レッドマン VS ダボ…日米ラッパーの一騎打ちとなったこのステージ。果たして その行方は… ?

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レッドマン VS ダボ…日米ラッパーの一騎打ちとなったこのステージ
果たして その行方は… ?

Def Jamらしい完璧な王道エンタテイメント

DABO最新作品

『PLATINUM TONGUE』

DEF JAM JAPAN UICJ-1002
3,059(tax in)2001年06月13日発売

1 PLATINUMINTRO
2 MIC CHECK
3 マチガイナイ!
4 O-RE-BA-NA
5 BUNNY TALKS
6 PLATINUM TONGUE featuring SUIKEN
7 HI-LIFE (RELAXXX)
8 PINKY ~だから、その手を離して~ featuring TYLER
9 拍手喝采
10 レクサスグッチ
11 徒然草 featuring HUNGER and MACCHO
12 愛しのサブリナ
13 R.E.C. ROOM (BAD TRIP)
14 DAIMONION FUNK (I GOT CHA)
15 JOLLY'S PIANO
16 この指止まれ featuring CQ
17 SNEAKER PIMP (TWO PIMPS IN A CYPHER MIX) featuring TWIGY
18 ZERO (MUKASEE MUKASEE MIX)


必見DABOインタビュー映像
INTERVIEW 001

●“ニューアルバム『Platinum Tongue』に込められた意味”
●“トラック選びと地獄のダメ出し週間”


INTERVIEW 002

●“ナルシストなDABOなコスリネタ”
●“客演について”


INTERVIEW 003

●“「ZERO」の独特な世界観”
●“リリックの中での「オレ節」”
●“リリックを書くこと”

INTERVIEW 004

●“今後のDABOの立ち位置”
“次にコラボレートしたいトラックメイカー”
●“DABOにとってのHip Hopシーン”



■インタビューページはこちら


REDMAN最新作品

『MALPLACTICE』
DEF JAM JAPAN UICJ-6014
1.890(tax in)2001年05月30日発売

1 Roller Coaster Malpractice Intro
(feat. Adam F and G.Forbes)
2 Diggy Doc
3 Lick A Shot
4 Let's Get Dirty (I Can't Get In Da Club)(feat. DJ Kool) 5 WKYA (drop)
6 2-Way Madness (Skit)
7 Real N***** (feat.Scarface,Treach,Mally G & Icarus)
8 Uh-Huh
9 Da Bullshit (feat.Icarus)
10 Who Wants To F*** A Millionaire (Skit)
11 Enjoy Da Ride (feat. Method Man,Saukrates & Streetlife)
12 Jerry Swinger Stickup (Skit)
13 J.U.M.P. (feat. George Clinton)
14 Muh-F****
15 Bricks Two
(feat. Double O,D-Don,Roz,Shooga Bear & Pace One)  
16 Wrong 4 Dat (feat. Keith Murray)
17 Judge Juniqua (Skit)  
18 Dat B**** (feat. Missy Elliott)
19 Doggz II
20 Whut I'm a Do Now
21 Soopaman Luva 5 (Part I)
22 Soopaman Luva 5 (Part II)
23 Smash Sumthin' (feat. Adam F) **BONUS TRACK


昨年12月に行なわれた設立パーティも記憶に新しいDef Jam Japan。現役レーベルとしては世界最大にして、老舗中の老舗であるDef Jamが日本支部を発足して約半年。

その邦人アーティストとして第一弾契約を結んだのが、Nitro Microphone Underground(以下Nitro)だ。Nitroとは、DABO、Suiken、Macka-Chin、S-word、Deli、Gore-tex、XBS、Big-Zamの8人からなるMC集団。

初期衝動的な起爆力と卓越したスキル、一見矛盾する要素を併せ持つバランス感覚、そして何より「ストリート受け」する不良的なアティテュード。本国でL.L.COOL.JJAY-ZDMXREDMANといったメガヒット級のアーティストを抱える同レーベルの指向性は、まさにNitroにとってもうってつけだったのだ。

そんなNitroから、「Mr.フダツキ」を自称するDABOがソロとしてデビューする。Def Jam Japan所属のソロ・アーティスト第一弾となる彼。その記念すべきデビュー・アルバム『Platinum Tongue』の発売を目前に控え(6月13日発売)、5月31日、新宿Liquid Roomにてスペシャル・ジョイント・ライヴが開催された。共演は、なんと本家Def JamからREDMAN!

開演後、ステージ上でDJプレイが繰り広げられた後、遂にまずDABOの登場。


DABO
この日の前日にアルバム前のラスト・カットとなる「Zero」をリリースし、観客の期待は最高潮。そんな期待を知ってか知らずか、DABOはいつも通り堂々としたステージ捌きを見せる。

バックはDJ Hazime、サイドMCにNitroのBig-Zam。

「Mr.Fudatzkee」「Supadondada」「煙り立つ東京」など過去の人気曲を立て続けに披露し、インターバルを置かず一気に捲し立てる。最近は大人数のNitroでのステージに馴れ過ぎていたせいだろうか、2人でのステージをややもて余す場面も見られたが、それでも彼は本来の持ち味である憎らしいほど余裕綽々とした佇まいでタイトに見せてくれた。

何より人気曲「Sneaker Pimp」では、派手なトラ ックとも相まってかなりの盛り上がりを作り出し、ラストの「拍手喝采」リミックスではBig-Zamに加えDeliも参加。1時間のステージを最高のテンションで締めくくってくれた。

そして、続いてREDMANの登場。

2000年12月に行なわれたDef Jam Japan設立パーティでもMethod Manと共に来日していたから、ヒップホップ・アーティストとしては異例の短いスパンと言えるだろう。今回の来日は新作『Malpractice』の発売に伴ってのプロモーション目的のようだが、新曲「Let's Get Dirty」は現在日本のクラブでも大ヒットしているだけに、ファンにとっては願ってもないタイミングだった。

実際、観客の熱狂ぶりは凄まじく、正直、DABOのそれをかき消すほどの狂乱ぶりとなった。これはREDMANのパフォーマンス・スキルの素晴らしさもさることながら、観客が求めるものが何だったのか、それをシビアに浮き彫りにした結果だろう。この辺り、世界的な人気を誇るDef Jamならではの今後の課題と言えそうだ。

REDMAN
ともあれ、REDMANはプロフェッショナルだった。日頃「1stアルバムはあまり好きじゃない」と公言している彼だが、最も盛り上がる曲が詰め込まれているのがその1stアルバム『Whut? Thee Album』なのも事実。そして、彼自身そのことを重々承知しているのだろう、「Tonite's Da Night」「Time 4 Sum Aksion」など一連のクラシックをキックし、会場も上がりまくる。

彼のステージングはお決まりの「
ガイジンキ○ガ~イ」コールに始まり、ヒップホップでは珍しいダイヴを見せるわ、スピーカーによじ登るわ、観客席に降りてラップするわ…と破天荒そのものなのだが、その実、それらは完全なプロ意識により、絶妙にコントロールされている。破綻するギリギリのところまでいきながら、声は荒らさず、パワフルさは保たれたまま、フロアは煽られていく。De La Soulとの共演曲「Oooh」や勿論「Let's Get Dirty」など、観客が最も望んでいる曲をキチンと披露し、正味1時間弱でサクッと終了。

アンコールもなく客電が落ち、やや拍子抜けした観客達が帰ろうとしたところにニコニコしながらステージに現われ、観客と写真やサインでコミュニケーションをとる…。いやはや、いかに「ストリート発」で「リアルな」アーティストでも、アメリカのショウビジネス界でトップを取るというのは、つまりこういうことなのだ。本場の逞しさ、したたかさを見せつけられつつ、ヒップホップ・ショウとしてはDef Jamらしい完璧に王道エンターテイメントを堪能できた夜だった。

文●古川 耕(01/06/12)

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