【インタビュー】Nothing's Carved In Stone、メジャー移籍EP『BRIGHTNESS』完成「常に更新し続けていくバンドでありたい」

ポスト
no_ad_aritcle

結成15周年を越えてもなお、「生まれ変わって進んでいく」ことを改めて宣言した2024年2月24日の日本武道館公演で、Nothing's Carved In Stoneは新作EPをリリースすることを発表した。それから3ヵ月、5月15日にリリースされるEP『BRIGHTNESS』は、武道館での宣言通り“生まれ変わった”バンドの姿を印象づける作品となっている。

◆Nothing's Carved In Stone 画像 / 動画

Nothing's Carved In Stone的にシンプルなバンドサウンドを打ち出した11thアルバム『ANSWER』を経て、これまで以上に有機的に絡み合うようになった4人のアンサンブルをはじめ聴きどころに事欠かないが、何よりもEPと言いながら、全7曲というところにバンドの意欲が感じられはしないか。リリースの4日後には<BRIGHTNESS TOUR>と題して、全15公演を開催するワンマンツアーもスタートする。バンドを代表して、村松拓(Vo)と生形真一(G)にバンドがどんなふうに“生まれ変わった”のか、話を訊いた。


   ◆   ◆   ◆

■お互いにお互いのバンド人生を支え合う
■捧げ合うことで成り立っているバンドなんで


──2月24日に開催した15周年記念の日本武道館公演は、とても見応えがありました。全32曲3時間のライブは、バンドにとって1つの挑戦だったと思うし、その挑戦をあれだけ見応えのあるライブにしたことは、バンドとして1つのステートメントになったんじゃないかとも思うのですが、村松さんは終盤、Nothing's Carved In Stone (以下ナッシングス)の今後について、「生まれ変わって、もっと先まで行きたい」とおっしゃっていましたね。

村松:あぁ、言いましたね。

──その「生まれ変わって」という言葉は、たまたまその時出てきた言葉なんだと思っていたら、今回のEPの2曲目「Bright Night」の歌詞に“♪My new conscience (生まれ変わった心)”という言葉が出てきたので、バンドとして生まれ変わったという感覚があったんじゃないかと想像したのですが。

村松:武道館の時は、新しいナッシングスをもっと見せていきますという気持ちで言ったんですよ。僕らがやること自体は変わらないけど、もっともっと楽しんでもらえるようなナッシングスを見せていきたいっていう。ライブももちろんだけど、特に音源は。

生形:うちらに合ってる言葉だと思いますよ、生まれ変わるって。歌詞にもよく出てくるんですよ。やっぱり常に更新し続けていくバンドでありたいなとは思っているんで。それは音楽でも何でも、いろいろな面でね。


▲村松拓(Vo)

──なるほど。今回、10年ぶりにメジャーレーベルと手を組んだことも更新することの1つだと思うのですが、メジャーかメジャーじゃないかはさておき、どんなところから、またレーベルと手を組むという話が持ち上がってきたんですか?

生形:ナッシングスは以前にも一回、メジャーレーベルと手を組んだことがあるんですけど、アルバムを3枚リリースしたあと、自分達から離れたんです。そこからしばらくインディーズでやって、結成から10年経ったタイミングで、すべて自分達だけでやり始めた。というのは、それまで所属事務所があって、そこでインディーズとしてやってたんだけど、そこからも独立して、完全に自分達だけで始めたのが2018年。

──以降、事務所もレーベルもすべてセルフだったわけですよね。

生形:そうです。そこから5年間、自分達だけでやってきて、コロナ禍もあったからけっこうバタバタしたんですけど、5年間続けてこられたという手応えもありつつ、ここから先に行くにはどうしたらいいだろうって考えた時に、もう一回レーベルと組むのもありかもしれないという話になったんです。バンドとして15年やってきて、音楽はもちろんなんだけど、活動の方針にしても意外に凝り固まってきたところもあると思うので。そういうところで、いろいろなアイデアを少し俯瞰で見て意見を出してくれる人がいると助かるなって考えたんです。実際、今回のEP制作にあたってもいろいろ意見をもらったし。それは自分達から求めたことでもあったわけで。

──どんな意見をもらったんですか?

生形:今回、3曲だけアレンジャーさんを入れてるんですよ。

──なるほど。アレンジャーを入れたのは、どの曲ですか?

生形:3曲目の「Will」と4曲目の「Dear Future」と5曲目の「Freedom」です。


▲生形真一(G)

──おー、そうなんですね。それは興味深い。それについては後ほど聞かせていただきますが、その他、レーベルと組むことで、どんなことができると期待していますか?

村松:フォロワーを増やしていくという意味では、自分達だけでやっていた時よりも規模がでかいことができると思うんですよ。

生形:これまでSNSの更新から何から何まで、メンバー4人とスタッフ2人、計6人だけでやってきたんですけど、その間に時代がとにかく変わっちゃったんで。でも、メジャーレーベルならそういうノウハウも当然持ってるだろうし。

──逆に、“あれしてくれ、これしてくれ”って言われたら面倒くさくないですか(笑)?

生形:言われることはないと思うけど、言われても、自分達の意思はちゃんと伝えるんで、そこは大丈夫です。

──そうですよね。そこはすでに15年やってきているわけで。

生形:そうそう。

──ところで、今回のEPの、もう1つのトピックとしては、フィジカル作品としては、11thアルバム『ANSWER』から2年半ぶりのリリースになるのですが、その2年半の間には、ELLEGARDENABSTRACT MASHが久しぶりに新作をリリースするという、生形さんと村松さんによるナッシングス以外の活動もありました。その活動がその後のナッシングスの活動に何か影響を与えた、なんてことはあるんでしょうか?

生形:俺はありますね。でも、それは逆もあるんですよね。ナッシングスの活動がELLEGARDENに与える影響もあって、そのお互いの刺激はすごくあります。“ここで経験したことを持ち帰らなきゃ”ってどっちでも思います。

村松:僕もそう。どっちも自分の中で影響し合ってる感じですね。でも、本当に一緒なんですけどね。やっていることはナッシングスでもABSTRACT MASHでも基本変わらない。中身はバンドだから。どっちが上とか下とかも、音楽だからない。愛情を注いで、育てて、いい曲やって、いいライブしてっていうのを本気でやるだけなんですけど、やってる人が違うから違うものになってくっていう。そんなふうに自分の中の蓄えとして積み上がってきたものをまたナッシングスで出す。で、ABSTRACT MASHに戻ったら、ナッシングスで蓄えたものが自然と出る、みたいな。それをより濃密にしたいという思いはありますけど、じゃないと、ウブ(生形)がELLEGARDENですごい経験してくるのがわかってるし、ひなっち(日向秀和/B)はもともとストレイテナーがあるし、セッションもやってるし。オニィ(大喜多崇規/Dr)にはオニィのフィールドがある。それぞれに素晴らしいミュージシャンだから、中途半端にやってたらね。やっぱり、負けないくらい濃いものを出さないと、という気持ちと言うんですかね。

生形:やっぱり、得るものはすごく多いですよ。他の場所に行くっていうのは。


──ちょっと変な質問しますね。セッションはともかく、ナッシングス以外のバンドをやることに嫉妬心って湧きませんか(笑)?

生形:それはないけど、顔が違うなっていうのはすごく感じます。それは、全員に。例えばストレイテナーをやってるとき、ひなっちはやっぱりストレイテナーの顔をしているんですよ。顔って言うか。

村松:空気が違う。

生形:うん、違うよね。出してる空気が。あれは何なんだろ? 不思議ですよ。もちろん、一緒にいる人が違うから変わるんだろうけど。

──違う顔をしているならいいんですけど、“俺とやる時より、いい顔している。悔しい”みたいな気持ちになることはありませんか?

村松:でも、輝いてるのはうれしいですよ、純粋に。“カッコいいじゃん。やっぱりカッコいいことをやるんだ、どこに行っても”っていう気持ちにはなるけど。

──嫉妬することはない、と。

生形:逆に言うと、ELLEGARDENに行ってる時ってナッシングスの生形として行ってるという気持もどこかしらにあるんですよ。その一方でナッシングスに来てる時は、ELLEGARDENの生形として来ている部分もある…言ってる意味、わかります(笑)? だから、カッコ悪いことはできないっていう。

──なるほど。そうか。そのカッコいい姿を独り占めしたいみたいな気持ちにはならないわけですね(笑)。

村松:うん、言ってる意味はわかりますけどね(笑)。

──すみません、余談でした。でも、「15年やってきて、やっとしっかりとバンドになれました」って、村松さん、武道館で言っていたじゃないですか。しかも、「Dear Future」では、“♪未来も夢も希望も 愛で埋め尽くして”と歌っている。メンバーに対する愛はそれぞれに、以前よりも深まっていると思うんですよ。

村松:それはやっぱり所属事務所から独立してからの5年は、そこまでの10年と違った意味での濃さがありましたからね。お互いにお互いのバンド人生を支え合うというか、捧げ合うことで、今は成り立っているバンドなんで、そこに応えたい気持ちって言うんですかね。メンバーがやろうとしてること以上のものを提示していきたいし、逆に提示してくれるし、みたいな関係性の奥にあるものっていうのは、「Dear Future」みたいなことだよなとは思うんですよね。

◆インタビュー【2】へ
この記事をポスト

この記事の関連情報