しっかり進化しながら自分達の本質を魅せた作品

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THE COLLECTORSの新作アルバム『SUPERSONIC SUNRISE』が2001年2月1日に発売、そして彼らが主軸となる新レ-ベル"WONDER GIRL RECORDS"が本格的に始動した。

このレーベルに対して、今回インタヴューに答えてくれた加藤ひさし氏(Vo)は、
「もともとこのレーベルは、THE COLLECTORSがリミックス盤やアナログ盤を出す時に使ってたレーベルなんですよ」と、軽い前置きを挟みながら語り始めた。

そのレ-ベル設立の話を受けたところから進めていこう。



『SUPERSONIC SUNRISE』

TRIAD/HEATWAVE COCP-50465
2,940(tax in) 2001年2月1日発売!

1.A TASTE OF YOUTH
2.SHINE ON! STARDUST CHILDREN
3.MILLION CROSSROADS ROCK
4.恋のしわざ
5.LUNA
6.PUPPET MASTER
7.A WAY OF LIFE
8.遠距離通話サービス
9.ジェリーに相談
10.
沈みゆく船






●加藤ひさし氏(Vo)から
 メッセージが届いています!





●LIVE SCHEDULE
3/20(火・祝) 仙台CLUB JUNL BOX
  〔問〕G.I.P 022-222-9999
3/23(金) 福岡DRUM Be-1
  〔問〕くすミュージック 092-791-0999
3/25(日) 大阪BIG CAT
  〔問〕GREENS 06-6882-1224
3/26(月) 名古屋Electric Lady Land
  〔問〕ジェイルハウス 052-936-6041
3/31(土) 新宿LIQUID ROOM
  〔問〕FLIP SIDE 03-3470-9999

加藤ひさし:
ビートルズの"APPLE"然り、ポール・ウェラーの"RESPOND"然り、そういうバンド側でイニシアチヴを取っていくレーベルが欲しかったんですよ。まぁ、先の話になるんだろうけど、このレーベルからは、自分達だけじゃなく、他の面白いアーティストの作品も出せたらいいなぁとも思ってるし。確かに、レーベル設立と言うことで、まずは自分達が良い成績を残すことが先決なんだけど。でも、これまでハンコ4つ必要なとこを、2つで済むくらいの身軽さがあるぶん、今後いろいろと仕掛けてはいきますよ。

――今、THE COLLECTORSが主軸となって開催してるイベント<MAGIC FUN FAIR>がありますよね。そこからの流れが、レーベルへ反映することもあり得るということですか?

加藤:
そうなれたらいいよね。このイベント自体が、今はバンド3つとDJを入れながら、その空間へ入った瞬間「ここは'68~'69年の世界!?」って錯覚するような形を作って演ってる。とにかく今までって、とんでもないイベントへ出ては、バンド側も観に来たお客さんも、目的までの待ち時間が長すぎて、テンションが下がってしまうというのが、すっごくあったし。それが嫌だったからさぁ。だったら、最初から最後までテンション下げずに楽しめるイベントを、自ら企画するしかないなということで、この<MAGIC FUN FAIR>を始めたわけ。きっと今後このイベントも、どんどん変化させていくと思うから、楽しみにしててよ。

――ところで、2月1日に通算12枚目となるアルバム『SUPERSONIC SUNRISE』が発売になりますが、このアルバムは"ポップなTHE COLLECTORS""コアなTHE COLLECTORS"という、大きな2つの特性を持った内容になってますよね。とくに6曲目の「PUPPET MASTER」以降からのアルバム後半部分は、BACK TO ROOTS 的な匂いを感じさせる、とてもアーシーなスタイルが展開されてたから、すごく感激してしまいました。

加藤:
今回はね、もぅ素直に自分達の好きだったサイケデリックな感じ!? …それを演ってみるのもいいかなと思ってやり始めたんだけど。フッと周りを見渡してみると、そういうことをやってる奴らはほとんど見かけなかった。だったら「みんなが踏み込む前に、俺らが踏み込んじゃえ」ってことで、思いきり演ってしまいましたね。

――もうここには、ポップなフレイバーをまといながらも、'60~'70年代ロック的な危ない香りを持った、大作ナンバ-が目白押しですもんね。その世界にハマッちゃうと、ホントに心地よくって、抜けられなくなるんですよ。

加藤:
ホントに今回はBACK TO ROOTS かな。確かに僕の大好きな'60年代のロックが持ってた香りが、アルバムの中には漂っている。でもそれだって"懐かしくて"演ってるわけじゃなく、たとえば9曲目の「ジェリ-に相談」のサビの感じとか'60年代当時には絶対書かれなかった仕上がりにもなってる。だから、単に懐古趣味で演ってるわけじゃなく、しっかり進化しながら自分達の本質を魅せた作品にはなってると思うよ。

――それは感じます。しかも、ポップな匂いを本質的に持ってるバンドなぶん、どんなにマニアックなことを演っても、決して自己満足的な音へ陥ることはないじゃないですか。そこがまたいいな~と思いますね。

加藤:
ポップな面は、本質的に持ってるというか。それを宿命的に背負って生まれてきたバンドだから、そこに関しては全然心配ない。だって元々がさ、みんなにキャーキャー言われたいってとこから始まってんだから。

――(笑)。たとえば、壮大なコンセプト・アルバムを作ろうと思ったりはしないんですか? この『SUPERSONIC SUNRISE』を聴いてると、充分にその力量は備えてますけど。

加藤:
じつは俺、20歳の時から「40歳までに『トミ-』のようなロック・オペラを書く」って言う目標があったんですよ。いろんなアルバムの中で、そういうムードやテーマ性を持った楽曲をバラ売りしちゃった所があったぶん、1枚完璧に作り上げるまで持たなかったんだよ(笑)。それに'80年代後半から'90年代中盤頃までってさ、大好きな'60~'70年代ロックの匂いを楽曲の中へ表現しすぎると、凄くパロディに映ってしまう危険性があった。だからあえて踏み込まず、「どうモダンに聴かせるか」という方法を模索しながら表現してた。今はも~そういうのが関係ない時代じゃない? だからこそ、こういったアルバムが完成したわけだし。きっと今後は、もっと"独りよがりなアルバム"を作っていくかもしれないし、言われたような"コンセプト・アルバム"を作るかもしれない。俺らも昨年で40代へ突入。こうやってレーベルも設立し、気持ち的には第二期へ以降した気分でいるからさ。

――えっ、もう40歳なんですか?

加藤:
そう。結成して15年、デビューして今年で14年目。でもやっぱいつまでもさ、たとえば18歳くらいのバンドを演り始めたばかりのような連中に、「あいつら40歳なのに、これでいいの?」「14年も演れてるんだから、俺らも出来るんじゃない!?」と思わせ続けられるくらいのヤンチャさは、これからもズーッと持ち続けていたいっていうか。も~人生の半分近くをTHE COLLECTORSへ費やしてるんだから、も~普通の人生へなんて、いまさら戻れないですよ(笑)。

取材・文●長澤智典

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