“東洋の怪物”、アメリカ上陸! 新作『010』遂にリリース!

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“東洋の怪物”、アメリカ上陸!

肉食動物“ロックバンド”の変異、そのまま進化・変身を…

最新アルバム

『010』

Speedstar Records VICL-60754
7月11日発売 3,045 (tax in)

1 INTRODUCTION 010
2 COME
3 CHAOS STEP
4 GAGA LIFE.
5 JAM!
6 雲 -kumo-
7 WARDANCE
8 ××× can of this.
9 BIT CRUSHERRRR
10 THIS IS THE MAD STYLE
11 GOOD DAY
12 FLY HIGH
13 NO FOOD, DRINK, OR SMOKING
14 R.D.M.C

2年ぶりの新作は先行フィギュア付き限定シングル「GIGA LIFE」「CHAOS STEPS」の弾丸サウンド。煮詰めたサウンドを一気に爆発させたという感じであった。この幻のシングル2曲も収録された新作『010』はマッドなマッド節的、シーケンスサウンドと生バンドの音が今作も絶妙に融合され、さらに音圧も倍増された作品が収録されている。

M1「INTRODUCTION 010」やM10「THIS IS THE MAD STYLE」はどちらも電子音的ビートと重低音のギターとベースで処理し、とどめを撃ち込む生ドラムをずしりとのっける。これは以前からマッドが提示してきたサウンドであり、より重厚にそして明確に自身のスタイルを誇示してきた。
しかし、かれらはそれだけではない。前作『OST-DIS』での爆発的人気曲「GOOD GIRL」でみせた抜群のメロディは今作でも健在。M12「Fly」は疾走感溢れるリズム体にキャッチーなメロディで聴かせてくれる。
M6「雲-kumo-」は、タイトルのイメージをそのまま表現し、どこかに飛ばされるようなそんな浮遊感溢れるギター音に泡のような電子音。そして何よりもKyonoの甘い歌声と言葉の洪水を浴びせるラップは絶妙だ。そして日曜の昼下がりにでも聴きたくなるような曲M11「GOOD DAY」は後半の爆発的展開も◎。やはり全体を通してTakeshiの曲作りのセンスが光っている。
また、7曲目「WARDANCE」は、King Of Punkと言われたKilling Jokeの'80年1stアルバム『Killing Joke』からあの「WAR DANCE」をマッド風にカヴァー。まさに今のマッドだからできること。と、本当にお腹いっぱいのアルバムだー!




バークスより、プチ・ニュース!

渋谷のタワーレコードに2001年7月17日くらいまで、WHITE CRUSHER-DESTROYDER(コードネーム010)が登場。
新作『010』のジャケと同じ巨大ロボットだ!
来週には大阪にも行く予定。
噂では“動く”そうだ! わくわく☆
そして全米リリース 

2001年5月23日発売

「CHAOS STEP」

SPEEDSTAR RECORDS
VIZL-51 1,260(Tax in)

1CHAOS STEP(OPENING)
2CHAOS STEP

2001年6月13日発売

「GAGA LIFE.」

SPEEDSTAR RECORDS
VIZL-52 1,260(Tax in)

1GAGA LIFE.(OPENING)
2GAGA LIFE.
すでに結成から12年目を迎えているThe Mad Capsule Markets(以下、マッド)。

'99 年に出された前作『OST-DIS』のあの興奮から約2年。見た目も格好も「おいおい、どんどんと若くなってないかい?」と言いたくなるくらい、活気があって楽しそうな表情の新作PVを目にした人も多いはず。

マッドは作品を出す度に、より強力なサウンドでファンを驚かせてきた。そして2001年、正式にIsland Recordsの創始者クリス・ブラックウェル氏率いるパームピクチャーズから前作『OST-DIS』の今夏全米リリースが決定! 本格的に世界へ飛び出す時がきたのである。

そしてそのタイミングと相まって2年ぶりとなる最新作『010』(テン)がアウト。長年のマッド・ファンだったらもちろん、「おいおい、まだ作るの?」と突っ込みをいれながらも、その出来に期待は隠せない。

そして最近の本物志向のサウンド流通が活発化したことと、前作から続くグッズをつけてのシングルが5、6月にリリース。しかも2ヶ月連続リリースシングル+フィギュア付きとくれば、今のストリート・カルチャー・シーンにおいても目が離せない存在だ。

時は2001年6月30日。Shibuya Quattro 

熱気は外の空気と同じだった。

梅雨だというのにうだるような暑さが続き、この日もひさしぶりにザーッと雨が降ったが、すっきりとはせず、もやもやしていた東京。そんななか、渋谷クアトロの前にはタオルを巻いたり、団扇で扇ぐ人々がたまっていて、私の気分はさらにあつ~くなる。

始まる前はがんがんにミニマル・ミュージック。会場にいるどれだけの人がテクノのイヴェントなどに行くかはわからなかったが、とにかくマッドはそういったダンス・ミュージックからのヴァイヴをも吸収し、破壊・消化を経て、一連の匂いを表現していることは過去の作品からも確かだろう。

ダンス・ミュージックを消化してバンドという形態で吐き出すことは珍しくもないが、ひとたび“マッドの音”となると、どのような表現方法として成形されているのかを思うに、過剰ともいえる期待をもってしまう。

近未来的電子音と共に一気に緑色のレーザー光線が会場を一回り。ぶっとい4つ打ちドラムと重低音なベース&ギターの轟音と共に全ての状況を壊すかのように攻め立てるオープニング。

クリス・ブラックウェルにして、“東洋の怪物”と言わしめるマッド。会場はその高速破壊音に吸い付けられ、その音の鼓動とオーディエンスがいつの間にかひとつの弾丸のようなまとまりになってうねりをあげる。恐怖と畏怖すらこみ上げるほどの、音と一体感…、未だ経験したことのない空間に襲われる。怪物が唸りをあげる…。

ライヴは新作『010』と過去の作品から演奏。前半戦、先行シングル「GiGA LIFE」「CHAOS STEPS」を立て続けに披露し、来ていたオーディエンスは“待ってました”とこの音の洪水に身を任せ、次々にダイヴしていった。強力な曲でリスナーを叩きのめす先行シングル。もちろんシーケンス、機械の音を融合させて作り上げる生演奏というスタイルだが、CDから伝わるパワーとは比較にならない迫力と破壊力だ。

破壊の中から生まれる、まだ見ぬ新たなサウンド構築をバンド創生期から実行してきたマッド。それこそが、マッドの無比たる所以。ギタリストこそ幾度かの変遷があれど、こと、KyonoとTakeshi Uedaの身体に流れる“才”とそれを自らコントロールする“鋭敏さ”は、他に類を見ない桁違いのものである。

研ぎ澄まされた感性は、常に錆びることなく、マッドの差し出すサウンドは、常に進化の道を選択し続けている。

大基本にバンド・サウンド。ベースにロック。スピリットにパンク。もちろん、音を使っての表現。サウンドをコラージュしての自己主張。そして自らを刺激するエレクトロニクス。それらを全て飲み込んで吐き出す、生身の肉体…マッドはそのような“怪物”だ。ロックバンドという肉食動物が変態・進化・変身を遂げ続けて、今もなお完成形を見ない“蠢く怪物”なのである。

バンドサウンド、そこにループ。あり得ない歪みの破壊力。そんなキーワードを連ねただけではマッドのアウトラインすら表われないが、シーンよりも一歩先のサウンドを次々と具現化したことだけは歴然とした事実である。

そんな止めることができないマッドの進化を目の当たりにしたライヴ会場…恐怖を感じていわば至極当然なのだろう

about THE MAD CAPSULE MARKETS


▲左よりMotokatsu Miyagami(Dr,Pro)、Takeshi Ueda(B,Syn,Pro)、Kyono(Vo)。
The Mad Capsule Markets のメンバーはKyono(Vo)、Takeshi Ueda(B、Syn、Pro)、Motokatsu Miyagami(Dr、Pro)。

'90年4月に結成。'91年にはインディーズからシングル「ギチ」「あやつり人形」「カラクリの底」の3枚+ビデオ(3曲収録)を同時リリース。その後も全国ツアーを重ね、異例の早さでメジャーより1stアルバム『P.O.P』をリリース。'92年には2ndミニ・アルバム『CAPSULE SOUP』、3rd『SPEAK!!!』をたて続けにリリース。パンク、ハードコア、ヒップ・ホップ、テクノなど様々な音楽性を吸収し、吐き出したオルタナ・ロック・バンドとして着実に活動していく。

'95年、9月にはアメリカ・インディーズよりアルバム『Park』をリリース。こうして海外デビューの第一歩を進み始めたThe Mad Capsule Marketsは同月、サンフランシスコにて初めて海外ライヴを行なう。また、勢力的に作品づくりとライヴ活動を重ね、'96年1月に6thアルバム『4PLUGS』をリリース。この作品を転換期に徐々にサウンドが変化、そしてその後はどんどんと進化を遂げていくこととなる。
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しかし、'97年には音楽的な方向性の違いからギターが脱退。その後はサポート・メンバーを迎えRage Against The Machineの前座やフジロック'97に参加。同年、9月にドラムンベースを取り入れた8thアルバム『DIGDOGHEADLOCK』をリリース。10万枚を越えるセールスでその名を知らしめ、'98年にはそのアルバムがアメリカ・ヨーロッパのインディーズよりリリースされる。

どんどんと、音が巨大化していくなか、'99年に9thアルバム『OSC-DIS』をリリース。その収録曲「GOOD GIRL」は中田英寿出演のCMソングに起用され、話題となる。

また、リミキサーにAdrian SherwoodAudio ActiveAlec Empireなど、先鋭的なアーティストを'90年代中頃から起用し、一歩先のサウンドを常に試みていた。

そして'01年、来るべくしてようやくその時が来たという感じの海外進出! あの、アイランドレコードの創始者、クリス・ブラックウェル氏による新会社パームピクチャーズと正式に契約が締結。

クリス氏はマッドを「東洋の怪物」と称賛し、前作『OSC-DIS』が今夏全米リリースされる。また、日本では2年ぶりの新作『010』が7月にリリースされる。

文●イトウトモコ(01/07/10)

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