新曲も披露された野外ライヴを迅速レポート！
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| “踊れるR&R”というテーマのもとに、コピーバンドによるオープニングアクトやゲスト・ミュージシャンとのコラボレーションなど、 TRICERATOPSとしてはこれまでにない新しい試みを満載したライヴ ＜DINOSAUR ROCK'N ROLL＞。 そのためか、セットリストにはシングル曲を中心に 洋楽のスタンダード・ナンバーなどが多く組み込まれていた。 |
8月19日。久々に気持ちの良い晴天だった。右手には海が広がり、ステージ後方には東京のビル郡を望む東京ビッグサイト横に組まれた巨大な野外ステージ。そこにTRICERATOPSが現れたのは、まだ陽の高い夕方５時半近く。大量のスモークが吹き出しメンバーが登場すると、ひと呼吸おいてから「彼女のシニヨン」が始まった。照りつける陽射しと海から吹く涼やかな風も、こうした野外ライヴでは格別な演出となっている。短いMCを挟み、“踊れるR&R”というテーマ通りにアップテンポの曲が続く。そして「FEVER」のラストで和田くんが客席の中まで伸びた花道前方まで走って来ると、そこにはアコースティック用の小さなステージが出現していた。そのスペースが死角になって見えないエリアのオーディエンスを気づかって、ステージ上の巨大ヴィジョン越しに手を振ったり立ち位置を変えてMCをしたりと、しばし和やかな雰囲気。そして 「ジャンルは関係なく、僕たちの好きな曲を演ります」 という言葉の後に、「夢の人」「君の瞳に恋してる」、そして「if」の3曲がアコースティック・スタイルで演奏された。ステージとスピーカーの位置が変わったことで演奏しづらそうな部分も見受けられたのだが、メンバー同士でアイコンタクトをとりながら呼吸を合わせていたりする姿は、ミュージシャンとしての信頼関係やバンド内のムードが非常に良い状態であることが伝わってくるものだった。それはその後、再びメインステージに戻り、ゲストのスガシカオが登場したときにも感じることができた。スティービー・ワンダーの「SUPERSTITION」と「OVERJOYED」をセッションしながら、それぞれが演奏を楽しみながら互いをリスペクトし合っている、そんな空気が伝わってきたからだ。 「ロケットに乗って」や「Raspberry」などシングル曲を連発して一気にラストまで突っ走った後半は、定位置＋ステージ左右＋花道前方に置かれた計4本のヴォーカル・マイクをフル活用するかのように走りまくり＆移動しまくりで客席を煽りまくった。 そしてこの日最後の演奏、2度目のアンコールでは新曲が披露された。まだタイトルも決まっていない、アレンジも詰めていない、もちろんレコーディングもしていない。その産まれたばかりの楽曲は、緩やかなメロディ・ラインが美しくも切な気な、これからどんどん成長していくであろうことを予感させる好楽曲であった。ちなみにこのときは「フォール・アゲイン」という仮タイトルで紹介されていた。 ギターとベースとドラムという、バンド形態としては最小限の楽器でありながら重厚なサウンドを作り上げるTRICERATOPS。もっと評価されるべきバンドなのになぁ、というもどかしさすら感じた素晴らしいライヴであった。 文●望木綾子（00/08/19） |
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