5つの場所で生活したことがある経験などから、「五つ星」という言葉を使ってみたり。一方で自分の中にある迷いを書きつつ、最後は「俺にbetしとけ」と確信的な自信を見せています。



──それぞれ個性が見られる歌詞になってしますが、歌詞を書く時の自分なりのスタイルが見つかったりもしましたか? 例えばYUIさんは「ODDLORE DOCUMENTARY『DEPARTURE from the LABYRINTH』RAP CYPHER LOADING」の中で村上春樹の本を読んでいました。

RYUICHIRO:あれ、パフォーマンスですよ。

YUI:バラすな(笑)! そうなんです。僕は本をはじめ、いろんな作品に触れることをしました。といっても、軽く追うだけ。あえての、本腰を入れないインプットです。

RYUICHIRO:僕は1回ストーリーやキャラ設定を作ってから歌詞にしていきました。あとはあまり大きな声じゃ言えないのですが、本当に切羽詰まった時はタバコを3本連続で吸うんですよ。それで軽く酸欠になって(笑)、ふと落ち着いたときに意外と歌詞が出てくることに気が付きました。



──昭和の文豪みたいですね(笑)。

RYUICHIRO:本当にそんな感じ。よくお風呂に入ると浮かぶって聞くじゃないですか。でも僕は集中しないと書けないタイプで。なのでタバコを吸ってガッと集中して書き上げました。

RION:(びっしり書かれたスマホのメモを見せながら)僕はこういうメモを作ります。音楽畑出身ではないですし、場数もまだ少ないので突発的にメロディや歌詞が出てくるわけじゃないんです。なので、作品を作る理由から因数分解をすることが多くて。このラップは何のためにするのか、じゃあ何を伝えるのが一番いいんやろって分解して。そうやって因数分解したものに自分の主観やエゴを織り交ぜたり、9月9日にみんなが聞きたいであろう音楽を味付けしたり。あとは順番が最後だったので、まとめ的な要素も付け加えてみました。

JOSH:僕は深夜に書くことですかね。ボツになった歌詞って基本的に昼間や夜9時から10時くらいに書いたものが多かったんです。逆に採用した歌詞は深夜に書いていて。だからRYUちゃんと同じ理論で、頭がボケていたり、トリップ状態になっている方が良い歌詞が出てくるのかなって。僕、ロボットタイプって言われているじゃないですか。なので左脳が強くて理性が働きすぎて歌詞が出てこないんですよ。左脳の働きが鈍くなる深夜2時から6時くらいが一番出やすいかもしれないです。

RIKITO:僕はまず自分のルーツを詰め込むことを決めて、たくさんメモをとりました。石川、サッカー、カポエイラ、サーフィン……と自分にとってのゆかりの地ややっていること、それに関する言葉をバーッとメモしていって。そこにODDLORE のRIKITO要素を入れたかったので「具現化」や「lead me now」という他の楽曲で自分が歌っているパートの歌詞を引っ張ってきて。そこから広げて書いていきました。

KOYA:僕は、とりあえず1回作ったものを壊して、もう1回作るという2回構築するスタイルです。大体2回目に作ったほうが良かったりするんですよね。1回目に書いたものを聞き直すと、何を言いたいのかわからなくてモヤモヤするんですよ。客観的に物事を見ることは得意なので、「ここは結局何が言いたいんだろう」と見直しながら再構築すると良いものが作れると気付きました。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス