【インタビュー】LUNA SEA、真矢が語る『MOTHER』『STYLE』とドラム「音の幹の太さ…それがバンドの歴史の全て」

ツイート
no_ad_aritcle

■LUNA SEAに王道のチューニングは合わない
■そういうところはすごく気を遣うよね


──オリジナルの『STYLE』のドラム録りも、サウンドスカイ川奈スタジオだったんですか?

真矢:そうだね。川奈と、あとサウンドスカイ中野。『MOTHER』も川奈と中野と、あと話に出た世田谷のスタジオも。

──『MOTHER』は「襟を正したような演奏」と言っていましたが、『STYLE』になるとバンドのムードは違っていました?

真矢:『STYLE』の時期もあんまり変わらなかったんじゃないかな。逆に、『MOTHER』がいいアルバムだったから、『STYLE』を作った当時は相当なプレッシャーもあったと思う。なにかしら超えなきゃいけないからね。


▲<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023>10月7日@横浜公演

──でも音作りからアレンジまで、『STYLE』はいい意味でわがままになりましたよね?

真矢:そうかもしれないね。その頃、どんなもんだろうと思って、『STYLE』で初めてドラムチューナーの方をつけたんですよ。続くアルバム『SHINE』もそう。だからこの2作品は、歴代の僕のサウンドの中では、ちょっと風変りな感じのサウンドになっているかな。

──チューナーに音作りを完全にお任せしたんですか?

真矢:いや、相談しながら二人でやったんだけど。やっぱり「こういう音にして」とリクエストしても、チューナーのクセも出るじゃないですか。そのエッセンスがちょっと混じっている感じだよね。

──チューナーが用意してくれるスネアとかシンバルなどもあったでしょうからね。

真矢:そうそう、自分の機材ではできないことも、たくさんできたし。だから『STYLE』と『SHINE』はちょっと異色な音色のするアルバムだと思う。

──チューナーとの仕事で勉強になった部分も多かったですか?

真矢:一番勉強になったのは、“チューニングは自分でせい”ということです、ええ(笑)。自分の頭の中に鳴っているものを、人に伝えて、そういう音色として作ってもらうのは、すっごく大変なことなんですよ。音色が良い/悪いで当時は考えていたから。確かにチューナーさんに作ってもらうと、良い音色ではある。でも、これは自分の音色じゃないなって思うことがすごくあったんだよね。

──もどかしさがあったわけですね。それを天雷軒のラーメンにたとえると…。

真矢:おっと、たとえるか(笑)?

──魚介系スープと豚骨系スープのブレンド具合を自分の舌で分かってるのに、人にそれを伝えて作ってもらっても、ちょっとこの味じゃないんだよなっていう。

真矢:あっ、それたとえがダメ(笑)。結局、自分が出したい音ってのは、自分にしか出せないってことで。それはチューナーさんを否定しているわけじゃなくてね。どんな音でもいいから、とにかく良い音にしてっていうんであれば、チューナーさんは最高だと思いますよ。


▲<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023>10月7日@横浜公演

──真矢さんは、曲ごとにほしい音色やトーンって、音作りのときにハッキリとイメージがあるんですか?

真矢:ありますね、もう鳴ってます、頭の中で。

──それは原曲の作者、あるいはアレンジ中に他のメンバーからアイデアをもらうことも?

真矢:今は、自分でチューニングしてみて、曲に合わせて鳴らしたとき、原曲者にそれを聴いてもらって。「いいね」とか「もうちょっとスネアが響かない感じにできる?」とか。そういうやり取りもたまにだね。そういうのはだいたいイコライジングの問題だったりするんだけど。『MOTHER』のときも、音色は自由にやってみて、そのままレコーディングした感じだよね。

──レコーディングスタジオでは、音の作り込みもできると思うんですよ。曲ごとにチャレンジした部分も多かったですか? トーンも鳴りも曲ごとに変えていますよね。

真矢:だって、録りの部屋を全部変えていたぐらいだからね。すごく狭い部屋にドラムセットを入れて叩いてみたりとか。すごく広い部屋でも、ドラムセットを配置する場所をいろいろ変えてみたりとか。壁を見てドラムを叩くような配置にセットしたり、ホールのほうを見て叩くセッティングにしたり。オリジナルの『STYLE』に収録された「FOREVER & EVER」は、すごく広い音で録れているけど、実際には、もろに壁に付けるようにセットして叩いたんだよ。壁に向かって“FOREVER & EVER”とか“CLOSE YOUR EYES”って感じですよ(笑)。

──そういうセッティングのほうが、ドラムブースのアンビ感が良かったんですか?

真矢:前に飛ぶアンビじゃなくて、ヘッド側のアンビがほしかったから。

──そこまで曲ごとに、生音のチューニングとマイキングにこだわると、時間も相当掛かりますよね?

真矢:すごく掛かりましたね。録りの時間以上にセッティングの時間が。オリジナルの『MOTHER』の「CIVILIZE」はちょっと変わった音してるでしょ? これ、トップのマイク(上から狙うマイク)に、缶をかぶせたんですよ。そうすると缶が共鳴した音もマイクに入るから、カンカン音がするの。缶だけにね(笑)。だから、ああいう変わった音色になってるんだよ。そういうのはいっぱい試したな。

──缶も、どの種類がいいのかとか(笑)?

真矢:それはない(笑)。その辺りにあった缶です。


──そういう録り方アイデアは、エンジニアさんと話しながら思いつくんですか?

真矢:そうそう。スネアも、スタジオに転がっているようなやつを借りて、レコーディングしてみたりね。いろいろやったよ。要は、「襟を正していた」と言っても、真剣にやっていたんだけど、遊び心もちゃんとあったということだね。

──遊び心を持って作った音も、認め合うというのがLUNA SEAらしい。

真矢:そうだね。でも変な話、LUNA SEAには王道のチューニングって合わないんだよ。楽曲がかったるくなっちゃうんだよね。だからタムのうち1個だけ、ものすごい張ったりとかして。そうしないと楽曲がだるくなっちゃう。LUNA SEAは、すごくヘヴィな楽曲から速いパッセージの楽曲まで混在しているじゃん。ライヴをやっても、そういうところはすごく気を遣うよね。普通に“いいね”っていうチューニングにすると、ものすごくかったるくなっちゃうから。だからドラムセットの中での高低差がすごい。ハイピッチのタムからローピッチのタムまで。スネアも、ものすごい極端に張るし。極端に張らないと音が抜けないのね。実際、SUGIZOのギターアンプの前に立ってごらんなさいよ。倒れますよ(笑)。ちょっと張り過ぎじゃないってぐらい張らないと、ライヴでは音は聴こえるだろうけど、楽曲自体がかったるい感じになっちゃう。やっぱり音が抜けないんだよね。

◆インタビュー【3】へ
◆インタビュー【1】へ戻る
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス