60歳を越えてTina Turnerはライヴで宙を飛んでいる!

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60歳を越えてTina Turnerはライヴで宙を飛んでいる

62歳(各種資料による)という円熟の年齢で、生きる伝説Tina Turnerほどエネルギッシュでダイナミックなステージをこなす歌手は、世界中どこにもいないだろう。

アナハイムのアローヘッドポンドで彼女とプログラムに名を連ねていたヴェテランLionel Richieと新人Janice Robinsonは、たがいにまったく異なるアプローチでそれぞれの仕事を十分に果たしていた。にもかかわらず、ヘッドライナーTurnerの息を呑むステージを見せつけられると、2人が窮地に追い込まれたように思えた。

Janice Robinson
Robinsonは力強い絶唱を聞かせる歌手で、'99年米国Warner Bros.からリリースされたデビューアルバム『The Color Within Me』はいまも売れ行き順調である。彼女の歌は、ロックとファンク、ゴスペルの要素が混ざり合っているのでジャンル分けが難しく、それがラジオ局であまり取り上げられない一因になっている。

残念なことにこの夜のアローヘッドポンドでは、伴奏がギタリスト1人だけだったせいで、Robinsonの魅力が十分に発揮されることはなかった。フルバンドが付けば、彼女はMacy Grayのような同世代の歌手に匹敵する。

しかし、そのような確かな歌唱力でエネルギッシュに歌っても、この夜彼女の歌は、なかなか客席に届かなかった。

彼女の短いステージのハイライトは「Afterlife」と名曲「Finally Taking Over」で、観客はこの2曲には心からの拍手を送っていた。せっかく客席が満員だったのだから、満場の拍手にふさわしい彼女の才能がはっきり分かるバンド編成でステージを見たかったと悔やまれる。

Lionel Richie
Richieは、実績あるアーティストらしく観客を満足させた。観客の大半はTurnerが目当てだっただろうが、Richieもグラミー賞受賞のシンガーソングライターである。

ライヴの盛り上がり方を見ると、彼の往年のヒット曲を聞きに来た人々も相当いたようだ。そんな観客に、彼は応じた。

1曲目は劇的に、'84年ヒットチャート1位のバラード「Hello」。続くソロ時代のヒット「All Night Long」や「Stuck On You」のグルーヴは、すぐさま会場全体に広がった。けれど、さらに会場が盛り上がったのは…「Easy」と「Fancy Dancer」そしていまなおファンキーな「Brick House」経由で…彼が懐かしのCommodores時代に観客を連れ戻したときだった。

1曲だけ、ラテン風の新曲「Cinderella」を歌ったのは、うまい演出だった。'90年代、Richieはチャート上位から遠ざかっていた。しかし、この新曲にたいする観客の反応を見ると、年内の次のプロジェクトで彼がヒットチャートに凱旋する可能性は大いにありそうだった。

Tina Turnerは格が違っていた。申し分のないミュージシャンとコーラス隊を従え、並外れた演出装置を使って(たとえば彼女はクレーンにぶらさがって文字通り観客の頭上を飛んだ)、この夜Turnerは本領を発揮した。彼女が飛び跳ね、踊ると、観客は目を見張った。

しかし、Ikeの命令通りに歌っていた初期の彼女の苦悩を知る者にとって最も驚いたのは、この夜、彼女が過去の偉大なソウル歌手たちの伝統を受け入れたことだった。彼女が独自の解釈で歌うThe Beatlesの「Help」やスタンダードの「Try A Little Tenderness」(こちらは亡きOtis Redding風だった)は、名品と言うよりほかになかった。

それらの曲を聴くと、長年のあいだTurnerの歌唱力がまったく衰えていないことがよく分かった。しかし、ファンを座席から立ち上がらせたのは、「Better Be Good To Me」や「I Want To Take You Higher」から「Simply The Best」や「Addicted To Love」まで、途切れることなく続くアップテンポのグルーヴだった。

'84年に大ヒットしたアルバム『Private Dancer』の数曲(いまや古典となった「What's Love Got To Do With It」を含む)も、受けがよかった。またTurnerは当然、最新アルバム『24/7』からも2曲を歌った。シングルカットされた「When The Heartache Is Over」と力強い「Absolutely Nothing's Changed」である。

不満があったとすれば、前作のアルバム『Wildest Dreams』の曲も聴きたかったという点だけだった。ライヴでは彼女に並ぶ者はないと、改めて思い知らされた一夜だった。

by David Nathan

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